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第37話:神座への着任――「定時退社」を司る神
第37話:神座への着任――「定時退社」を司る神
アルシエルが差し出した「神権ライセンス」は、シルスが触れた瞬間、まばゆい光と共に**【聖域管理OS:涅槃】**へと書き換えられた。
「よし。これより私は『安らぎと均衡の主神』に就任する。……ただし、以下の『神定法』を全世界の因果律に刻むこと」
* 第一条: 神は祈りを聞くが、返信はAIが自動生成する。
* 第二条: 世界の崩壊危機以外での緊急召喚は、有給休暇の消化とみなす。
* 第三条: 神の本体は『睡眠』という名の高次元メンテナンスに入るため、原則として不在とする。
「……主様、もはや神というより『永久欠勤中の会長』ですな」
アリステアが呆れ半分、感心半分に一礼する。
シルスは、スライムたちが作り上げた「次元間気圧調整機能付き・超反発ベッド」に横たわった。
意識が薄れ、肉体が光の粒子となってドームのシステムと一体化していく。
「……あとのことは、プルたちに任せたぞ。俺はちょっと……数千年ほど、寝てくる」
49歳の魂は、ついに究極の静寂へと辿り着いた。ドームは次元の狭間へと隠れ、異世界の歴史から「物理的な実体」としてのシルスは姿を消したのである。




