3話 第2次世界大戦
部屋へと移動したブリテソ女王とシャロ王女は、一息の
休憩を取り、ティータイムをとっていた。
「あの方、ヒロと言いましたかしら、素敵な殿方でしたわ。
おばあ様、あの方の事をもっと教えてください」
シャロ王女は、ブリテソ女王に頼んだ。
「いいでしょう。それでは、教科書には載っていない
本当の歴史を教えましょう」
「本当の歴史?」
「歴史は、その時々の権力者によって書き換えられているのです。
現在もしかり」
「へー、そうなんだ。教えてください、おばあ様」
「その昔、第2次世界大戦がありました。
ヒロの国は、島国で東のはてにあります。
その頃、ヨーロッパでは、東の未発展の国を植民地に
しようと領地を奪いあう戦争が起きていました。
私からの提案でヒロの祖父にあたる当時の王が
西側に進出し、他の列強国から東の国を守るように
してはどうかと提案しました。
その提案は、受け入れられ西側の国を占領していきます。
そこまでは、良かったのですが、その後がいけなかった。
調子にのった陸軍は、占領国を列強国と同じように
植民地とし、麻薬による搾取や生物兵器部隊による
人体実験など、自国民にばれないよう悪の限りをつくしました。
国民も国民で新聞などで洗脳され同調圧力による
反戦争や軍の悪事などを無かったことにし、
更には太平洋を隔てて存在する大国にまで戦争を仕掛ける
ような帝国主義の国と化していました。
それを嘆いた海軍は、1から国をやり直す事を決め
大国と取引し、戦争に負ける事を決意し、今があるのです。
しかし、当時の大国はこんな悪魔の国を許さず、
2度と戦争をしないよう憲法で決められ、
生物兵器の部隊は、実験で得られた情報は没収され
現在も島国の民に対して人体実験を行なうという
蛮行がなされていますが、自国の間違いを自浄できない
民族は、それに気付くまで人口を削減されても
仕方がありません。それがヒロの国の現状です」
ブリテソ女王の長い説明が終わる。
「そんな悲しい事があったのですね。人体実験は
やめる事はできないのですか?」
シャロ王女は聞く。
「今の地球にとって人類は増えすぎています。
各国人口を減らすよう何らかの対処がされていて
もうヒロの国だけの問題ではないのです」
「そう……」
シャロ王女は、がっくりとうなだれた。