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魔王と勇者選定 四大国

最終話投稿、22日予約済み。

 世界には周期的に魔王が誕生する。


 それは13年に一度、魔物の跳梁跋扈する世界の中心地に、忽然と膨大な魔力を放出し、顕現した。


 死に至る毒の余波は、隣接する村々や国家に甚大な魔力災害を齎し、飢饉と夥しい数の魔物が遍く人々を襲うと云う、人智を超えた厄災を招いていた。


 何故、魔王が生まれるのか。人々は知る由もなく、ただ振り撒かれる理不尽に恐怖に屈していた。


 そして、世界一仲の悪い兄弟国と揶揄される、東西南北の最端に位置する四大国は、確実なる魔王討伐を名目に巨額の資金を費やして、貴族や王の子息らの集いし勇者育成機関を設立。


 富に権力、地位に名誉と、あらゆるものが授けられる神々しい聖職に誰しもが渇望し、方々からの入学者が後を絶える事がない。


 臨む者、願う者、傍観する者、皆一同が、それを至極当然の事だと、考えすらせずにいた。


 勇者は其の中から生まれ出るのものだと。


 だが、事実は違った。


 26代目の勇者選定国に選ばれた、北大国の国王陛下の意向は違ったのだ。


 勇者選定期日より、やや遅れた発表。

 数多の観衆が見守る会場での北大国の大々的な公表に、世界中に戦慄が走る。


 名も無き勇者の爆誕。


 勇者として選ばれた者は機関に属すことなく、出自さえも不明な北育ちの青年。


 前代未聞の北の勇者の連続の選定に各国は困惑し、連日連夜の猛抗議が殺到していたが、北大国の王は固く口を閉ざしていた。


 他国民からは育成機関の内部入学や、貴族の庶子とやらの噂が実しやかに囁かれていたが、未だに真相は定かではない。


 そして、選定日を大幅に過ぎ去った月日が半ば強引な勇者選定を味方するように、その日は遂に訪れてしまった。


 


 そう、今日は呪われた勇者と畏怖されし26代目の名も無き勇者の旅立ちの日だ。


 勇者は王の命により、其々の生まれ育った東西南北の地の最果ての大国から魔王城までの短き道のりを、三大国の一見の仲間とともに縦断する。


 其の縦断に疑問を投げかける者たちは少なくなかったが、王らは赤裸々に宣った。


 己の生きた証を故郷に刻む為と。

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