第七話 初めての狩りです。
現在地を確認しながら森の中を歩くこと数日、
脳裏に浮かぶマップと座標位置を見ながら歩く事にも慣れてきた。
木漏れ日も広がり木々を抜けると、眺めの良さそうな草原地帯
さらに歩くと道らしい道筋が現れた。
ここまで、魔物も魔獣も出会っていない、
もちろん人とも・・・
マップを確認しながら道沿いを歩く、比較的安全な場所の様です。
道端で休憩食事を取りながら、ひたすら歩くと道が森の中へ
「合ってるよね」
「街への道筋は合ってます。」
賢人の言葉を信じて再び森の中へ歩み行くと
「反応あり魔物に注意!」
賢人の言葉に辺りを警戒して進むと犬の様な魔物が!
「鑑定」
[名 前] ワイルドドッグ :Fランク
[種 族] 犬属 小型種
[レベル] 16
[スキル] 「牙突」「集団行動」
群れで行動する雑食獣、嗅覚・聴覚に優れてる。
毛皮と4本の牙は庶民に需要が高い。
肉は食用可ただし臭いが強く不味い。
5匹を確認、
群れで行動するタイプだから
出来れば接近戦はしたくない・・・怖いし。
魔法で「身体強化」を掛け、様子を見ると
リーダーらしき大きめの犬が真ん中に、
そして左右に2頭ずつ私を囲む様にゆっくりと近づいてくる。
統率が摂れてるね、数の暴力は不味いので、囲まれる前に倒したい。
風魔法の「アクセル」と「ショット」を構えながらタイミングを計って一気に
「アクセル」風属性魔法:瞬間的に移動スピードを加速させる魔法
「ショット」風属性魔法:空気を圧縮して指先から放つ空気砲の様な魔法
リーダーに向かって加速、急に向かって来る私に尻込みする姿を見逃さず、
一気に距離を詰めて頭部に目掛けて「ショット」を放つ。
続けて右側の2頭に向けて「ショット」を連打、
近い方は倒せたけど、もう一頭はまだ生きている。
「アクセル」で近づきナイフを首元に突き刺す、そのまま勢いと体重で押し倒す。
馬乗りに成ったまま左側の2頭を睨みつける。
本音は、もう〜無理。
血の匂いと生暖かい感触で意識が飛びそうだけど
まだ残ってるし、魔物の上に座り込んでるから動けないし
どのくらい経過したのか?
左側の2頭はリーダーが動かない事を認識して
ゆっくりとこっちを見ながら離れて行く。
気配が無くなって、ひとつ深くため息を吐く。
倒した、殺した3匹の犬を眺めながら放心状態の中、
「魔物を回収処理いたしますか?」
「お願い。」
すると、3匹の遺体が消え
「異空間収納」の中へ、更に「素材分解」で、
肉と骨と毛皮と牙に、あとは残材に区分けされ
フォルダーリストで綺麗に整頓されてる。
動揺が治まっていない状態だけど
「返り血を綺麗にしたい。」っと賢人にお願い、
「クリーン魔法を製作しますか?」
「浄化魔法を製作しますか?」
どちらがいいのか?
両方製作出来るのか?・・・「可能です。」
早いね、「お願いします。」
「クリーン」 :光・水・風・の複合魔法
汚れを落としたり物を浄化する魔法
生き物は浄化出来ない。
「浄化」 :光属性魔法
聖なる光で浄化する
解毒や呪いなどにも効果あり
浄化では汚れは落ちない。
「クリーン」と「浄化」を重ね掛けして
返り血と匂いを落とし、まだ続く森の道を眺めてため息を吐く。
魔物と魔獣の選別に戸惑ってます。
一応、
魔物は動物的本能で行動する生物、
魔獣はある程度の理性を持つ生物と設定しています。
例、
人を本能的に襲う犬は魔物
強い感情に従って人を襲う犬は魔獣
理解して頂けますかね。?