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怪人養成工場07
研究を始めて、工場を立ち上げるよりずっと前。まだ工場長が、図書館の本に頼っていた頃。このときに、一人の怪人が生まれていた。全てから切り離されて暗闇をさまよう、弱く小さな、怪人。狙うは逆転。遥か頭上の、仇敵を相手に、必ずや足元を掬う。怪人は、工場長が彼のことを忘れた後も、いつか必ず復讐しようと闇の中をさまよっていた。彼のことを思い出したのは、最近。真っ暗な中に漂うランタンの炎が、妙に懐かしかった。いつも近くにいたのだろう。自分がわからなかっただけ。それが俺たちの、限界だったんだ。




