「どうしてわかってくれないのっ?!」パチン!が許される日本と許されないアメリカ。ウィルスミスから考える日本のビンタと、アメリカのビンタ
お読み下さりありがとうございます。
これは私個人の考察であって、日本人が、アメリカ人がそうだと言うものではありません。
こんな考えもあるんだな〜…と、生暖かい目で見て下さると、嬉しいです。
よろしくお願いします。
2021年3月27日アメリカのアカデミー賞受賞式の壇上で、ウィルスミスが、コメディアンのクリスロックに平手打ち、つまりビンタをしましたね。
テレビであの場面を見た時、一番はじめに私が思ったのは「なんと腰の入ったビンタ!ウィルスミス体幹すげえ!打たれた方は相当痛いだろう…」でした。
こう…ブレずに腰をグッとしてバチンとしていたのでね、そう思いました。
(何度も真似してみたのは内緒です)
それはさておき。
日本ではビンタの後もそのまま観る事が出来た映像は、本国アメリカの生中継では映像も、音声も、途切れたそう。
完全なる放送事故扱いです。あのビンタは、アメリカではそれほどセンシティブな扱いです。
アメリカではウィルがクリスにビンタをした瞬間、見ていた人の中には演技だと思った人もいるそう。
アカデミー賞受賞式に限らず、アメリカでは、弱い者イジリは御法度だが、強い者イジリをして皆んなで笑うというのがある。黒人が白人をネタにしても良いが、逆はダメだそう。
黒人、白人で既に上下関係が決まっているところがなんだかなーって思いですが、優位な人が下位の人からブラックジョークを言われても、喜怒哀楽をコントロールし、特に「怒り」を笑ってやり過ごす事が出来る人が、器の大きな人として評価されるのです。
なので、まさかウィルが平手打ちという暴力をするなんて、誰も思っていなかったのです。
ウィルが感情をコントロール出来なくなるほど激怒した理由は、無毛症に悩むウィルの奥さんのジェイダに対して、クリスがスキンヘッド弄りの発言をしたからです。
クリスに平手打ちをしてもなお、怒りが収まらないウィルはその後も「ピー!」や「ピーー!ピー!」などの発言をし続けています。
アメリカでは特に、有色人種の男性は怒りのコントロールが苦手と言われており、あそこでウィルがビンタをした事でそれを証明する形になってしまいました。
一方、殴られたクリスはその後も司会を務め上げ、評価を爆上げします。
アカデミー賞受賞式後の彼のショーは満席御礼、チケットは10倍の値をつける物もあったそう。
ウィルに対して「何故ウィルスミスは逮捕されないのか!」「あの場で逮捕するべきだった!」との声もあるほど。
ウィルはアカデミーを退会し、今後10年アカデミー協会にかかわるイベントや番組に参加出来なくなりました。
「いかなる場合も暴力は許されない」それがアメリカの反応です。
対して日本の反応は「病気の奥さんを馬鹿にされたらあの反応は仕方ない」「ウィルスミスよくやった」「言葉の暴力は許されるのか?」など、アメリカとは真逆のウィル擁護のものでした。
その差は何か?と思いました。
まず、病気の人を馬鹿にしたクリスはやはり許しがたい…ですが、今回は「ビンタ」について、考えてみたいと思います。
日本人はビンタに対して、愛情がある。と思っているところがあるのではないでしょうか?
ビンタに愛情って何だよ。
はい。そうですよね。
こんなシーンが許されていたりするところじゃないでしょうか?
例えば、正気を失くした友人にビンタをし目覚めさせる。「もうっ!どうしてわかってくれないの?!」バチン
「…っ………悪かった…俺が間違えていた…ちょっと頭を冷やしてくる…」
ような場面や、馬鹿な事をしてしまった子に親がビンタをし「どれだけ心配したか!」と言って抱きしめ、殴られた子も「わああん!ごめんなさい〜」と涙する…
そのような場面を見て、愛のビンタは仕方ないと、ビンタに理解を示しているのではないでしょうか。
だから、病気の奥さんを馬鹿にされた発言に対して、ビンタしたウィルに「よくやった!かっこいい!」との声があるのかもしれません。
もし、ウィルがビンタではなく、パンチやキックをしていたら?日本人でも「あれはやり過ぎ」となったかもしれないと思うのです。
表現にしても「妻を侮辱した相手に対して、暴力で解決しようとする夫」と言い方を変えるとどうでしょう。
聞こえが急に怖くなりましたね。
アメリカではこの考え方が一般的なようです。
暴力に対して厳しいアメリカ。日本は甘い?
いえいえ。
アメリカは銃社会。ビンタよりもっと怖いですよ。
銃を持ち出さず、ビンタで解決するならそちらが良いかもしれません。
でも、文化が違うので、比べられないし、考え方が違うのは仕方ないです。
皆さんはビンタに対してどう感じますか?
私はウィルに同情しつつも、やっぱり暴力は良くない…と思っています。
拙い文章、最後までお読み下さりありがとうございました。