家族会議と雷魔法
俺がベルの存在を認識してから1年がたった。
実はその半年前に俺はアリスの部屋に忍び込んでいた。
今までアリスの部屋は入ったらいけないといわれていたが3歳になったベルにいたずらをしようと言われ思いついたのが母親の部屋への無断侵入だ。
アリスの部屋にはハルトの部屋とは比べ物にならないほどの本があった。
その中には魔法の本もありハルトの部屋で読んだ魔法の本よりも高度なことが書かれていた。
なんと魔法には初級・中級・上級・王級・帝級・神級とレベルがあることがわかった。
また雷や氷、光や闇属性の魔法の覚え方についても乗っていた。
それから半年間俺は午前中アリスの部屋へ忍び込んで本を読み、午後は魔法の練習といった生活をしていた。
そんなことをしていたある日、ハルトの提案で家族会議を開くことになった。
晩御飯を食べた後みんなが食卓について会議が始まるのを待っている。
ちなみに今の人格はベルである。俺は意識の世界で横になって魔法の本のついての知識をまとめている。
「よし。全員そろったな。家族会議を始めるぞ。」
「何かっこつけちゃってるのかしら。あなたに威厳なんてないわよ。ねぇ、リリー。」
「そうよパパ。今更かっこつけてももう遅いわよ。」
「・・・・・ゴホン。話を始めるぞ。」
「まあ、私を無視して進める気よ。」
「ママ、かわいそう。」
「・・・・・・・・。」
家族内でよくあるハルトいじりをするアリスとリリーをベルはにこにこ微笑みながらながら見ていた。ちなみに俺はハルトに同情するしかなかった。
「はぁ~。もう僕で遊ぶのはやめてくれ。そんなことより今日はベルのことだ。ベル、今日君は何をしていた?」
「えーっとね。今日は勉強とお昼寝かな・・」
魔法を練習していることは秘密なのでベルはこういうように俺に言われている。
「そうか。ベル、お前は明日から外に出ることを許可する。好きなところに行ってもいいぞ。ただし、村から出てはいけない。森にはモンスターがいるからとくに注意するんだよ。」
「ちょっとあなた。さすがに一人で外を歩かせるのはまだ早いんじゃないかしら。」
「そうかな。でもさすがに家に閉じ込めておくのはかわいそうだよ。」
「それもそうね。」
「ねえねえ、それなら私がベルと一緒に遊んであげるわ。レミちゃんたちも多分いいって言ってくれると思うし。」
「それならリリーに任せようか。ベルもそれでいいかい?」
「うん!」
「よし、じゃあそういうことで頼んだぞリリー。」
そんな感じで今日の家族会議はお開きとなった。
そのあと会議の様子を知らなかった俺は魔法の練習時間が減るとベルに言うとベルはめちゃくちゃ誤ってきた。もちろん笑顔で許してあげた。
次の日ベルはリリーに連れられて大きな家を訪れていた。
「ここに住んでいるレミちゃんとその妹のレナちゃんと一緒にいつも遊んでるの。」
その後執事らしき人がベルたちを部屋に案内してくれた。
部屋に入ると茶髪の縦ロールの女の子とツインテールの女の子が座っていた。
「紹介するはこっちがレミちゃんであっちの子がレナちゃんよ。レミちゃんレナちゃんこの子が私の弟のベルよ。よろしくね。」
「ベルです。よろしくお願いします。」
「わ~~かわいい。私は姉のレミよ。よかったらレミお姉ちゃんと呼んでね。」
「私は妹のレナよ。私とレミは双子なの。よろしくね。私もレナお姉ちゃんって呼んでくれるとうれしいかな。」
縦ロールの子がレミでツインの子がレナだった。
そのあと三人で遊んだのだがまさに地獄だった。
内容は幼稚園のおままごとの異世界版みたいな感じだ。
ベルは夫役をやらされていたがいつもにこにこしている顔が引きつっていた。
ようやく終わったと思ったら次は別のシチュエーションでまた同じようなことが始まる。
ほぼ同じようなことをずっとしているのだ。これはかわいそうだな。
俺はベルの意識の中で魔法の練習をしていた。
昨日家族会議しているときに魔法を使ってみたらなんと意識の世界の中でも使えることがわかった。
なので今日は雷属性の魔法の練習をしている。
雷属性の魔法を使うイメージは電子によって生じる電流を思い浮かべながらプラスやマイナスの摩擦によって電流ができるイメージである。
最初は下敷きでこすったくらいの量をイメージして掌に集中させる。
なんかいろんなものがくっつきそうだな。
次にその威力をどんどん上げていく。するとある一定のところを過ぎるとバチバチ言い始めた。今度は集めた電気を一気に放出するようイメージする。すると手にたまっていた電気が一気に前方に向かって放出された。
俺は雷魔法を覚えたようだ。最終的にギガ○インなんて使えるようになれたらいいなー。
そんなことをしていたらベルは魔力の減少と姉達からの拷問のダブルパンチをくらってKO寸前だった。そのため俺がベルと意識を代り、拷問を受けるのであった。
その夜ハルトに頼んで剣術を教えてもらえるようになった。
決して姉と遊びたくないとかいう理由ではない。
決してスライム役がやりたくないとかいう理由ではない。
大切なことだからあえて2回言わせてもらった。
そして翌日から俺はハルトと一緒に道場に行くことになった。