2-22 ヴァンパイアの嫁
「花丸さんは忍法とか、魔法とか使える人なの?」
「せ、拙者は忍者であるが故、忍法を使うでござんす」
「へー、そうなんだ」
「それでは、これにて―」
「花丸さんはどうやってここまで来たの?帰るのにもあの森を通らなければならないと思うのだけれど」
「それは、走ってきたでござんす。尾張殿からは『キミならできるよ』と言葉を賜り、それを力に必死で走ったでござんす」
鏡に映る私は目をらんらんとさせていたが、私はとても気の毒な人だな、と思った。いいように使われているような...
「それでは、これにて―」
「ねぇねぇ花丸さん。花丸さんは正体を見せないの?」
私はまたもや花丸が帰るのを遮るようにして質問を投げかけた。
「拙者はシャイな性格であるが故、人前に出るのは遠慮させて頂きたいでござんす」
『拙者』と自称する人から『シャイ』という言葉が出るものだから、意外すぎてフッと笑ってしまった。
「それでは、これにて―」
「あ、花丸さん―」
すると突然、部屋の扉がノックされて開いた。「失礼いたします」入ってきたのはタケミだった。「どなたかとお話されておりましたか?」
私は首を大きく振って、鏡に写る私を見た。そこには明らかに嘘をついている私がいた。どうやら花丸はそこにいないようだった。
「支度が整いましたので、ヴァンパイア様との面会が整いましたので、御前に参りましょう」タケミは立ち上がる私を静止させて、座った時に折り曲がってしまった箇所の服のシワを丁寧に正した。「それでは参りましょう」
私はタケミに促され部屋を出ようとするが、一度鏡を見てみた。私の不安な表情と目が合った。私はタケミに続いて部屋を出た。




