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幻想い足跡  作者: うさぎ
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あなたを守らせてください!

 自分が本当に守りたいものをはっきりさせ、そのために戦うなら、あなたは無敵になれる――ジョイ。

 ......

 ......

 吸血鬼会議の前夜、シェリはいつものようにジョイ姉ちゃんを抱いてぐっすり眠っていた。ジョイは姉でありながら、妹たちを守っているのに、実は驚くほど甘えん坊なのだった。今まさにジョイは小さな女の子のように、シェリの貧しい胸に顔を埋め、口元には一条の輝く『よだれ』を垂らしていた。


 半ば開いた扉が静かに押し開かれ、一切の雑音もなく、エラがジョイの部屋に入ってきた。なんと華奢な肩だろう……この儚げな(?)体で、いったいどれほどの重圧に耐え、幾多の傷と苦痛を背負ってきたのだろうか。


 エラはベッドの上の二人のロリ姉妹に蹴り飛ばされていた掛け布団を手に取り、裸睡が習慣の二人の姉妹にそっと掛けてやった。気持ち良さそうに吐息を漏らすジョイを見つめ、優しい笑みを浮かべたが、その笑みは次第に消え、やがて揺るぎない決意の表情へと変わっていった。


 わたしの……ジョイ姉ちゃん……もう疲れたでしょう?

 ジョイ姉ちゃん……。

 今度は、姉ちゃんを巻き込みたくない……。

 できれば、わたしが姉ちゃんを守らせて……わたしが守らせて……。

 この家族を!

 ......

 ......

 白薔薇が他の教会例えば聖なる教会と最も異なる点は、その構成員がすべて女性であることだ。教皇から騎士、主教から修道士、さらには信徒に至るまで、例外なく全員が女性である。適切な制度のもとで、白薔薇は宇宙戦争終結初期の四大宇宙国において、かつては第一教会の地位を占めていた。


 しかし、宇宙戦争が終結した後であっても、この虚無宇宙において無限の資源が無限の欲望を満たす中で、栄光というものは決して永遠に誰か一人や、何か一つの物、あるいは一つの組織に留まることはない、白薔薇は無限の膨張を続け、無限を超える欲望の拡大とともに、内部もまた腐敗し始めた、そして今、白薔薇において真の信徒と呼べる者は、おそらく半数にも満たないのである。


 影のあるところには光がある、すでに腐敗した白薔薇の中にも、なおその復興を試みる者たちがいた、そして、その忠実な信徒たちを率いるリーダーこそ、白薔薇現任の聖女——ロサリン。


「聖女さま、聖殿騎士団の準備は整いました。いつでも出発可能です!」一人の声の落ち着いた女騎士が、ロサリンの前にひざまずいた。しかし、騎士でありながらその武器は闊剣のような正統派のものではなく、聖なる教会によって「邪悪な武器」とされる鎌であった。


「立ちなさい、ジェシカさん、では、私々の『盟友』の動向はどうですか?」ロサリンは本来なら教皇が座るべき玉座から降り、自ら彼女が最も信頼する女騎士をたすけ起こした。


 ジェシカは特に恐縮する様子も見せなかった、普段は冷厳で威厳に満ちた聖女が、彼女だけにはこうも優しくするものだから、いつの間にかそれが当たり前になっていた。それでも、ロサリンに向けて思わず微笑みを浮かべながら、と答えた「ご報告します、聖女さま、聖なる教会の教皇自らが『光の懲戒隊』を率いて出撃準備を整えています。吸血鬼会議の開催時に攻撃を仕掛け、全滅にするつもりです。」


 ロサリンもジェシカに微笑み返すと、再び冷厳な表情に戻った「『光の懲戒隊』を直に出撃させるとは、実に大雑把な教皇だ、騙されているにも気づかぬとは、それとも、己の実力に過信があるのかしら。」


 ロサリンは一瞬ためらい、ジェシカに手を差し伸べた「今からわたしと共に、忠節な聖殿騎士たちを視察してくれませんか、ジェシカさん。」

「光栄です、聖女さま。」ジェシカはロサリンの手を取ると、二人は時空跳躍して、白薔薇が祈祷に使用する『一つの宇宙を凝縮した大聖堂』へと移動した。


 白薔薇に命を捧げる聖殿騎士たちは、明日の大戦を前に、ほぼ全員が礼拝堂に集まっていた。日誌を綴る者、聖母に祈りを捧げる者、武器の手入れに余念がない者――そして聖女の到来が、場内の騎士たち全ての視線を集めた。


「騎士たちよ!聖母への信仰心が試されるときが来ました!あなたがたは女神の剣となり、愛と正義でもって、すべての闇を駆逐する覚悟はありますか!」ロサリンの声は大きくはなかったが、それでいて聖殿騎士たちの心を十分に奮い立たせるに足るものだった。


「あります!あります!あります!」聖殿騎士たちの叫び声は轟くように宇宙の質の礼拝堂を揺るがせた。


「よし!」ロサリンはさっと腰の佩剣を抜き放つと「白薔薇当代聖女ロサリン、ここに誓う、聖母の名のもとに、この剣をもって諸共に勝利を切り開き、白薔薇の栄光を再現せん!」


「聖女ロサリン!」ジェシカが先導するように叫ぶと、聖殿騎士たちが一斉に武器を掲げ「ロサリン!ロサリン!ロサリン!ロサリン!ロサリン!ロサリン!」


 「ロサリン!ロサリン!」その叫び声は礼拝堂全体に響き渡り、やがて白薔薇教皇の耳にも届いた「ふん……ロサリン聖女か……いったい、どちらが教皇なのだろうな。」

 ......

 ......

 10年後の世界

「リサ、ィアナに『覚醒』の兆しはある?」黒のゴシックロリータ風の衣装に身を包んだジョイが、ィアナの世話をするリサに尋ねた。

「いいえ、ィアナにご『覚醒』の兆候は一切ございません。」リサはありのままに答えた。


「まだ駄目なの?ィアナ……。」ジョイの顔には焦燥の色がくっきりと浮かんでいた、早くしなければ、ィアナ……だってエドが「もう『宇宙遺跡』を一つ起動させてしまったんだから……。」


 ジョイの傍らでは、蒼白な顔をしたエラが静かにベッドに横たわり、時折鮮血を吐いていた。シェリはベッドの端でぐっすりと眠り込んでいる。

 「お姉さんわたしは本当に役に立たないですね……お母さんに約束したのに……何一つ果たせなかった……10年前もそう……今回もそう……。」


「だから……ィアナ、早く戻ってきて……。」

 ......

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