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mission3-2


 ドアを蹴破り、制圧していく。

ドダダダダダダッ!!!

 何人かが束になって襲いかかるけど、今のところゲイルの前に立っていられたやつはゼロといっていい。


 このゲイルは当時の最先端技術を駆使して作り上げた精鋭用のアサルトライフル。 ネックは重いこと、コストがバカ高いだけで、その他のスペックは他のアサルトライフルとは一線を画している。


 長らくアサルトライフルの代表格として名を馳せてきたHK416やM4とタメを張る高性能の量産型アサルトライフルが多く生まれる中、精鋭用の武器が生まれるのには相応の理由と資金が必要だった。 ゲイル小隊が異例の戦果を産み出し続けるのを見て、軍部は提携している武器会社に精鋭用の武器を作ってくれと頼んだようで………何を思ってそんなことをしたのかはわからない。

 専用の弾とセットで開発されたG5、通称【旋風ゲイル】は約一メートルの銃身でスナイパーライフルを魔改造する形で開発がスタートしたらしい。

 装填数は32発。弾速は970m/s。プルバップ形式でフルオートマチック。重さは5.768kg。 使用する弾はNATO規格だけど、NATO弾を改造した特殊な「アウルム弾」の使用ができる設計になっている。

 じっくり狙うタイプだが、重さのお陰で反動は軽減され振動が安定し、連射するスナイパーライフルのように扱うことも可能。もともとスナイパーライフルを魔改造する形で始まった形なので精度も充分満足。マガジン、装填機構も改良されていてリロードが劇的にさくさくできるほど軽い。 慣れれば一秒で完了する。

 特筆すべきは、その威力。

 従来のライフルでは貫けない壁や土嚢などを、専用の弾丸としてあつらえられたアウルム弾は簡単に風穴を開けてしまう。 下手なスナイパーライフル以上の威力の弾が飛び出てくる。

 しまいにゃ戦車の嘘みたいに硬い特殊装甲をも上手くいけばたった数発で穴を作って中に入り跳弾しまくる。この小さな弾丸がなぜそんな威力を持ってるのか気になる。

 コストは高いけど、うまく使えばそれ以上の強さを持ち合わせている。 まさに精鋭用のアサルトライフルなわけだ。開発陣の腕の高さがうかがえる。

 そんなゲイルだけど、どうやらこっちの世界では弾の制限が無くなっているようで、リロードを挟まずとも撃てるようになっている。つまり無限弾。 それでいて弾以外の性能は変わってないんだから化け物すぎた。

 これ一発で男は沈んでいる。

 ………ゲイルじゃなくとも、こいつらの装備はフォークでも簡単に貫きそうだけどね。


 西部開拓時代かと思うほどに男どもの服装はあまりにも貧相すぎた。 なんだその守っているようで守れてない防具は。 意味があるのか。

 しまいには防具を身に付けずに裸一本で戦ってくるやつもいる。

 

「女一人に何をてこずってやがる! さっさと倒せ!」

「無理だよ! あいつ目に見えない攻撃してくるんだ! いつのまにかもう足がやられてるんだ!」

「音だ!音を使って攻撃してるんだ!」

「一体どういう魔法を使ってるんだ!?」

「くそぉっ!また仲間がやられた!」

 相手は全員近接武器しかもっていない。 時代遅れなさびさびの剣を振り回してこっちに来るから正直やりやすい。

 一人一発。 撃ち込んで無力にさせる。

 いまのところは足だけでいい。 殺すかどうかはそのあとにしよう。

 この程度で転がって泣きわめいてるような野郎共だ。 どうせ何もできまい。


 ったく………あたしのところのしたっぱももっとやばいの撃たれても泣くどころか冷静に退避か反撃のチャンスをうかがう訓練してるけどね。

 戦場に甘えはいらない。

 

 着実に制圧が完了する。

 

 館から男たちの悲鳴がほとばしり、どんどん倒れていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドガンッ!

 

 ごつい鉄扉をゲイル三発でハジキ飛ばす。

 蝶番を破壊されて脆くなったそれを蹴飛ばして強引にはいると。

 

「誰だてめぇは?」

 

 ようやく「ボス」のお出ましだ。

 こいつが「バンなんとか」ってやつか?

「ベニヒメ 捕まえようとした おまえ?」

 ゲイルを寸分たがわすやつの眉間に向ける。

 妙な真似をされる前に問い詰めてから殺す。

 バンなんとかはそのでけぇ体躯を見せつけるようにして座りながらも威嚇する。

 二メートルを越えているそのボディは凄まじい筋肉の束で覆われている。 はっ。まるで緑の怪人のようだ。

 その右手にはこれまたクレイジーな時代遅れ【戦斧】が握られていた。

 なんだそれ。

 まともに振れるのか………。

「てめぇが侵入者か………フッフッフッ。」

 男はこちらをぎろりと睨み付ける。

「女のクセに俺の手下をやりやがったようだが………Aランクのこの俺、ゲラートさまをそんなおもちゃで倒せると思ってるのか?」

「こっちが 聞いている。 ………ベニヒメは?」

 男はきょとんとした。

 直後大笑いする。

「フハハハハハハッ!!! 」

 天井を見上げるようにして笑ったあと、男はぐいっとこちらへ顔を寄せた。

「命令を下したのは俺じゃねぇ。 あの領主さまよ。 バンバド………って名前なんだが、何だ知らねぇのかおめえ。」

 男が嘲り笑うようにして鼻を鳴らす。 そしてゆっくり立ち上がる。

「おめぇみてぇなちいせぇ女ごときにここまでやられたらなぁ………俺らにもメンツってもんがあるんだよなぁ。 あんまり調子に乗ってんじゃねぇぞ?」

 はぁ。

 どうやらこいつが命令を下した訳じゃなさそうだ。

 断片的に理解できた言葉から察するに上のやつがいる。 その名前がバンバドで、こいつじゃないらしい。

 それがわかればいいんだ。

「この俺ゲラートさまがてめぇをっ」

ガウンッ!

 股間を撃ち抜く。

 ゲラなんとかは呆けた表情のまま倒れる。


 さてと。

 

 聞き込みを始めるとしようか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アウルム弾:第三次世界大戦中アメリカ陸軍および従軍のスポンサーでもあった世界最大の武器会社のひとつ【G&Pカンパニー】が開発した精鋭用アサルトライフルの専用弾丸。

 

 

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