第48話:【最終話】永遠の休日――聖域は、今日も閉ざされている
第48話:【最終話】永遠の休日――聖域は、今日も閉ざされている
それからの聖域は、かつてないほど「賑やかで静かな」場所となった。
シルスと健斗は、縁側で並んでゲームに興じ、時折アルシエル(元神)が酒を持って遊びに来る。
アリステアは相変わらず二人の自堕落ぶりに小言を言い、ミーナは二人のために地球のジャンクフードを魔術で再現し続ける。
「マスター……。世界、平和、デス。……次、何、シマスカ?」
プルが尋ねると、シルスは欠伸をしながら答えた。
「……そうだな。明日は、サトウ君に『聖域流の最高の昼寝スポット』を教えてやるかな」
ドームの外では、相変わらず人々が「神の導き」を求めて祈りを捧げている。
だが、ドームの扉が開くことはない。
なぜなら、この聖域の主は、世界を救うことよりも、部下を愛でることよりも、何よりも「静かに眠ること」を愛しているからだ。
空に浮かぶ、一キロメートル四方の安息の地。
そこには、かつて「盆ちゃん」と呼ばれた男と、その志を継ぐ者たちが、永遠に続く「休日」を楽しんでいた。
「……あ、アリステア。ポテチのコンソメ味、切れたんだけど」
「主様、神としての威厳を……いえ、すぐに調達してまいります」
世界で最も有能な執事が、一瞬で銀河の彼方へ買い出しに飛ぶ。
盆ちゃんの引きこもり生活――それは、宇宙が滅びるその時まで、終わることのない幸福な日常であった。
――完――




