魔法適性
翌日の朝目を覚ますとレイナにお客さんだと言われた。
ちなみに今日は魔法の日なので人格は俺、優人の方である。
目を覚まして玄関に向かうとルシアが立っていた
「ごめんね。朝早くに朝早くに来ちゃって。どうしても聞いてほしいお願いがあるの。」
「別にいいよ。それよりお願いっていうのは?」
「私に魔法を教えてください。私強くなりたいんです。」
確かに魔法が使えたらいじめられる心配はないな
『兄ちゃん魔法教えてあげて。そしたらルシアちゃんと一緒にいられる。』
こいつは重傷だな。
でも、俺も基本に戻ることは必要だと思っていたからちょうどいいかもな。
「よし、じゃあ今日からいっしょに魔法の練習をしようか。」
「はい。よろしくお願いします。ベルさん。」
「呼び捨てでいいよ。じゃあ今から魔法の勉強をしに母さんのとこに行くから一緒に行こうか。」
ルシアが不思議な顔をしている。
「言ってなかったね。俺は母さんから魔法を習っているんだ。」
それから俺が着替えた後二人でアリスのいる治療院に向かう。
家を出るときレイナさんが「奥様に合格ですと伝えてください」と言われた。
治療院はまだ午前中ということもあって今日は人がいなかった。
中に入るとアリスはルシア見つけ、目の前までとんできた。
「あなたがルシアちゃんね。まぁー、かわいい。
私はベルの母親のアリスっていうの。アリスおばちゃんって呼んでね。
お姉さんでもいいわよ。」
と言ってルシアに抱き付いた。
ルシアが苦しそうな表情をしながらこっちを助けてっと見つめてくる。
ごめんよ。そうなったアリスはどうしよもないんだよ。
その後やっとのことで離してもらった。
「母さん、レイナさんが合格だって。何のこと?」
「あらあら。レイナさんも認めたのね。もちろん私もOKよ。
てことで、ベル、早く告白して付き合っちゃいなさいな。」
「はぁ~。どうせそんなことだと思ったよ。そんなことより今日からルシアにも魔法について教えてほしいんだ。」
アリスのいじりを無視して先に進ませようとする。
おいルシアよ。なぜ顔が赤くなっている。
『優人兄ちゃんルシアは渡さないよ』
こいつはなにを言っているんだか。
「あらそうなの。そうね~。ルシアちゃんちょっとこっち来てくれる。」
そういってアリスはルシアを連れて奥に入っていった。
その後、笑顔のアリスと顔を真っ赤にしたルシアが出てきた。
どうやら話はついたらしく、特に何もなく魔法を教えてもらっていた。
何があったのか気になるが教えてくれそうになかった。
午前中は魔法の知識について教えてもらい、三人で昼ご飯を食べた後、俺とルシアはいつも俺が魔法の練習をしている人気のない森の近くまで来ていた。
「これから実際に魔法を使ってみるぞ。」
「うん。」
「魔法の基本はイメージすることだ。今から簡単な魔法を使ってみるからな。」
「我の力となりすべてを燃やせ 『ファイヤーボール』」
詠唱付きで初級魔法を見せてあげた。
「うわ~。やっぱりベルはすごいね。」
「いやこれくらいはみんなできるよ。大事なのはイメージすることだよ。」
その後ルシアに丁寧に教えてあげた。しかし、ルシアはどうしてもイメージできないのかその日ファイヤーボールを発動させることができなかった。
その夜のごはんの時、そのことをアリスに相談してみた。
「ねえ、母さん。ルシアがファイヤーボールできなかったんだけどなんでかわかる?」
「魔力が足りてなかったのか、もしくは適性がなかったんじゃないかしら。」
「適性?」
「その人が持つ属性の適性よ。最初のころ教えたでしょ。」
まじめに聞いてない頃ですね。そんなこと言ってたのか。
「どうやったらその適正ってわかるの?」
「私の部屋にある水晶で分かるわよ。あら、そういえばベルの適正って調べてなかったわね。
どうするこの後調べてみる?」
「どうしてそんな大事なことを今言うんだよ。」
「いずれ適性のことでつまずくと思ってね。そしたら私のことを頼ってくれるじゃない。私も頼られたいなと思って言わなかったの。でもベルったらまったく悩んだ様子を見せないから、魔法は知識だけでいいのかなって。」
そこにハルトとリリーも入ってきた。
「なんだ。ベルはまだ適性検査してなかったのか。ベルは僕に似てるから魔法の才能がないかもしれないな。アリスに似たのならいいんだけどね。」
「私は水と風と氷の適性があったのよ。どうよ。すごいでしょ。」
「リリ姉すごいですね。じゃあ僕もご飯食べたらやってみようかな。」
「わかったわ。ならあとで私の部屋にいらっしゃい。」
ご飯の後アリスの部屋に行くと、家族が勢ぞろいしていた。
「みんなそろってどうしたの?」
「自分の息子の適性は知っておきたいからね。僕たちにも見せておくれよ。」
「まあいいけど。」
アリスに水晶の見方を教えてもらった。
水晶に触れると光が見えるらしくその光の色で属性を、光の強弱で魔力がわかるらしい。
意を決して水週に触れてみる。
すると水晶は金色にまぶしいほど光っていた。
家族の顔を見ると全員驚いたまま固まっている。
その後、緊急家族会議が開かれどこまで魔法を使えるか聞かれた。
一応上級までの魔法が使えると言ったら、なぜか叱られた。
これが理不尽というものか。
その日から家族の俺に対する監視の目が少し厳しくなった。