3-12 転生免許
「ふふっ、無理せんでもよろしおす。それでは、サイズを確認させていただきますえ」紅は私たちの背に回り、襟元を引っ張りサイズが書かれているタグを見た。さらに巻き尺で胸のサイズを測り始めた。
私は紅のふんわりと白粉の香りで緊張をし、無意識に息を止める。私がこんな上品な世界にいるべきではなく申し訳なさを感じてのことだろう。しかしフンフンと息が漏れてしまった。
紅は可愛げにクスッと笑い「そないにかしこまらんでもええんどすえ」と優しく背中を触るものだから、私は変な気持ちになる。
「そちらのお二人は、このお召しもんでよろしおすやろか?」紅は服を取り出して私たちに渡した。
手引は体に服を当てると、紅は「こちらでご確認くださいまし」とすかさず姿見を引っ張りだした。
「あんさんも、こっちへおいでやす」
私は手引と並んで服のサイズを確認した。
「ちょうどいいね」
「お胸まわりも問題なく、ある程度ゆとり持たせておりますえ」
サイズは合っているようだがそれよりも、コスプレみたいで私は楽しくウキウキした。
紅はそんな私を見て「あんさん、かわいらしおすなぁ」とクスッと笑う。
「うん、いいんじゃないか」尾張はうなずいた。「それじゃ、これでお願いできるかな」
「ほな、分かりましたわ...お代はこんなもんでよろしおすやろか」紅は電卓をパチパチと弾き、尾張に見せた。
「そんなにするのか...今、手持ちがないんだよな」尾張は手引を呼び寄せ、工面をしているようだったが「私もないよ」と手引は答えた。悩んだ挙句、尾張は「ツケは可能かい?」と苦い顔で尋ねた。
「すんまへんけど、ツケはお受けしてへんのどすえ」紅はキッパリと答えた。
ブックマークはお助けキャラだと理解していた私だったので、購入するということは思いもよらずに驚きだった。そしてこれまでのブックマークはまるで自我があるかのように自由に話しているように見えた。だからなのだろう。二人が頭を悩ます中、私はあることを思いついた。「それじゃ、何か条件付きでツケにするのはどうかな」
視線は私に注がれた。
「条件付き?」




