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スローライフは箱庭で  作者: 盆ちゃん


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第2話:49歳の本気――究極の「箱庭」を求めて

第2話:49歳の本気――究極の「箱庭」を求めて

「……いいんですか? 本当に何でも言って」

 盆ちゃんは、生前の癖でつい自分を律しようとしたが、すぐに思い直した。自分は一度死んだのだ。次は、自分のためだけに生きていいはずだ。

「もちろん。報酬はたっぷり出すよ。君はそこに居るだけで世界を救う『生ける結界』なんだからね」

 神、アルシエルは悪戯っぽくウインクした。盆ちゃんは深く息を吐き、真っ白な空間に指で「円」を描くような仕草をした。

「……まず、場所です。人里離れた僻地がいい。誰にも邪魔されず、それでいて退屈しない場所。直径1キロメートルほどのドーム状の結界を張ってください。その中は、僕の『聖域』にするんです」

「ほう、1キロか。意外と欲がないね? 異世界は地球の10倍は広いんだよ?」

「広すぎると管理が大変なんです。その1キロの中に、海があって、山があって、深い森があって……川も湖も、秘密の洞窟も欲しい。僕が一生かけても遊び尽くせないような、濃密な箱庭が理想です」

 盆ちゃんの熱弁に、アルシエルは「なるほど、凝縮された楽園か。面白いね」と頷いた。

「次に、衣食住。僕はもう、空腹や病気に怯えたくない。ドームの中には、一生……不老不死になるなら永遠に無くならない食料と資材を備えてください。地球の料理も再現できると最高です」

「欲が出てきたね。いいよ、不老不死の肉体もセットにしよう。見た目は……そうだね、20歳くらいの美青年にしておくよ。名前も新しく考えなきゃね」

「名前は、向こうに行ってから考えます。……それと、一番大事なのがスキルです」

 盆ちゃんは、入院中にスマホで読み漁った知識を総動員した。

「一つ目は、現代世界の知識を確認できるスキル。名前は**【地球知アーカイブ・アース】**。二つ目は、努力すればするほど際限なく成長できる才能。そして三つ目、どんな魔物とも心を通わせられる最高ランクの『テイム能力』をください」

 

 アルシエルは声を上げて笑った。

「ははは! 君、本当に面白いね。わかった、全部叶えよう。……でもさ、それだと一人で寂しくない?」

 その言葉を待っていた、とばかりに盆ちゃんは身を乗り出した。

「だから、世話役をお願いします。僕を導いてくれる執事と、身の回りを整えてくれるメイド。二人とも、世界最強の戦闘力を持っていて、僕が一生引きこもっていても、世界から隠し通してくれるような人たちを」

「注文が多いなぁ! でも、作り甲斐があるよ。僕の最高傑作――『神造人形オートマタ』の双子を君に授けよう。一人は冷徹で完璧な執事、一人は少し口は悪いが献身的なメイドだ」

 アルシエルが指を鳴らすと、真っ白な空間が眩い光に包まれ始めた。

「さあ、出発の時間だ、盆ちゃん。いや――異世界の開拓者。君の新しい人生が、最高にダラダラして、最高に充実したものになることを祈ってるよ!」


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