3-64 転生免許 ~幽霊調査再び
「ねえ、戦いで亡くなった方の幽霊っているのかしら」宿屋までの道中、ピカンと閃いた。
するとゾッとした顔でキョウトは私を見ると「いたとしても会いたくないですね」と顔を背けた。さらに「シスター、頑張ってください」と続けた。
キョウトは幽霊が苦手なのは薄々分かっていたが、お前は私の身辺警護役だろと思いつつ、今日のゴブリンを撃退する働きに今回はいいか、とも思った。
頼みの綱とも言える、幽霊に抵抗がないエチワカは眠たそうに目をこすりあくびをした。
「ねぇ、エチワカ」
私が聞こうとすると、エチワカはキョウトのマントを器用に登り、頭に抱きついた。
「ダメみたいですね…」キョウトはエチワカを抱き上げて背中におぶった。「幽霊と話すなんてもしできたら真相に近付くかもしれないですね」
他人事だと思って。怒りたくもなるのだが、そうは言ってられない。期限がある以上は早々に解決しなければ…あ、そうだ。
宿屋に戻ると、私はキョウトにエチワカを寝かせるように頼んだ。そして私はある部屋へと向かった。
その部屋の中は暗く、片隅でロウソクがボンヤリと灯っていた。その側で一人手紙を読む姿があった。
「尾張さん」
尾張は私に気付いて手紙をロウソクの先で燃やすと、金属の小さな壺に入れた。
「どうしたんだい?」尾張は座り直して私と向き合った。
自然と呼吸が整い「ちょっと手伝ってほしい」と頼んだ。
「キミには仲間がいるだろう。彼らに頼みなよ」
「それは無理。キョウトさんは幽霊ダメだし、エチワカは…たぶん寝る」
「ああ、今やってる幽霊調査ね」尾張は納得するものの「それはキミの仕事で僕を巻き込まないで欲しいんだが」と正論で突き返した。
それでも私は「だって幽霊が怖いんだもん!ついてきてくれてもいいじゃん」と駄々をこねた。
「キミね、状況を分かっているかい?前にキミがここに来た時もそうだが、一応、物語とそこまで深く関わらない人物の部屋を訪れ、今回は物語の主な舞台に引きずり出そうという危険を冒しているんだよ。それがどうなるか分かっているかい?」
「そういう筋書きなのかもしれない」




