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最後の日
平成最後の日、その夜誰もが次の時代を待ちわびていた
各地で盛り上がり、様々なイベントが行われていた。
テレビは各局で特番を組み、平成を過去として懐かしみ、新たな時代の幕開けをカウントダウンで待ち望んだ
終わりゆく平成、訪れる次の時代
湧き上がる非日常、熱狂の過去
それは変わることのない日常だった。
それは確かに訪れる未来だった。
それは変わる非日常だった。
誰もが改元を楽しみ、今までの時代を置き去りにした。
それは不確かな過去だった。
今までの元号を顧みず、誰もが今を置き去りにした。
日常は非日常に、未来は過去に
変化は訪れた。初めは誰も気付かなかった、しかし確実に起きていた。
変化は現れた。いつからなのかは誰も知らず、けれどいつまでも終わらなかった。
小さな揺れだった。なんでもないようなそれに誰かが気付いた。
大きな天災になった。どうにもならないそれに誰もが気付いた。
それは明日を迎える少し前、時代が変わるよりも前
時計が24時を示す頃には誰も次の時代を意識していなかった。できなかった。
平成は終わらなかった。