夜の路地裏散歩にて、
重なるLEDライトで形が様々な影が地面を覆い、騒がしい景色のはずなのに騒音が全くしない路地裏を2人は不思議そうにも楽しく歩いていた。雨上がりのこの街に小さい水たまりを飛び越しながら散歩をしていると、少し小さな道を見つけた。少し暗い奥に螺旋階段を見つけたなちやは、歩いていくさきなを呼び止めた。
なちや「ねーね、こっちの方、行ってみない?」
さきな「暗いとこは苦手だよ、」
なちや「大丈夫だって!」「私はこの先にとんでもないような何かがあるような感じがするのです!」
さきな「はいはい、分かった。」
なちや「あーりがとぉ!」
誰もいない静かな都市、暗い夜の世界には立ち並ぶ高層ビルや店の看板で夜は彩られていた。誰もいないこの街で2人は、まるでデートをしているようだった。
なちや「こっちはどこか上の方に繋がってるみたいだよ!」
さきなになちやはただただ愛おしく見えていた。
さきな「転ぶから走るなよ」
なちや「わかってるって!」
その時、耳に直接流れてくるようにアナウンスが流れた。(サーバーダウンまで、残り15分……)
さきな(残り15分……まさか私の最期が誰もいなくなったゲームサーバーの中とはね……)
なちや「ほら時間ないよ!早く!」
さきな「わかってるって、」
その時なちやはさきなの手を強く握り引っ張った。
なちや「そんなこと言わずにさ!」
さきな「転んじゃうよ!」
濡れた鉄の螺旋階段を駆け上がり5階ほどの建物の屋上に2人は出た。
なちや「おぉ!ここ、屋上じゃん!」
さきな「ぜぇ、ぜぇ、なちやが手掴んで駆け上がるから、息上がっちゃったよ、」
さきなが顔を見上げた瞬間、その光景に唖然とした。先が見えないネオンに輝く夜景は美しくも儚く感じた。2人は鉄の柵に寄りかかり夜景を見ながら話した。
さきな「家族とかいたのに逃げなかったの?」
なちや「私はいいの……家族ももうおかしくなっちゃったし……外にも出られない、」
さきな「確かにね……」
この島国で逃げ場のないこの国内を民衆は暴徒化していた。
なちや「もう、遅いからさ」
さきな「最期までなちやと一緒で、ずっと腐れ縁って感じだったね(笑)」
なちや「確かにそうだね(笑)」
さきな「悲しくないの?」
一間が空いたあと。
なちや「悲しく……ぐすんっ」
なちやの目から少しずつ涙が溢れてきた。(サーバーダウンまで5分前……)
なちや「悲しいよ……」
なちやは少しずつ息が荒くなってきた。そして覚悟を決めたようにさきなに目を向けて言った。
なちや「ね、ねえ!」「お願いなんだけどさ、も、もしもさ!生まれ変わったら、」
なちやは涙目の中、笑顔で言った。
なちや「来世はさきなのお嫁さんになれるかな!!」
その時、さきなの中を何かが貫いた。今まで心の中で押さえてた気持ちが爆発し、さきなは笑顔と共に笑い出した。なちや「え!?なんで笑うの!私は本当に真剣なんだよ!?」
(サーバーダウンまで残り1分……)さきなは目から流れる涙を拭て言った。
さきな「私からも、お願いがある、」(ずっとこの関係が壊れるかもって押さえてた私の気持ち、)
さにな「私の、彼女になってください。」
その時なちやは極度の幸福とこれからの最期に涙腺が崩壊した。なちやは大きく泣き崩れさきなはそっと寄り添いなちやを抱きしめた。なちやもさきなを服を力強く掴み強く抱きしめた。最期がくるその瞬間まで2人は固く抱きしめあっていた。
さきな「大丈夫、もう1人で泣かないで……」(サーバーダウンまで、3.2.1……) さきなは涙ぐんだ声でなちやに優しくつぶやいた。
さきな「大好きだから……」
国ごと全てが消し飛ぶその瞬間、VRゴーグルと衣服を残して、2人はそこから消えていた。
「ソース不明ーーーーえっと、このメールがどこへ送信されたか私には検討もつかないが、現実とデジタルの間には人間の及ばない不可思議な世界があることを私を含めて2人は知った。世界的にニュースになってると思う、私の国が消滅したこと。そしてその瞬間、人の理解が及ばない領域で私たちに何かが起こった。」「私たちはまだ、そこで生きている。」
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