3-16 転生免許
私は客と同じくスターに拍手を送り、彼女の輝きが目に映った。ライラのその姿、肌を濡らす汗さえも美しい。心が響いて目を濡らした。
そんな時、尾張は私の肩を叩いた。
「ほら、いくよ」
尾張と手引はステージに向かい、ポカーンと二人を見送る私だったが、踵を返した手引は私の手を引っ張った。客の合間を縫いステージに上ると、熱くて眩しいスポットライトの下へ、客の目線はすべてライラに注がれて、私たちなんて石ころのような存在のようだ。
「ほら、拾って」
ステージに散らばった金子を地面に這いつくばりながらかき集める尾張、私もため息をついてライラの影の下でかき集めた。金子を大きな布袋に入れ、尾張がサンタクロースのように持ち上げる。私と手引は布袋の底を持ち上げ、ライラを連れて泥棒のようにそそくさと店の裏口から外へ出た。
「今日も素晴らしい稼ぎだね」尾張はよいしょと布袋を地面に置いた。
「これ、いくらになるんだろうね」手引は目をらんらんとさせ声を弾ませた。
「当分は生きていけるさ。分ける前にまずは...」
都合よく酒場の熊のような店主が現れた。「よぉよぉよお!すっごいな、あんたたち。名の知れた曲芸団か何かか?」
「いえいえ単なる旅の者です」尾張はペコリとお辞儀をして「この度はステージを貸して頂きありがとうございます。それではお約束のお礼を」と布袋から小さな袋を取り出し店主に渡した。
「おう、こっちこそありがとな。おかげで今日は大繁盛だぜ。また機会があったら寄ってくれよな」店主は店に戻っていった。
尾張とライラは店主を見送ると、顔を見合わせて顔を歪めた。さっきも見たが、二人はいがみ合うが関係性が悪いわけではない。双方ともお金に貪欲でがめついだけだ。
先に切り出したのはライラだった。「サッサトきゅうヨコセ」シンプルで片言、彼女は布袋を持っていこうとした。
尾張はライラを静止させ「待て待て、ちゃんと渡すよ。さっきの話だと、キミが九で残りは紹介料としてぼくらでいいんだよね」と改めて確認をする。
「ソウダ」
「分かった。じゃ、渡すよ。手を出して」そう言うと尾張は布袋の金貨を取り出し、ライラの手に乗せていった。「一、二、三...」
私と手引は尾張の行動に疑問を持った。もしもライラが報酬の九割を持っていくとしたら、こんな渡し方は非効率である。私たちの取り分を配分してから残りはライラのものとするべきだと思った。
「七、八、九!はい、九枚」
ライラは手に重なって乗せられた金貨を眺め、眉間にしわを寄せた。「ナンダヨこれ。話ちゃうダロ」




