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悪の限りを尽くす…つもり  作者: 雷抖
東大陸編
49/51

代表者達の自己紹介

一旦これで。少ししたら追加します。

レイルボ・デアス・ヴィラ・シュールリンゲル。魔導評討連盟最高審議長にして魔導総戦の最高責任者。

特徴は何と言ってもその見た目だろう。全身をチカチカする配色の服で包み、髪の色は右側が紫で左側が白い。例え遥か遠方に立っていてもその存在が認識出来そうだ。言葉遣いも若干特殊で、一度会ったら二度と忘れないであろう存在だな。


そんなレイルボは集まった俺達を見回し、満足そうに頷いた。


「いやはや、ぁこれは中々に素晴らしい! 思っていた以上の人材に巡り会えて、ワタクシ大変感激していマス!」


「そですねー。予想よりも粒ぞろいですねー」


「うむ。この後が楽しみだ」


レイルボの言葉に、白コートと黒コートが追従する。けど、言ってる事はかなり失礼だな。現に、俺とマルス以外は全員不快感を顕にしている。


「………どうも、かなり低く想定されていたみたいですね」


分かりやすく不機嫌そうにガイアが言った。まぁ、端的に侮られているからな。そりゃ不機嫌にもなるだろう。


「ぁいえいえ! そんな事はないのデス! ただ例年の結果から判断していただけなので」


うん、結局は侮っているよな。…まぁ正直な話、世界的に見るとこの国……てかこの東大陸は少々実力不足感が否めないからな。そもそも、大陸全体で見て特級魔法を扱える人材自体が少ないしな。

この大陸では一国に数人いればいい方だけど、他の大陸、特に西大陸なんかは一国だけで数十、数百の特級魔法使いがいるからな。まぁ、あの国が異常に凄いってのもあるけど。それでなくても、南大陸でも普通に数十人程度は一国で抱えているしな。まぁ、南大陸は三国しかないけど。


「まぁ、その辺りは置いておくのデス。今回の表題は魔導総戦ネルディ代表者決定戦なのデスから」


「そうそう。まだ他の国も回らなきゃなんないし、サクサク行こうよ」


「それはこちらの私情だがな」


「オホン」


レイルボは一度咳払いをし、空気を変える。


「ぁさて、それでは審査に移らせて頂くのデス」


「…………審査?」


それって、推薦人の審査か?


「まずは代表者の皆さん、自己紹介と条件達成の報告をお願いするのデス」


…自己紹介はともかく、条件達成の報告ってなんだ? とか思っていたら、ティアナが一歩前に出て口を開いた。


「……おはつにおめにかかります。カースメイルけじじょ、ティアナ・カースメイルともうします。じょうけんたっせいについては、じょうきゅうまほうがさんしゅ、ちゅうきゅうまほうはごしゅいじょうあつかえます。

また、しれんようまじゅうのとうばつは、サイクロプスをげきはしました。どうぞ、よろしくおねがいいたします」


少しばかり憮然としながらも、ティアナは貴族としての品を崩さずに答えた。…つか、上級魔法三種扱えてサイクロプスの単独撃破とか、並の魔法使いを既に余裕で上回ってんじゃねーか。なるほどね、実力あってのあの傲慢さか。まぁ、誉められはしないけど。


「ほう! まだまだ成長途上で既にその実力とは、素晴らしい! ぁ今後が楽しみデスね!」


レイルボも僅かに驚き、評価する。確かに正確な歳は分からないけど、それでも十五、六で上級魔法をそれだけ使えれば上等だな。突出しているとさえ言える。


「では僕も。お初にお目に掛かります。ソーグラナス家長男、クライト・ソーグラナスです。魔法は上級魔法を一種、中級魔法は五種以上扱えます。また試練用魔獣については、ラースライガンの討伐に成功しました。どうぞ、よろしくお願い致します」


続いてクライトが答えた。ティアナよりは劣るけど、それでも充分に強いな。つーか、あれ? 上級魔法まで扱えないとダメなの? それだとリーナがアウトになっちゃうんだけど。


「おぉ、ラースライガンを討伐したのデスか! あれは半分ハズレの意味を込めて選んだのデスが、ぁやりマスねぇ!」


おい。最高責任者からのぶっちゃけ来たよ。まぁ確かにラースライガンは中々厄介だからな。巨大な狼を彷彿とさせる姿をした改造魔獣だけど気性は非常に荒く、並の魔法使いなら致命傷を避けられない位の強さを持っている。

因みにティアナが倒したサイクロプスは、知能こそ可哀想な出来だが、有り余る膂力はBクラスにも届く程だ。それを単独撃破するんだもんな、そりゃ優秀だよ。


「ハズレ……ハズレか……」


ハズレ発言で若干気落ちしたクライト。まぁ、苦労して倒したであろうモノがハズレだとか、納得いかないわな。とはいえ別に喚かず、クライトはそれを飲み込んだ。どっかの誰かに見習って欲しいね。


「じゃあ次は僕だ。僕はマルベス・オッティルア。オッティルア家の長子であり、次期当主だ! 魔法は…、上級は扱えないが、中級魔法なら八種使える! それと、試練用魔獣はゴアクラブを討伐した!」


どうだと言わんばかりのキノコ……改め、マルベスだが内容は別に凄くも何ともない。上級魔法は使えないし、ゴアクラブだって普通にCランクの改造魔獣たからだ。それなのに随分と自信満々だな、恥ずかしい。


「あぁ、そうデスか。それでは最後の方どうぞ」


現に、レイルボも流したしな。マルベスが不満そうに顔をしかめるけど、完全に気にしてねぇな。それはさておき、最後はリーナだ。でも正直な話、マルベスよりも更に可哀想な自己紹介になる気がする。うん、頑張れ。


「あ、はい。…えっと、私はリーナ・テトラスと申します。魔法は……、中級魔法を六種扱えます」


「………ん?」


六種? 五種じゃなくて?


「それから、試練用魔獣はリトルグランバーンを討伐しました。えっと、よろしくお願い致します」


リトルグランバーンとは、その名の通り小さいグランバーンだ。グランバーンは大型の飛行型魔獣で、爬虫類と鳥が合体した感じの見た目だな。その幼体こそがリトルグランバーンであり、ランクはC。成体のほうはBだ。リトルの方はゴアクラブと強さはほぼ変わらない。


「ふむ……、そうデスか…」


やっぱりレイルボの表情は明るくない。まぁ、こればかりは仕方ないしな。


「ぁ代表者の方は分かりました。少なくとも最低ラインは越えているので、まぁよしとしましょう」


中々に辛辣だな。案の定マルベスとリーナは顔を落とす。しかしレイルボは一切気にせずに続けた。


「では続いて本日のメイ……オホン。えぇ、推薦人の方の紹介をしていただきましょうか」


いまメインって言いかけやがった。そりゃお前はそうかもしれないけどな。


「ぁ推薦人の方は、ひとまず名前をお願いするのデス」


レイルボの言葉に俺達は一瞬顔を見合わせ、ガイアが先陣をきった。


「それじゃ、僕からいこうかな。僕はガイア・ブルートーン。【明光騎士団】第一部隊【護封】の副隊長を務めているよ。……とりあえずこれでいいのかな?」


「ぁよろしいのデス! それにしても、かの有名な【明光騎士団】の副隊長殿デスか……これは中々の【人脈】デスね、カースメイル殿」


「ふん、とうぜんなのだ! ワタシはカースメイルだからな!」


その言い方はどうかと思うけど、確かにこの国でカースメイルといえば、王族に匹敵する影響力を持っているらしいからな。案外正しいのかもしんないけど、印象はよくねぇよな。普通は。


「ふむ、素晴らしいデスね!」


まぁこいつはそんなこと気にしないから、単純にその人脈を評価してるけど。……でもティアナの人脈ってかセインスの人脈だよな。いくら兄妹とはいえさ。別にいいけど。


続いて口火を切ったのは、ボサメガネ……じゃなくてマルスだ。


「じゃあ、次はボクかな?」

やっぱりあれですね。毎日更新はハードル高いよね。

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