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この作品は何を大事にしている物語なのですか?

※ネタバレはあまりないつもりです。

 しかしながら、この作品の題名についてや、作品背景などを語っていますので、ここを読まずに本編に直接入っても大丈夫な内容です。後に振り返ってもらっても構いません。

質問者:

本日はインタビューをお受けいただきありがとうございます。本日はよろしくお願いします。



作者:

はい、お願いします。



質問者:

早速ですが、タイトルの一部分でもある「ディストピア」というのは何なんでしょうか? あまり聞き慣れない言葉なのですが……。



作者:

 そうですね。現時点での広辞苑などの大手辞書には載っていませんからね。

 ネット辞書ではアニメや本などの影響から辞書に載っている言った感じの用語ですかね。ユートピアから派生した言葉で、アンチ・ユートピアとも言います。

 意味は、『反理想世界・暗黒世界』です。



質問者:

 ユートピアの反対……と言われましても具体的にはどんな世界なのかピンとまだ来ないのですが……。



作者:

 『ピクシブ百科事典』の『ディストピアの特徴』の箇所を引用させてもらうと『表面上はあたかも完全無欠の理想社会であるかのように見える。

しかしいざ蓋を開けてみると、お題目の実現のためにどこかにとんでもないしわ寄せが来ていたり、そもそもお題目自体が嘘っぱちだったりする。』

 と言った要素が特徴的です。


 ズバリそう言った世界と言うのは現実には無いと思うのですが、現代社会で一番近いのは北朝〇ですかね。



質問者:

 なるほど。確かに北朝〇も“地上の楽園“と称していますから、お題目としては良さそうなことを並べていますからね。


 あとタイトルには“初級入門”とありますけど、ディストピア社会でどういったことが“初級入門“にあたるのですか?



作者:

 ちなみに何が“初級入門“なのかは僕にも分かりませんね。ハハッハハッ!



質問者:

 えっ!? ちょっと笑い事じゃないんですけど……でも何か意図や意味はあるからタイトルとして付けられたんですよね?



作者:

 僕が勝手に決めた“初級入門”と言う定義はディストピアでの“暮らしやすさ”と言う点において焦点を絞っています。

 ここでは、“一番ぐらい暮らしやすい人“と言った意味だと思っていただいて構いません。



質問者:

 つまりは、「ディストピア社会でもスローライフを送る」と言ったタイプの作品なのでしょうか?



作者:

 ちょっと違いますね。 そういうことをご期待の方はすぐにブラウザバックしましょう(笑)。


 ディストピア世界では“一番暮らしやすい人”と言うのも生半可なものでは無いと個人的には思っています。ですので、スローライフとは全く違いますね。


 ディストピア社会でズバリ“一番暮らしやすい人“と言うのは「生き方に選択権のある人間」です。

 基本的にはディストピア社会では反社会的な発言を発信するだけでも直ぐに取り締まられてしまいますからね。



質問者:

 は、はぁ……。



作者:

 ちょっと分かりにくいかもしれませんが、『ディストピアでの汎用性のある生き方』とは違うんです。

 本作の主人公はどちらかと言うと“支配者側の人間”なので、「生き方の選択権がある」訳なのです。



質問者:

 ああ、なるほど。いわゆる“勝ち組”の人間の生き方なわけですね?



作者:

 一般的な現代社会の表現を使えばそれが近いかもしれません。


 ただ、一般社会での“勝ち組“とは違って、ディストピアならではの様々な制約があることから”葛藤“が色々と生まれてくるという訳ですね。


 特に自分の立場を捨てるか捨てないかそういうギリギリの攻防というのが局面ごとで随所に出てきます。そういうところを注目して読んで欲しいなと言うのがあります。



質問者:

 ちなみにこの“初級入門編“が終わった場合、次回作はやはり”中級編”と言ったものになるのでしょうか? そもそも先ほどの定義から言って“中級編“ってどのような感じのものでしょうかね?



作者:

 そこはどうかは分からないです。

 しかし、ディストピアを題材とした作品として代表的な作品はジョージ・オーウェル氏の『1984』と言われていますね。ディストピア系の作品の登竜門と言っても良いでしょう。


 かの作品の主人公は一般階級の下級役人で歴史記録の改竄作業を続けているうちに社会に疑問を持っていたという設定があります。


 本作も大いに参考にさせて頂いておりますが、『1984』内での主人公の選択権はほとんど無いと言って良いです。

 ただし、世界の真実の裏側を知りえる立場ではあったので僕の定義で言えば“中級編“と言って良いでしょうかね。



質問者:

 はぁ、なるほど。大体概要が掴めてきました。最近流行った作品で言えば「PSYCHO-PASS」みたいな感じなんですかね?



筆者:

 そうですね。あれも初級編と中級編の間ぐらいかなと思います。

 ただ、あの作品の「シビュラシステム」と根本的に違うのは「そもそも無かったもの」を捏造したりしています。AIなどで管理しているように見せかけて実際のところは人為的な選別をしているわけですね。


 上の人が“気に入らない”と思うだけで自分が完璧に動いていても消されてしまうという感じですかね。

この作品でも信用スコアは存在しますが、所詮、他の一般人から見た社会的信用に過ぎません。



質問者:

 結構シビアな世界観なんですね……。



筆者:

 余程トップにとって有益な人間だと認定されないとすぐに消されるでしょうね。そんな世界で生き抜くと思って下さい。



質問者:

 なるほど……。次に作品を作る上で苦労された点などはありましたら教えてください。



作者:

 そもそもの話としてこの話を書くのは初めてでは無いんです。

 構想段階ではかなり前から行っていました。ですが、その際には話の展開のテンポ重視でどういう背景があるのかとかそう言った点が軽視されていた感じがあったんですね。


 そう言ったことから、自分の文章を自分で読み返してみても中々面白さが伝わってこないというかピンと来なくて――とかやっているうちに時代が日々激変していっているじゃないですか……。



質問者:

 書いている時代を想定していたのに、世界や価値観そのものが変わってしまったら結局のところ何か別のものになってしまいますからね。



作者:

 そうです、そうです。書こうとしていた年代を書くことでそこは補えそうですけど、時代劇とかでしたらそれでも良いと思います。


 けど、なんか中途半端に古臭い感じのものも書きたくなかったので、これまでは生きている時間を軸にディストピアの物語を想定していたんですが、自分で世界観を作ってしまおうと思ったわけです。未来に世界軸をズラすことで、多少の世界が変革したとしても修正が効きやすいとも考えたわけです。

 


質問者:

 ということは、今回の作品ではテンポ重視というより、世界観重視ということでよろしいでしょうか?



作者:

 簡単に言えばそうなりますね。また、世界観だけでなく各々のキャラクターの設定背景まで拘ってやっていますね。

 そう言った一つ一つの要素を深堀していくのはなかなか書いている側としても「楽しさ」みたいのがありますね。



質問者:

 最後の質問になりますが、この作品にあるメッセージ性みたいなものがあれば教えてください。



作者:

 今はまさしくVR時代の入り口ともいえるところにもあり、感染症のことも相まって世界観や価値観の変わり目にあると思うので、中々これまでの感覚では生きにくい時代だと思います。


 日本ではただでさえ、1年間で自殺者が2万人、若者の死因トップは自殺ととんでもないことになっています。

 でも、どんな状況だとしても自分なりの生き方と言うのを見つけて、力強く生きていって欲しいなと言うのがまずあります。



質問者:

 なるほど……今は社会全体の問題は色々ありますからね。給与は上がらないのに物価だけが上がったり……。

 政治家は色々と問題は起こしますし、戦争の危機にも日本が晒されるかもしれませんからね……。



作者:

 まぁ、諸問題が複雑に絡み合っていることが多いですけど、何があってもブレない“自分らしさ”そう言ったモノを追求していけたらいいなと思いますね。


 日本は一人あたりの収入も下がっていますけど、例え収入が少なくても必要支出を下げつつ幸福感や達成感があるのならば、十分に生きていけると思うんですよね。


 逆に収入が多くても承認欲求が高い人間や、必要支出が多すぎる家庭はあまり幸せに暮らせないと思うんです。

 要は分相応の地点を個々人それぞれで見つけられることが最善かなと思ってます。そう言ったメッセージも随所に入れていければと思っています。



質問者:

 本日はインタビューにお答えいただきありがとうございました。作品の完成を楽しみにしています。



作者:

 ありがとうございました。最後まで完走できるように頑張ります。お疲れさまでした。

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― 新着の感想 ―
おじゃまします! わりと陰謀論好きな技術屋です!  本編まだ入ってないけど、この前書き的なところで期待値とテンションを上げました。ディストピアとか、サイバーパンクと呼ばれる分野ですね。  内容にかか…
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