第23話:外界からの大移動――「ドーム門前町」と観光地化阻止作戦
第23話:外界からの大移動――「ドーム門前町」と観光地化阻止作戦
しかし、情報の漏洩は思わぬ形で外界へ影響を及ぼした。
ルミとバルカスがドーム内に消えたという噂、そして時折漏れ出す「聖なるWi-Fi」の電波(魔力放射)が、世界中の学者や商人、冒険者たちを呼び寄せてしまったのだ。
「見ろ! あの輝く結界を! あの中に『全知の神』がいるのだ!」
「あそこで売られているという『琥珀色の聖水』を一杯飲めば、寿命が延びるらしいぞ!」
ドームの周囲には、いつの間にか数万人規模の仮設テントが並び、**「ドーム門前町」**という名の巨大な村が形成されつつあった。
「……シルス様、大変です。結界のすぐ外に『公式グッズショップ』を勝手に開こうとする商人や、『聖域ツアー』を企画するギルドが現れました」
「勘弁してくれ……。ここは俺の『隠れ家』なんだぞ」
シルスは、管理コンソールを叩き、**「観光地化阻止プログラム」を起動した。
まず、ドーム周囲の風景を「ただの枯れ果てた荒野」に見せる強力な広域認識阻害を展開。さらに、門前町の中央に「自動応答・クソデカ掲示板」**を設置した。
『本日の参拝受付は終了しました。次回の受付は49,000年後です。なお、近隣へのゴミ捨て、騒音、不法投棄は、ドーム守備隊(透明暗殺スライム)によって即座に排除されます』
それでも引き下がらない群衆に対し、ミーナが「野外活動」の成果を披露した。
村の地面を不定期に隆起させ、深夜には「呪いのビデオ」のような不気味なホログラムを投影。物理的・精神的に「ここは居心地が悪い」という情報を植え付け続けた。
「……ふぅ。これで少しは静かになるかな」
シルスは、押し寄せる「外界のノイズ」を遮断するため、結界を二重に強化し、聖域を再び深い霧の中に隠蔽したのであった。




