第24話:神々のオフ会――召喚ミスと「居座りし者たち」
第24話:神々のオフ会――召喚ミスと「居座りし者たち」
平穏を取り戻したかに見えたある日。
シルスは管理コンソールの「言語設定」をいじっている際、誤って**【全次元・高次存在招待ボタン】**を連打してしまった。
「あ、やば……」
リビングの中央に、巨大な次元の穴が開いた。
現れたのは、いつものアルシエルだけではなかった。
「おっ、ここが噂の『盆ちゃんドーム』か! アルシエルの言った通り、ネット環境最高だな!」
現れたのは、だらしないジャージ姿の**【美食の神・バッカス】と、ゲーム機(っぽい何か)を抱えた【怠惰の女神・アケディア】**。
「ちょっと、アルシエル! 勝手に友達を呼ばないでよ!」
「いやぁ、盆ちゃんがボタン押しちゃうからさ。みんな、君の『地球の飯』と『マナ・ネット』に興味津々なんだよ」
神様たちは、シルスのソファを占拠し、無限倉庫から勝手にポテトチップスとビールを取り出し始めた。
「おい、この『ピザ』ってやつ、神界の供物より旨いぞ!」
「マナ・ネットの対戦ゲーム、スライムたちが強すぎて勝てない……。盆ちゃん、課金アイテムの出し方教えて」
49歳の元日本人は、目の前の光景に頭を抱えた。
勇者や学者は追い返せても、この世界の管理者である神様たちを力ずくで追い出すことはできない。
「……アリステア。神様たちの『おもてなし』、やってくれるか?」
「承知いたしました。……ただし、神々に提供するサービスの対価として、聖域の『永久不可侵権』と『税免除』の契約書にサインを頂戴いたしますが、よろしいですね?」
さすがは冷徹なエリート事務官。神様相手でも一歩も引かないアリステアにより、聖域は「神々の別荘地」兼「不可侵特区」として、事実上、世界で最も安全(かつ賑やか)な場所へと確定してしまった。
シルスは、神々とスライムが一緒にオンラインゲームに興じるカオスなリビングを眺めながら、自分専用の静かな寝室へと避難し、深い溜息をつくのだった。
「……引きこもり生活、難易度高すぎないか?」




