第40話:社畜更生プログラム――「24時間戦えますか」への処刑
第40話:社畜更生プログラム――「24時間戦えますか」への処刑
健斗が目覚めたのは、雲のように柔らかい「形状記憶スライム・ベッド」の上だった。
反射的にスマホを探そうとして、自分の手が「極上のシルクの手袋」に包まれていることに気づく。
「……あ、スマホは? 炎上の謝罪文、まだ下書きのままだ……!」
「健斗様、その『呪いの板』は、我が主神シルス様の命により、次元のゴミ箱へシュートいたしました」
アリステアが、冷えた**【聖域特製・ノンアルコール極上エール】**を差し出しながら告げる。
「な、なんてことを! あれがないと俺のアイデンティティが……仕事が……!」
「それこそが病理です。これより**『強制デトックス:定時退社(物理)』**を開始します」
アリステアがパチンと指を鳴らすと、健斗の背後に「自動リラクゼーション・アーム」が数本出現。
健斗が何か「生産的なこと」を考えようとするたびに、アームがこめかみを絶妙な指圧でマッサージし、脳内のストレス物質を強引に幸福物質へ変換していく。
「や、やめろ……俺は……まだ……タスクが残って……あ、あああ、気持ちいい……」
「健斗様。この聖域において、唯一の『仕事』は『徹底的にダラダラすること』。それ以外はすべて法令違反(コンプライアンス違反)です。違反者には、ミーナによる『三日三晩、猫のゴロゴロ音を聴かされ続ける刑』が待っておりますよ」
24歳の社畜は、3000年の時を超えて構築された「究極のニート養成システム」の前に、涙を流しながら屈服し始めた。




