優輝の日記
はじめまして、繭浮です。よろしくお願いします。
久しぶりに何も予定のない日が出来たので、暇潰しがてら倉庫部屋の荷物を整理していた。
「あ、これは……懐かしいなぁ」
古い日記が出てきた。ぱらぱらとページをめくって軽く確認。これは……学生時代のか。
(よし。暇潰しはこれに変更しよう)
整理といっても、倉庫が手狭になってきたから不必要そうなものを処分しようとしていたとかじゃない。
日記が出てきた箱を漁り、いままで書いてきた日記をすべて見つけてから手早く倉庫を整頓し終え、日記を抱えてリビングに向かった。
「優輝様、お早う御座います」
台所から挨拶された。そこにいるのは黒髪ロングのメイド服の女性。調理中のようだ。
「静海おはよう。姉さんの食事?」
「その通りで御座います」
周りを見回しても姉さんの姿はない。目覚めたばかりでまだ部屋かな。
今は朝とも昼とも言えない微妙な時間、ブランチタイムだ。作り終えればちょうど昼時かな。
「優輝様も召し上がりますか?」
「うーん、そうだね、食べよっかな。ちなみにメニューは? 手伝って良い?」
「マスターのご要望は、クリームシチューハンバーグというものです」
「む、何気に僕が作った覚えがない料理……ということで、手伝わせてね」
「了解しました」
もう少しで完成、というところで背後に微かな気配。するりと滑るように僕に近付き、ちゅっと頬に軽くキスされる。
「おはよう優輝。今日も最高に可愛いな」
「おはよう姉さん、といっても、もうお昼だけど……というか何度か言ってるけど、料理中に密着接近しないでって。危ないよ?」
「もうすぐ完成だろう? 良い匂いだな、料理も優輝も」
「はいはい。予想通りもう出来上がるから、大人しくしてて」
「うむ」
満足そうな笑顔で頷き、台所を出て行く姉さん、と入れ替わりで静海がお皿を持って入ってくる。
「煮込み終了時間まで後約1分です」
「そだね」
「優輝様はお先に席へ。後はお任せ下さい」
「ん、わかった。ありがとね」
短くそう言って、エプロンを外しながら姉さんがいるであろうテーブルへ向かった。
「うむ、美味い。さすが優輝だ」
言われ慣れてはいるけど、やっぱり声に出して伝えられると嬉しくなる。
「ありがと。静海にも言ってあげてね」
「そうだな、美味いぞ静海」
「有難きお言葉、感謝の極みです」
顔も声も感情があまり感じられないけど、どことなく嬉しそう、な気がする。
「ところで優輝。リビングに、昔優輝が書いていた日記があるが、朗読しても良いか?」
「なんで朗読……恥ずかしいからやめてね?」
「じゃあ朗読は優輝がしてくれ」
「えぇ……朗読は決定事項なの?」
「ああそうだ」
一方的にそう言って食事を再開する姉さん。これは避けられないパターンだなあ。
「はぁ……ま、いいけどね」
うん。姉さんが喜んでくれるなら仕方ない。
ということで、僕が昔書いていた日記を読み上げて、当時を振り返って思い出話をする事になった。
登場人物紹介
水城 優輝
容姿:茶髪ストレートロング かなり可愛い
身長:160cm
性格:良い子
好物:トマト
嫌い:特になし
趣味:自分磨き 料理
属性:雷
主人公的なキャラ。一人称は僕。可愛い。
わりとお人好し。生まれた血筋や環境のおかげもあるが、勉強も運動も平均以上にこなせる天才。それでも上には上がいるのを身をもって知っているので、日々の努力を怠らない謙虚さを持つため、男女共に親しまれている。
姉の瑞希の言動に時々頭を悩ませたりもするが、姉は好きだし、大惨事になるような事はしないと信頼しているので、半ば諦めている。
水城 瑞希
容姿:茶髪セミロング 優輝と同じ顔
身長:160cm
性格:弱悪
好物:優輝の料理
嫌い:酒
趣味:優輝
属性:水
優輝の姉。一人称は私。眠そうな顔をしていることが多い。
優輝とは一卵性の双子なので、顔はほぼ同じ。つまり美少女、何もしていなければ。
優輝と同じく文武両道の天才。しかし優輝とは違って自ら天才を自称する自分大好きな自信家。
大多数の人を格下に見ているが、他人を貶めるような言動は優輝がバカにされるなどの特定の状況でなければあまりしない。
優輝の事が超好き、宇宙一好き。双子の片割れが大好きという、ひねくれたナルシスト。
静海
容姿:黒髪ロング 美人
身長:160cm
性格:不動
好物:力が身に付くモノ
嫌い:無し
趣味:瑞希
属性:?
瑞希のメイド。それ以外の何物でもない。静海にとって瑞希がすべて。
優輝のことは瑞希の分裂体のように感じている。
もうひとつ投稿します。