39話 入学試験
学院に繋がる橋を渡り、門をくくり抜けると校庭が広がっていた。かなり広いため、試験会場までもうしばらく歩くことになりそうだ。
今回は入学希望者に対する試験なのだが、留学者に対してはどんな結果であろうと入学は許可されている。
じゃあ受ける意味がないんじゃないかと思ったが、合否を決めるほかに受験者のクラス分けを入学試験の出来によって決めるらしい。
クラスはSクラスが1つ、Aクラスが2つ、Bクラスが4つとなっている。
試験内容は基礎科目から魔法や魔物に関する筆記テストと、魔法の実技テストと模擬試合の3つだ。
…えっ、おれの場合実質2つの試験しか受けることができないんだけど。というか魔法の実技テストとか受けなくていいんじゃないか( ˘•ω•˘ )
まあ、落ちるわけではないしクラスにこだわりとかもないしな、のんびりとしますかな。なんて考えているとも筆記試験の会場についた。
「ついたね!筆記試験は私もロップも問題ないとおもうからうっかりミスだけは気をつけようね!」
「まあ最悪白紙でもいいわけだから気楽にいこうぜ」おれがそういうとセレスは不満げに反論してきた
「だめだよ!Bクラスだと一緒のクラスになれる確率が4分の1なんだから。一緒のクラスになるためにはSクラスだと確実なんだからね!
ていうことで、一緒にSクラスになれるよう頑張りましょうねー!」
そういい、セレスは手を振りながら隣の試験室へ向かった
無茶を言う…、まあやれるだけのことはやってみるか、と気合を入れておれの受験番号と同じ番号が記されている札が置いてある所に座った
筆記テストの試験内容は、あらかじめ対策していたところと外れていなかったためなんとか全ての枠を埋めることができた
「終了!」試験官のとまれの合図で筆をおいた。一応時間いっぱいいっぱいを使って見直しをしたから、大きなミスとかは無いはずだ。周りをみるとほとんどの受験者の顔色はよかったため、満足のいく解答ができたのだろう。さすが国中のエリートが集まる学院だな。
解答用紙が回収されたので、セレスと合流して魔法の実技試験会場へ移動を始めた。心配する必要は微塵もないが、セレスは自己採点によれば満点らしい。
「つぎは…、ロップ試験受けるの?」悪意のない純粋な疑問がおれの心を抉った。
「逆に受けなくてもいいという選択肢はあるのか?」おれは質問を質問で返した
「そりゃもちろん受けないといけないかもだけれども、ロップの場合最低評価になるのは間違いないでしょ?」…セレスさんよ、純粋な感想が時には人と傷つけることを知っておいた方がいいぞ
「最低評価を貰ってしまったらSクラスになれねぇじゃねぇか」思わず突っ込んでしまった
「えー、どうして? 模擬試合があるってことはロップが一番になることは間違いないんだから魔法の実技試験が0点でもなんの問題はないと思うけど!」セレスは一切の疑念を抱かず、当たり前のことを話すかのように笑顔で言い切った。
…そうだよな、コイツは魔法が使える使えないかで人を判断しないやつだからな
「おれが全敗するかもしれねえじゃねぇか?」「そんな強い人たちで溢れていたら私も一勝もできないだろうから、その時はBクラスで一緒のクラスになれるよう祈っときましょ♪」
とりあえず、魔法の実技試験は結果がわかっていたとしても真面目に受けることにした。
もしかすると試験という窮地に立たされることによって魔法の才能が開花するかもしれない!
「次、281番」試験官がおれを呼んできたため、指定の場所へ立った。
さあ、おれの魔法伝説はここからがスタートだっ!!!!!!
―――……・・・
ものすんごい恥ずかしい思いをした…
滑りに滑った。
ただ魔法名を大きく叫んだだけの中二病のやつだと思われているはずだし、実際そうと思われても仕方がないし、もう穴があったら入りたい。
「よしよしロップ、よく頑張ったねー」セレスは両手で顔を隠しているおれに対して頭を撫でて来た。恥ずかしいのでやめてもらってもいいですかね。…やっぱりもう少ししてもらってもいいですか?
「さっきのあいつの実技試験の様子をみていたけれども魔法が使えないのか?」
「魔法が使えないやつといんのかよ」
「なんでこんな入学試験にいるんだよ」
「ねぇ、あの方がアルカディア皇国の留学者じゃない?」
「かわいいと美しさを兼ね備えているなんて反則だよ…」
「おれ、あとで話しかけてみようかな!?」
「おれもいこうかな!?…ていうかあの男はだれなんだよ?」
「さあ?留学者なのは間違いないんだろ?」
「魔法が使えないのに遠路はるばる何しに来てんだよ」
「金魚の糞が、さっさとそこの位置おれと変われよ」
すごい、まわりの受験者全員がおれに対しての話題でいっぱいだ。特に悪いほうで。
人との信頼関係を築くことは大変で、崩れるのは一瞬だと耳にするけどまさにその通りだったということだね☆
気を取り直して、次の試験会場へ移動した。最後はいよいよ模擬試合による試験だ。
試合相手は、受験者同士でランダムの組み合わせになるらしく、1人5試合戦闘を行う必要が有る。
ちなみに、今回は留学者VS留学者という組み合わせにはならないことに加えて、心霊武具の使用は禁止らしい
「第一試合目該当者は指定の会場へ向かうように!」試験官の言葉を皮切りに、モニターは対戦相手の組み合わせが表示されていた
いきなり、おれの出番だったので会場に行った。
さて、おれの最初の対戦相手は…
「うお、ラッキ~さっきの魔法が使えない野郎じゃねぇか」
対戦相手をよく見ると、さっきの試験時におれに対して悪態をついていたやつだった…
ものすんごいニマァとした笑みを浮かべている
というか全員そうだったから相手のことは何もわからないんだけどな




