7: おっさんは悩む
ようやく落ち着いたドライアドが話しだす
「では、よろしくお願いしますね?」
「何が?」
「わたくしを虜にした責任を取っていただきます」
「勝手に匂いを嗅いでただけだろうが」
「しょうがありません、世界樹と同じ匂いをしているあなたが悪いのです」
「そんな匂いはしていないと思うが?」
『相手が一番いいと思う匂いになっているよ!』
また、ご都合主義な…
「さすがは師匠、森の妖精を虜にしてしまうとは!」
「仲間が増えますね」
「いいんじゃない?」
「勝手に決めるなよ…」
「では、わたくしにも名前をお願いします」
「はあ…」
緑髪で、タレ目のおっとり系美人なのに、変態という非常に残念な感じだ
「ヒスイかな?」
「ヒスイ…いい名です。では、よろしくお願いしますね、ベスター様」
「よろしくお願いしますね。ヒスイ」
「よろしくしてあげるわ」
「これからよろしくお願いします」
「戻るか…」
ヒスイも仲間にしたので、王都に戻る
『あ、レベルが上がってるよ!』
「随分簡単に上がるんだな」
『それだけベスターの臭いが強烈なんだよ』
「やめてくれ、今回はどうなったんだ?」
『なんと!人間の女性の…』
「ま、まさか!」
好かれるのか!?
『顔をした女性型モンスターなら、仲間にできるよ!』
「なんだそりゃ!」
結局モンスターじゃないか!
「では、ハーピーやアラクネなんかも行けますな!」
「要らんわ!」
「羨ましいですぞー!」
「代われるなら代わりたいわ!」
「また、増やしそうですね」
「仲間が増えるならいいんじゃない?」
「アラクネの居場所なら知っていますが?」
余計なフラグを立てるんじゃない!
「では、行きましょう!」
「行くわけがないだろう」
「もったいない!」
『ベスターは本当にわかってないよね!』
何とでも言うがいい
フェンと変態国王がうるさいが、無視して歩き出す
「では、師匠。儂は帰ります」
「早く帰れ」
「ではまた」
変態国王が帰ったので宿に戻り、人数が増えたので部屋を変えてもらう
「1人部屋と3人部屋でいいな?」
「何を言ってるのですか?」
「ヒスイを1人で寝かせる気?」
「放置プレイですか?」
「なんでだよ、俺が1人に決まってるだろう」
「匂いを嗅げないではないですか」
「殴るわよ」
「わたくしは、放置プレーは好きではありません」
「女3人で寝ればいいじゃないか」
「寝る前の、おやすみくんくんが無いなんてありえません」
「私達の安眠を奪う気?」
「縛られるのが…」
なんだよ、おやすみくんくんって…あと、ヒスイは黙れ
「お客様申し訳ありません。4人部屋しか空いておりません」
「なんだと…」
「ならばしょうがありませんね」
「これで解決したわね」
「わたくしはよく分かりませんので、お任せします」
「はあ…」
何かの力が動いてる気がするが、空いていないものはしょうがない
夕食を取っていると、またあの変態がやってきた
「師匠、娘の誕生日会ですが…」
「どうした?」
「せっかくなので、モン娘3人には着飾って貰いたいのです」
「それはまずいだろう」
「なぜですかな?」
「主役がいるのに、他のものが着飾って出て行けば、嫌な思いをするのではないか?」
「大丈夫ですぞ、娘は喜びますからな」
「せっかくの誕生日会だろうに」
「だからこそですぞ。貴族の中にはモン娘好きが多いですからな、娘と並べば絶賛の嵐が起きること間違いなしです!」
「そうなのか?」
この変態からは想像できないが、王女は絶世の美女として有名である
多分王妃の血が、99%を占めてるんだろう
「私には着飾る、というのがよく分からないのですが」
「そうね」
「わたくしもですか?むしろ、何も着ないほうが…」
「まあ、王女が喜ぶならそれでもいいが」
「では、王宮の専属デザイナーに作らせましょう」
「そこまでするのか」
「もちろん、完成した衣装は差し上げますぞ」
くれるというのなら、貰っておくが…
「では、儂は準備がありますので帰ります」
「ああ」
国王のくせに、出歩いていて大丈夫なのだろうか?
普通は護衛とか着くよな?
1人で街中を歩いているんだが…
「ご主人様、楽しみですね」
「私は別にどっちでもいいんだけどね!」
「パーティーの最中に脱いでもいいんでしょうか?」
「ダメに決まってるだろ」
「そんな!」
こいつ露出狂まで入ってるのかよ
「では、そろそろ寝ましょう」
「そうね、ダーリンは中心よ」
「では、わたくしは上ですね!」
「いや、ベッドは四つあるんだから別々に寝ろよ」
「ダメです」
「いいじゃないの」
「下でも構いませんよ?」
「俺が寝づらいんだよ」
寝ようとしているのに、臭いを嗅がれるのは嫌だ
「しょうがありませんね…」
「わがままなんだから」
「やっぱり放置プレイですか?」
「いいから、さっさと寝ろ」
明かりを消して寝ようとするが、気配が近づいてくるのがわかる
「さっさと寝ろ」
「わかっています、おやすみくんくんをしたら寝ますので」
「私は別にしたくないんだけど、シリカだけなんてずるいから」
「ならば、わたくしも」
これ、毎晩やるつもりなのか?