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第46話:神の寝返り――三千年の微睡(まどろみ)が解ける時
第46話:神の寝返り――三千年の微睡が解ける時
ドーム内の全回路が、一斉に柔らかな黄金色の光を放った。
中央演算核「プル」が、歓喜に震えるような高周波の音を奏でる。
「……ムニャ、……あー、よく寝た。腰が痛い……」
三千年の沈黙を破り、伝説の主神シルスがベッドの上で身体を伸ばした。49歳の魂は、三千年前と変わらぬ「寝起きの中年男性」の姿で顕現した。
その瞬間、寝室の扉が爆発せんばかりの勢いで開いた。
「主様!! お目覚めですか!!」
「……ちょっと、ご主人様! どんだけ寝てんのよ、この穀潰し!」
膝をつき、感極まって涙を流すアリステアと、顔を真っ赤にして怒鳴るミーナ。その背後では、人型に擬態したプルが、無言で特大の「お帰りなさい」というホログラムを空間に投影していた。
「あー……アリステア、ミーナ、プルか。……なんか、みんな少しだけ『神々しく』なったか? 雰囲気変わったな」
「それは主様が寝すぎたせいです。……さて、主様。お目覚めの儀式の前に、ご紹介すべき『後輩』がおります」
アリステアに促され、部屋の隅でガタガタと震えていた健斗が、おずおずと前に出た。




