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アルストリア戦記  作者: 藤堂 元気
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4

「やっと着いた」


出発してから約1ヶ月、生まれ育った開拓村へと帰って来た


「帰ってきたよ」


家族の墓に手を合わせる


「大森林で鍛えて必ず仇は取るよ」



ヴェルナーは村で1泊してから大森林へと足を踏み入れる


「ここからがゴブリンの縄張りだな」

「ギャ?」


縄張りに入ると早速ゴブリン4匹と遭遇する


「ギャ!」

「悪いが狩らせて貰うぞ」


ヴェルナーはロングソードを抜き放ちゴブリンへと駆ける


「一閃」


剣術スキルを使いゴブリンの胴へ鋭い横薙ぎの一撃を放つ


「ギャ!?」

「飛斬」


剣戟を飛ばし更に一体を仕留め、ゴブリン2体の間に入り込み


「はっ、はっ!」


2体の首を跳ねる


「ふう〜、魔眼の影響か楽に倒せるな」


ゴブリンは魔物の中では弱いとはいえ、一般人には脅威だ


武器は太めの枝や素手だが、力はそれなりに強いので殴られたら当然怪我をする


「よし、進むか」


「一閃!」


「飛斬!」


ゴブリンを見つけ次第倒していくがとにかく数が多い


「これだけ多いと森の中に拠点を作るのは危険かな?」


倒すのは難しくないが寝ている間に襲われないとも限らない


ヴェルナーは一旦村に帰る事にした



「だ、誰だ!」

「ん?」


村に戻ると若い男女が6人居た


「騎士!?」

「く、来るな!」


彼らはヴェルナーの姿を見ると怯えてしまう。何人かは鍬を構えて威嚇してくる


「待て、俺は騎士じゃない」

「嘘だ!」

「その鎧は騎士の物だろ!」

「落ち着け、これは死んだ騎士からの借り物だ」

「ほ、本当か?」

「ああ」

「はあ…」


彼らは俺が騎士では無いと分かると安堵して地面に座り込んでしまう


「それでお前達は何者だ」

「俺達は北のほうから逃げてきたんだ」

「北から?」

「領主が村を襲ってると言う話を聞いて村を捨ててきた」

「そうか…」

「それでこの村は?」

「襲われた後だ」

「そうか…」

「あ、あの!」

「ん?」

「この村に住んでもいいですか?」

「ああ、構わない」


そう言うと皆はホッとした表情を浮かべる


「すまないが食料は無いか?俺達は数日何も食べて無いんだ」

「悪いが食料はほとんど無いんだ。畑も荒らされてるし世話もしてないからな」

「参ったな…」

「森に入れば動物はいると思うが」

「狩りをできる者がいないんだ」

「そうか」

「あの…狩りをしてもらうのは?」

「俺にお前たちの食料を用意しろと?」

「うっ」

「アリサ、それは図々しいだろ」

「ご、ごめんなさい」

「すまない」

「村に住むのは構わないが面倒を見る気は無い」


そう言って家に帰るヴェルナー



「な、なあ、どうするよ?」

「森に行けば食える物があるかもしれない。男は森に行こう」

「そうだな。女は家を見て住めるようにしてくれ」

「わかったわ」


男2人は森に入り食料を探すが浅い場所では少量の木の実を見つけただけだ


「これじゃ足りないな」

「どうする?」

「あまり森に入ると魔物がいると聞いた事がある」

「ま、魔物か」

「もう少し向こうの方を探してみよう」

「ああ」


男達は慎重に浅い場所を巡りながら食料を探していく


「まいったな、本当に少ないぞ」

「今日はいいかも知れないが、明日からの食料は厳しいな」

「やっぱり彼に頼むしか…」


その時近くでガサガサと音がするとゴブリンが2匹現れる


「ゴブリン!」

「ギャ!」

「に、逃げよう」

「ああ!」


2人はゴブリンから逃げ出すがゴブリンは執拗に追いかけてくる


「まずいぞ、このままじゃ村に連れて行くことになる!」

「そうは言ってもどうすればいいんだ!」

「…俺が引きつける」

「ダメだ!お前がいなくなったら俺1人じゃあの方を守れない!」

「だが!」



「一閃!」

「ギャ?!」


「はっ!」

「ゲッ?!」


「何をやってるんだ」

「君は…」

「助かった…」

「まったく…あまり森には入るな」

「すまない、だが食料が無いとどうにもならない」

「ゴブリンから逃げてるようではどのみち大森林の付近じゃ生きていられないぞ」

「……」

「さっきから聞いてれば偉そうになんだよ!」

「やめろ」

「だがよ!」

「文句があるなら別の開拓村に行けばいいんじゃないのか?俺が見てきた限りでは無人の村は他にも沢山あるぞ」

「ぐっ!それは…」

『キャー!』

『離しなさい!』

「なんだ?」

「あの声は!」


駆け出す男2人


「はあ、次から次に問題が起きるもんだ」




「へへっ!見つけたぜ」

「辺境伯様がお待ちだぞ」

「お嬢様を離しなさい」

「おっと、動くんじゃねえぞ」


「お嬢様!」

「てめえら!」

「おお、ハンザとガンズじゃねえか。お前らも逃げたのかよ」

「お嬢様を離せ!」

「離せと言われて離す奴がいるかよ」

「くそ!」


「お前達ご苦労」

「あ?騎士様か、こいつは俺たちが捕まえたんだぜ」

「ああ、わかってる。辺境伯様にはよく言っておこう」

「へへっ、ありがてえ」

「貴様!」

「報酬がたのしみ……ぐはっ!」

「てめえ!何のつもりだ!」

「残念だが、俺は騎士じゃないんでな」

「騙しやがったのか!」

「ふっ」


ヴェルナーが騎士と偽り近づいて、お嬢様と呼ばれている女性を捕まえている男を殴り飛ばした


「ちくしょう!」

「飛斬!」

「ぎゃ…」

「なっ」

「一閃!」


あっという間に2人の男を始末する


「お嬢様!」

「メリッサ」

「ご無事で良かったです」

「さて、話してもらえるかな?」

「「……」」

「話したく無いと言うなら構わないが出ていって貰うぞ」

「わかりました。お話しします」

剣術スキル


一閃

直線的に素早く近づいて横なぎに剣撃を放つ


飛斬

剣撃を飛ばす




アルストリア人解説


レベルはモンスターを倒す、スキルを使用すると上がっていく




一般人の平均ステータス


平均レベル10〜15


腕力E

体力F

魔力F


スキルは訓練、又はレベルアップでの習得



兵士


平均レベル20〜30


腕力D

体力D

魔力E




騎士


平均レベル30〜60


腕力B

体力C

魔力C



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