3-73 転生免許 ~仲直り
「またいつでもレミノリアにお寄りください」琅邪は、直々に府長ながら見送りに来てくれた。
「私からも、本当にありがとうございます。やはり、私は真実を知るのが恐くて誰にも頼れなかったのかもしれません。シスター様のおかげで一歩前へ進めそうです」マヨリも感謝の言葉を述べた。
「いえ、私は依頼されたことを全うしただけです。一歩踏み出したのはマヨリさんですから、今後も歩くのをやめないで下さいね」
「…はい!」マヨリは力強く頷いた。
「先輩、今度は時間をとってゆっっっくりと話しましょうね」それはまるで、思念を練り上げた様に、強い情念が企院にぶつけられた。さすがに企院もあたふたしている。
「いや…また来るのはいつになるか分からないしな」
「それならば私が行きますけれども…あ!これから私も馬車に乗り込むのはいかがでしょうか!?一日ほどでしたらレミノリアを留守しても問題ありません」
「いやいや、それはちょっと…」企院はマヨリの方を見た。「そうそう、それなら一連の幽霊騒動をきちんと収拾してから連絡をくれ。そうしたら時間を作る」
流石に琅邪もマヨリの手前「絶対ですよ」と言うしかなかった。
そうして馬車は次の町『ソムニウム』に向けてゆっくり動き出した。
「ふー、危なかった。アイツ、目が本気だったぞ」琅邪は私が乗る馬車に乗った。いつもなら先頭に近い馬車に乗るのに、こんな後方に乗るなんて何事だろう。「お前、アレと喧嘩してるのか」琅邪は物陰に小ぢんまりと隠れているエチワカを指差した。
キョウトは最後尾の馬車で後方の監視をしており、流石にエチワカといると気が散るわけだから私といるのだが、未だに距離がある。
「お前ら仲が良いのか悪いのか分からねえな。ほら、何があったか話してみろ」
私はエチワカが私の目の前に突きつけたゴブリンの頭の件について話した。
そして企院はキッパリこう言った。「それはお前が悪い」
「なんでですか!」
「命の恩人だろ?」
「はい…」
「お前はゴブリンの頭ごとアイツを抱きしめてやることぐらいはしなくちゃ駄目だろう」




