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鐘楼の白い鳩が飛ぶとき (When the white dove in the bell tower flies)  作者: 湖灯
*****テロとの戦い(Fight terrorism)*****
99/301

【エロ動画鑑賞会②(Erotic video viewing party)】

 次の日も、どのような任務が待ち受けているか分からないので、大いに盛り上がった酒宴も午後10時にお開きとした。

 部屋に戻る廊下を歩いていると、エマの部屋から明かりが漏れているのが見えたのでドアをノックすると、いつにも増して優しい笑顔で迎え入れてくれた。

「国防省からは、いつ戻ったの」

「うーん8時半くらいかな」

「だったらサロンに来ればよかったのに」

「うーん……そうね」

「なんか意味深な答えだな」

「だってチョッと妬けちゃったんだもん」

「妬ける?」

「そう。G-LéMATのメンバーは、みんなナトちゃんが大好きでしょ。でも、そのナトちゃん自身は、戦場以外の場所ではいつも仲間につれない。それなのに今夜は皆とお酒を飲んで、あんなに楽しそうにしているんだもん。私の出る幕なんてないわ」

「そんなことはない」

「だって、もう32よ」

「エマは、いつでも、いつまでも綺麗で可愛い」

 エマの栗色の髪を撫でながら、顔を近付ける。

「いつも褒めてくれて有難う」

「こちらこそ」

 エマの濃いブラウンの瞳を見つめたまま唇を合わせ、そのままベッドに押し倒す。

「あら、今日は、やけに積極て……」

 余計な会話は、気持ちをはぐらかすためのもの。

 私は、そのお喋りな唇を、自分の唇で塞ぎ舌を押し込んで絡めた。

 しなやかなエマの指が私の頬から首を伝い、服の中に潜り込むと胸から背中へと這いあがり、さらなる頂きを目指す。

 柔らかく弾力のある脚が、まるで蛇のように私の脚に巻き付いてくる。

 エマが少し腰を浮かせ、体勢を変え私の上に乗ってくる。

「駄目……」

「あら。火をつけておいて、私にはサービスしてくれないつもり?」

「サービス?」

「皆には許したんでしょ、ビデオに映ったナトちゃんの恥ずかしい姿を」

「あれは、許したのではない。お、怒らなかっただけ……それより、な、なんでそれを知っている……んっ♡」

 体勢を変え、攻守を入れ替えたエマが私を攻める。

「だって、偵察目的でダクトに入るのに、ナトちゃんがボタンのある軍服のままでは入らないでしょ。それにトーニちゃんと服を交換しているし、戦場で不正が行わていないことを証明するために、みんな胸にビデオカメラを付けているんだからその光景は全て撮影されているのよ。男の子が、それに気付かないはずはないし、それを見ないという誘惑には逆らえないでしょ」

「男子って皆そうなのか?」

「皆がそうだとは言えないけれど、少なくとも命を張っている彼らは、そうでしょうね。ハンスだって、衝動的にナトちゃんを襲うでしょ?」

「馬鹿!!」

「あら、やはり、そうなの?」

「知らない!」

 そっぽを向いた私の顔を、エマの顔が追いかけてきて覗き込む。

 今、顔を見られたくなかった私は、反対側にもう一度顔をそらす。

 今度は追ってこない。

 “なぜ?”

 思うまもなく耳の後ろから首筋に沿ってエマの唇が這う。

「あんっ」

 思わず声が出て、指がシーツを掴む。

「あらっ、ナトちゃん感度上がった?」

「知らない……」

 何を言おうとしても、もう言葉が出ない。

 エマに攻められていて、シーツを握り続けていることしかできない。

 止めるように言いたいけれど、口から出るのは甘い吐息と、驚いたように喉の奥から突然出る鳴き声だけ。

 今夜のエマときたら、攻守を変えるタイミングさえ与えてくれない。

 唯一のチャンスはエマが顔を見たいと言って私の体を仰向けにさせたときだったけど、そのチャンスさえ下腹部に鎖のように打ち込まれた脚が容赦なく私を揺さぶり、攻守逆転のすきを与えてはくれなかった。

 うつ伏せになっていたのに、いつの間にか上着のボタンが外されていて、仰向けになった私の胸をエマが開く。

「あらっ!?」

 エマが驚いて、変な声を上げた。

 攻守逆転のチャンスなのに、何故かその声に反応してしまう。

「どうしたの?」

 エマの目が私の目を捉えて近づく。

 “キッス?”

 受け入れるために薄く目を閉じるけど、少し口角の上がったエマの顔は唇には触れず頬を降りてゆく。

 そして耳元に息を吹きかけるように囁く。

「“さらし”じゃないのね」

 かけられた息と思いがけない言葉。

 Tシャツは仕方ないとしても、少し胃液を掛けられたといって、ブラまで外す必要があっただろうか。

 いや、あれが銃弾の飛び交う戦場であったなら、Tシャツの匂いさえも気にならなかったはず。

 カメラだって忘れていたわけではない。

 だったら私は……。

 恥ずかしさで止めようとするまもなく急激に熱が上がってきて、私は一瞬で果ててしまった。


「はぁ、はぁ、はぁ……」

 余韻で、息しかできない状態の私をエマが優しく抱いてくれている。

「外では最強戦士なのに、相変わらずベッドでは弱いのね」

「もう……知っっていたのか?」

「なんとなくね。銃を持った大勢の敵に対して、ほぼ素手で戦う困難な任務。なのに手柄はウクライナ警察にプレゼント。サプライズなご褒美くらい用意していないと、結束が崩れてしまうことは今のナトちゃんなら気がついて当たり前でしょ。さすがよ」

「ありがとう」

「学校に行って、色々と大人になっわね」

 エマの手が胸の頂をまさぐる。

「馬鹿……」

 私は、そのまま体勢を変えエマの上に乗った。

「あら、攻守逆転かしら」

「私を鳴かせた罰だ。今度はエマに鳴いてもらう」

「いいの?私、狼くらい遠吠えするわよ」

 エマの手が首に巻き付いてきた。

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― 新着の感想 ―
[一言]  エマちゃんとナトーちゃんのサービスシーンですね。  ナトーちゃん、フリーダムだなあ。  しかし、あの映像が意図的だったとは、ナトーちゃん優しいと言うか、身を捧げてるなあ。
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