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アミテイル  作者: Yah!結う湯酔~い宵
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3-54 転生免許

 「一応言っておくと、一週間以内に幽霊の件は解決してくれよな」


 そう笑顔の企院に言われた私の頭は重くなった。府は人を調査に割けなかったのはしょうがないが、ギルドが解決できていない問題なのだから、解決までに時間がかかるだろうと予想していた。


 ただ旅費や旅の予定もあるのだろう。それもしょうがない。


 とにもかくにも時間が惜しい、私たち三人は朝食後にすぐ、鎮埠へと向かった。もちろんマヨリに会うためだ。マヨリが鎮埠に花をお供えする理由こそが真相に近づけるのではないだろうか。


 このまま行けば、昨日と同じ時間よりも少し前に鎮埠に到着するだろう。実は少し遠回りして私たちは鎮埠に向かっていた。それはやはり、昨夜の幽霊と会ってしまった場所を避けるためである。


 そして鎮埠に着くと、まずはお供えしてある花を確認した。新しい花はない。今日はまだ訪れていないようだ…そう思った私はハッとする。マヨリがここへ毎日来る保証があるのか。


 しかし待つことしかできない。昨日は探し回っても会えなかったのだから、来る可能性に賭けよう。


 急に陰って来たような、雲が頭上を覆う。


 「嫌な天気ですね」


 「そうですね…あれは雨が降りますよ」キョウトは雲を指差し「俺のいた村ではあの雲が出た時のほとんどが雨降っていたので。しかも強めの」と眉を曇らせた。


 そして案の定、ポツポツと水滴が顔に当たる。いよいよ降りそうで、どこかに雨宿りをすることも検討していたその時、マヨリは花を持って現れた。


 「あら、シスター様。こんにちは」


 「マヨリさん、またお会いできて良かったです。実はお話したいことが有りまして―」


 「雨が降りそうなので、献花を終えてからでも宜しいかしら?」


 「もちろんですとも」私はマヨリの献花を手伝い、並んで鎮埠の前で手を合わせた。そんな時は大抵エチワカが背中を登るのだが、今日は黙って私を見守った。


 「それで何かご用でしょうか、シスター様」


 「はい、少々聞きたいことがありまして―」私たちの会話を待っていたかのように雨はついに降り出した。


 「一旦、ここから離れましょうか。私の家にご案内いたしましょう」


 私たちは次第に強くなる雨の中を駆け抜け、マヨリの家まで移動した。道中にあの幽霊に遭遇した道を通ったが、なりふり構わず夢中で駆け抜けた。現実的に、濡れるのは嫌なのだ。


 本降りになる前にマヨリの家に到着した。


 「少し中を片付けますので、少しお待ち頂けるかしら」と先にマヨリは家の中へ入っていき、私たちは軒先で待っていた。


 「凄いですね。キョウトさんの言う通りでしたね」


 キョウトは鼻を高くし「まあ、これくらいは」と自慢気に言うものの、すぐにクシャミをして照れ笑いをした。こういうところが抜けているというか、勇者っぽくないというか、キョウトらしい。


 エチワカは濡れたフードを取りたい様だったが、私が魔法の言葉を耳元でささやくと、唸りながらグッと我慢をするのであった。

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