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アミテイル  作者: Yah!結う湯酔~い宵
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3-28 転生免許

 その建物は下から見上げればやはり高い建物で、圧巻されて思わず「はぁー」と息をもらした。遠くからは大きいと思っていたものの、ここから見れば三階建てくらいの高さの建物を貫いたように、高い時計塔のようなものが天に向かってそびえたっていた。私が見ていた建物はその塔だった。


 そして建物の周りは広場になっており、円形の噴水の周りにキッチリ剪定されている木が植えられている。そこにはいかにも身分の高そうな、金持ちそうな、そんな人たちが息抜きをしている。


 広場を挟んで塔の建物の向かいにも建物があり、表面はガラスなのか、光を反射してまるでダイヤモンドのようにキラキラと眩かった。


 熱気と活気で満ち満ちた露店街とは違い、この場所はサラリと乾いた絢爛な空気を感じた。


 「ここは...この国の中枢でしょうか」ふと感じた言葉が口からポロリと出た。


 「先ほど道を聞いた折に教えてもらったことですが、この国の政治の中心であり、この国唯一の宿泊施設があるようです」


 そんな説明を受けつつ、私はまた思ったことを言った。「居づらい」


 するとキョウトは目を大きく見開き高らかに笑った。「同感です」その笑い声はあまりに透きとおっていたので周りを驚かせ、一瞬で注目の的になった。


 そんな空気感の国の中心は、やはり私たちには相応しくはない。いや『私』には、なのかもしれない。私はキョウトの脇をツンツンと突き首を横に振った。


 そんな私をキョウトは察し、ハッと醒めたように呼吸を整えてうなずいた。そして過剰なほど小声で「シスター、一つ俺にお付き合い願えませんか?」と塔のある建物の横に、隠れたようにある建物を指差した。「あそこで免許の更新ができます故、宜しいでしょうか?」


 私もつられて小声で答えた。「分かりました。行きましょう」


 私たちは視線から逃れるようにそそくさと移動を始めた。


 その建物の前に着くと、やはりこじんまりとしており、しかし教会のような厳粛な空気を肌に感じた。キョウトが先ほど言っていた、これが『府』なのだろう。


 重厚な木扉を開けば軋み、中に入ればイスがデタラメに並べてあり、その一つに足を組んで本を読む一人が座っていた。その人は修道士のようで、こちらに気付くと本を置いて立ち上がった。

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