02.レッドアラート
まさかのスペルミス!?
通常の動作とは違う動きを見せるウイルスは驚異的な行動を起こす!
そして先ほど悲鳴を上げたのは昨年入社した『篠原 結希』だ。
このシステム課部門でもかなり体格の良いマッチョな好青年だ。
彼のパソコン画面を見てみると「Ransomwear」とタイトルが有り、
その下には、制限時間と説明文があった。
説明文には、
「このパソコンは乗っ取った。データを返してほしければ下記に1,000$振り込め」
と書かれていて振込先が表示されていた。
なんてチープなメッセージだと思ったが、不審な別のウインドウ表示で、
何やらバー表示で作業中の画面表示をしていた。
その縁取りは不規則なカラー点滅をしていて見ていると気分が悪くなり目を逸らした。
っとさっきメールで注意喚起したそばで感染とは...
緊急事態は確かなようだ、この会社での仕事は午前中で終了する予定だったが、予定変更だ。
このフロア全体に届くよう大きな声で、
「今すぐやっている作業を中断してパソコンからLANケーブルを引っこ抜け!」
「現在ランサムウェアに感染したPCが発生した」
「被害が拡大するかもしれん、広がる前に対処するぞ!」
そして近くの部下に、他の部署にも連絡してウイルス感染が広がる可能性があるから
パソコンからLANケーブルを抜きウイルスチェックをするように指示を出した。
残っていた部下にも念のため島ハブの電源を落とすよう指示を出した。
自分は後任のシステム管理者に、サーバ室周りの事を任せようと指示をしようとしたら、
すでに向かっていた。
ああ、後始末が大変だろうなぁっと他人事のように思った。
指示出しをした所で、被害状況を再確認しよう
まずはこのパソコンの証拠を記録しよう。
携帯を取り出して画面を撮影したが、その瞬間に振込先等が表示されている部分を
覆い隠す位置に、新たな別ウインドウが表示さて、作業中のバー表示が動き出した。
その2つ目の別ウインドウをどかして再度撮影しようとしたが体が痺れて動かせなくなった。