04.実習1日目スタート!
目の前には呆けてしまってる先輩が泣いてた
自分ではどうしようもない状態で声を掛けずらかった。
自分のスカートから取り出したハンカチを手渡した。
(えっ? 何で自然にハンカチを取り出したんだ?しかもスカートのポケットから???)
(そして先輩ってさっきから思ってるけど1年半付き合った部下のはずなのに)
「はうぅ」
(何か変な声出た)
頭の中をかき乱すような感覚に襲われた。
「先輩 泣いてても仕方ないです。」
「私のあこがれの先輩が泣いてるのはつらいです」
そして無理やり笑顔を作る先輩は、半年前卒業式で見送った姿を取り戻した。
「私のパソコン壊れちゃったよ~ 責任取ってよね」
っと電源を引っこ抜いた彼に向って言った。
「前部長が使ってたパソコンを再設定して回すよ」
「お願いね」
「先輩 何かお手伝いする事ありますか?」
「じゃ パソコンの移動の手伝いをしてね」
「ハイ 先輩!」
そして自分....私は第2の人生を歩き始めた。
まさかランサムウェア(Ransomware)の綴りを間違えて「Ransomwear」としてしまい、『ウェアの身代金要求』というタイトルで作られたジョークサイトにアクセスした事で、不思議な力で巻き込まれた2人。
ランダムに選ばれた服に強制的に着替えさせられて、強引に辻褄合わせしてしまったようだ。
今となっては、壊れたパソコンのデータを復旧できずどこのサイトにアクセスして出てきたのかわからなかった。
2人の関係は変わってしまったが、第2の人生が良いものになるといいなと私は思う。