第27話:スライム対神々・ゲーム大会――「盆ちゃん」うっかり神越え
第27話:スライム対神々・ゲーム大会――「盆ちゃん」うっかり神越え
マナ・ネットの普及により、聖域内の娯楽は極限に達していた。
その頂点を決める大会、**【第一回・聖域eスポーツ大祭】**が開催。種目は、シルスの記憶から再現された伝説のパズルゲーム『テト・マジック』。
「神の反応速度、見せてあげるよ!」
アケディアが神速の指裁きでブロックを積み上げる。対するは、数千個体を同期させた「演算特化型スライム・プル」。
会場(マナ・ネット上の仮想アリーナ)は熱狂の渦に包まれた。
しかし、神の「直感」とスライムの「計算」が拮抗し、勝負は泥沼の長期戦へ。
「……うるさい。隣の部屋まで実況の声が聞こえるんだよ!」
寝不足でキレたシルスが、匿名アカウント「Bon-chan」として乱入した。
彼は49年の人生で培った「パターン認識」と「絶対にミスをしない単調作業の継続力」を武器に、神の派手な技を全て受け流し、スライムの予測不能なバグさえも利用して、一気に盤面を更地にした。
『WINNER:Bon-chan!!』
一瞬の静寂。
「……え、嘘。私の神速プレイが、あんな『定時退社を狙うサラリーマン』みたいな動きに負けたの……?」
「プル……! マスター、神、超エタ。コワレ、性能、デス……!」
図らずも、聖域内のゲーミング・ランキングで「絶対神」として君臨してしまったシルス。
翌日から、ドーム内には「Bon-chanモデルのゲーミングチェア」や「必勝祈願のシルス像」が溢れ返り、彼の「目立たない生活」はまた一歩、遠のいていくのであった。




