もしも一般人がカップ焼きそばの作り方を書いたら
「もし文豪達が・・・」のタイトルだけを見て自分なりに書いてみようと思い執筆しました。読んでしまったら内容に引っ張られると思ったのでまだ読んでません。そろそろ読もうかな〜
カップ焼きそば【カップ焼きそばとは、日本発祥で、カップ麺のうち焼きそばを模したものを指す。袋麺タイプも含めた「インスタント焼きそば」の1ジャンルである。】と某サイトから。
このカップ焼きそばを初めて見た時は「何だこれ?」と思った。
その理由、カップラーメンならお湯を入れてそれがスープとなりラーメンへと変貌する事が簡単に想像出来るのだがカップ焼きそばとなると少々戸惑うのだ。そう、焼きそばの「焼き」の部分にだ。
熱湯では焼けない。地上の1気圧で摂氏100度、華氏では212では到底無理なのだ。でも表装の作り方を読んで納得した事を同時に思い出した。
その「カップ焼きそば」は私の好きな食べ物の中でも上位に位置している。何位だとは言えない、言ってしまうと私の食に対する知識やレベルの評価が暴落してしまう恐れがあるので黙秘を貫く事にしておこう。
さて、目の前の「カップ焼きそば」。今は購入して間も無く表装もしっかりして尊い光沢と張りを持つ貴婦人の様な「カップ焼きそば」。
そっと手に取る。するとカラカラと乾いた音が響く。
この音は買い物袋に詰め込まれていてもカップ焼きそばの存在を忘れさせない為の言わば貴婦人の美声なのだ。言っておくが私は一度たりとも買い物袋のカップ焼きそば(貴婦人)を忘れたことは無い。忘れる方がおかしいのだ。
さあカラカラと言う音、高級楽器の音色とも言える音を楽しんだ後は表装のフィルムを剥がす作業に入る。
このフィルムを剥がす時は細心の注意が必要なのだ。間違っても爪などをたてて中の器本体を傷つける様な事をしてはならない。カッター等の鋭利な物でフィルムと器の隙間の大きい場所をそっと優しく切り剥がすのだ。このフィルムは言うなれば貴婦人のドレスだと思え。
剥がした後はやはり尊きドレスをそっとたたみ、燃えるゴミでは無くプラスチックのリサイクルとしてまた手元にやって来ることを願い一礼を・・・
さあ本体とご対面。おそらく蓋に当たる部分には再度作り方が記載してあるので正座をし黙読するのは日本人としての礼儀である。
物によっては蓋の真ん中辺りにふりかけの小袋が貼り付けてある。それはそのままがいい、無くしたら大変だ。
蓋に当たる部分の説明通りに所定の位置までめくるように開ける。すると輝く貴婦人の素肌・・・カチカチの麺とその上に乗るソースやマヨネーズの小袋が見えるだろう。初代は「かやく」と言うカリカリのキャベツが袋に入っており、それを最初に器の中へ投入するひと手間があった。今は付属の小袋を取り出すだけでキャベツは投入済である。即座に熱湯を注ぐと言うイベントへ移行出来るのだ。
当然この時点でお湯が用意してあるだろう。なに?用意して無いだと・・・私は手を伸ばし3秒もあれば注げる状態で熱湯待機状態だ。今から沸かすなどは愚行だぞ?
身ぐるみ剥がされた貴婦人の身になってみろ!そんな状態で数分待たせるのは失礼極まりない。
さて程よく沸いたお湯(熱湯)を器に注ぐのだが、ここは細心の注意が必要だ。(2回目)
決して勢い良く注いではいけない。それをやってしまうと固まっている麺の中の空気が抜けず固さにムラが出てしまうからだ。お湯は優しく細く絞り器の淵から水位が増すかの様に注ぐのが良い。貴婦人の様子を伺いながらお湯を注ぐのが礼儀だと言えば理解し易いだろう。
そして3分、物によっては5分の待ち時間がある。その時間は正座をして待つのが常識ではあるが1つ忘れてはいけない事がある。ソースが液体の場合は蓋の上で暖めるのだ。
これには2つの意味がある。1つはソースを混ぜる時にせっかく熱々の麺の温度を下げない為。もう1つはソースの中にある油脂を溶かし袋から出しやすくする為である。
それを怠ると固まった油脂は袋から全量出す事が出来ずに本来の風味を楽しめないと言う由々しき事態なのだ!
さてこの数分間、どの様に過ごすかが問題であるのだが、パタパタと忙しなく蓋を開けたりして確認するのは言語道断。静かに正座をし、隙間から時折立ち上る湯気を眺め、出来上がった時を夢見、気持ちを煽ったりとやる事いっぱいで数分などあっという間である。
そうこうしていると所定の時間になるが、またもや細心の注意が必要とされる重要なイベントの始まり。
それは「湯切り」
麺を柔らかくする仕事を終えたお湯を、そうお湯だけを器の中から感謝を持ってご退席頂くのだ。
現行の器の構造は至って簡単。専用の湯切り口なる物が備えられている。子供でも簡単に湯切りが出来る。だがそれより前の物は蓋その物が取ったり被せたりの蓋でその一部分に穴が有りそこから湯切りをしたのだ。
その為悲劇が起きる。経験した者も多かろう湯切り最中に蓋が開いてしまい大惨事を招いた事を。
開けは当然重力や質量により麺(貴婦人)はお外にお出になられます。そのお外と言う場所は台所のシンク。シンクに麺(貴婦人)。
シンクと言う場所は大方汚いという認識の人が多数だと思うが私もその1人で、その光景は地獄そのもの。器の中なら食品でシンクの上では生ゴミ。時間が止まる。
出来ればシンクに到達する前に止まって欲しいと願った。
それを熱湯で洗って食べたと言う強者が居ると聞いたが、私は二度と悲劇を繰り返さないためにザルを置いて湯切りイベントに挑み勝利。まあ1度目はあえなく撃沈なのは言うまでも無い。現行の器の構造ではありえない悲劇なのだがこの経験談は良く耳にする。
さあ湯切りも無事に済んだが蓋を完全撤去する前にやらなくてはいけない事がある。お分かりだろうか?湯切りをした後は麺や具材などが蓋の裏側にかなりの確率で張り付いているのだ。そのまま蓋を開けたら美しくない。
そして後から蓋の裏の麺や具材を箸で摘み取るなど見栄えも悪い。それを防ぐ為に行う工程がある。
まず器を水平に持ち前後左右に優しく揺すり麺を均等にならす。そして台に置き蓋を指で弾くのだ。弾く時はデコピンの要領で加減は最弱で行え。トントンと2回。トントントンと3回はダメだ、喧しい。
ここまで来ればゴールは目の前だ。蓋の完全撤去!
顕になる貴婦人。元い麺。
本当ならこの光り輝く白い素肌・・・白い麺をじっくり眺めて堪能したいのだが、そんな時間は無いのだ。刻々と温度低下をしていく麺に今まで温めていたソースを絡めなくてはならない。徐々にソースの色に染まっていく麺。色々と思う事もあるだろうが心の中だけにしておくほうが良いこともある。
この時なるだけ麺を切らないように、そしてムラにならないように、さらに時間を掛け無い様に、冷ましてしまったら元も子もない。
仕上げといこうか。
お好みにより付属のマヨネーズ、ふりかけをトッピング。
因みに私は付属の物は全てかける派だ。何故なら製作者側の意図する味になるからそれを楽しみたい。
う〜ん、素晴らしい!
合掌
素人なので読みにくかったと思いますが最後までお読み頂きありがとうございました。