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ショタぎゃる清楚  作者: いんさいど


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4/5

第4章:価値と真実の結末

ギャルがショタからもらったゲームのおかげで、動画配信で爆発的な人気を獲得し始めた頃、清楚の心は嫉妬の炎で燃え上がっていた。自分のSNSのフォロワーが伸び悩む中、ギャルの配信は毎晩のように話題になり、彼女の苛立ちは頂点に達していた。

「あの子が持っていないもの、あの子が手放したものを、私が手に入れればいいのよ…!」

清楚は、ギャルから聞き出したショタの豪邸の場所を思い出し、決意した。いつもの清楚然とした服ではなく、地味なパーカーとジーンズに着替え、「清楚なインフルエンサー」の仮面を外して、シェアハウスを飛び出した。

豪邸に着くや否や、清楚はインターホンを何度も連打した。出てきた執事に対し、彼女は作り上げた嘘をまくしたてた。

「私はかつて家出をしていたショタ君を保護した、シェアハウスの住人の一人です。ギャルの友達で、この前、ギャルが一人で来てしまって申し訳ないと言っていたので、今度は私一人で伺うことにしました。中に入れてください」

執事に案内され清楚は豪邸に入った。長い廊下を歩くうちに壁際に飾られたいびつな彫刻が目に映る。「こんな豪邸にあるのだからきっと名のある彫刻家の作品に違いない!」そう確信した清楚は角度やフィルター、自撮りを交え何枚も何枚もその彫刻の写真を撮影した。それはショタが学校の図工の授業で制作した逆立ちをした友達の像なのだが、清楚がそれを知ることはなかった。

急な来訪にもかかわらず、豪邸の慇懃なもてなしの準備は万端だった。奥から出てきたショタは、清楚の顔を見るや、あの夜のトラウマから一瞬怯えた表情を見せたが、すぐにそれを堪え、家族を不安がらせまいともてなしに応じた。

しかし、清楚の目的はショタとの会話ではない。清楚は豪邸の煌びやかな装飾を撮影しながら、心の奥で輝く未来のビジョンを見ていた。近頃ギャルの動画が伸びていて自分のフォロワーは減っていたが、これで盛り返せる。豪邸の招待された私が、またブランドになる。

しばらく経って豪華な料理がテーブルの上に並べられた。しかし清楚はそれらの料理や装飾品の写真を、忙しなく自分のスマホで撮影し、SNSのネタにすることに夢中だった。ショタとの会話はほとんどせず、彼女の世界は終始、スマホの画面の中にあった。

一通り撮影を終えた清楚は、内心「もうここには用はない」と感じながら、露骨に「そろそろ私もお暇したいと思います」と、帰宅を強調する言い方をした。それは、ショタにはっきりと「お土産を催促している」と伝わった。

ショタは目で執事に合図を送り、執事は奥からハイブランドの大きな箱と、質素な小さな箱を持って現れた。

ショタが「どちらか一つを…」と言い切る前に、清楚は即座に口を挟んだ。

「私はこちらの大きなハイブランドの箱をいただきます。小さい方はこの間、ギャルが持ち帰りましたので」

彼女は満面の笑みで大きな箱を抱え上げ、まるで勝利宣言のように胸に抱いた。ギャルが選ばなかった、より「価値がある」と信じた方を選んだ優越感に浸りながら、清楚はショタに一瞥もくれずに足早に豪邸を後にした。

しかし、その箱はあまりに大きく重い。家まで持って帰るのが困難だと感じた清楚は、途中で我慢できずに箱の中身を確認してみることにした。

期待に胸を膨らませて箱を開けた彼女の目に飛び込んできたのは、信じがたい光景だった。

中身は、ガラクタ、悪くなった古着、切られた髪の毛、木の板など、無価値なゴミばかり。

「なによこれ…ゴミばかりじゃない!ハイブランドの箱は、ただの見てくれだったってこと!?あの人たち、絶対に許さない!」

怒りに震えながら、清楚は箱の中身を物色し、確認しては捨て、確認しては捨てを繰り返した。すると、箱の底に一枚のプラカードが入っているのを見つけた。清楚には読めない外国語で書かれていたそれに、彼女は「何これ?」と両手に持って訝しげに読んだ。

その時、清楚の前に数人の外国人のグループが通りかかった。彼らはプラカードを指さすと、互いに何かを話し始めた。

「(ついに見つけたぞ!ここにいたのか!)」

そう話しているような様子で、グループは清楚のもとにやってきた。言葉が通じないまま、清楚は彼らに取り囲まれ、そのまま空港まで連れて行かれてしまう。清楚を乗せた飛行機は、彼女の悲鳴を置き去りにして、遠い空へ飛び立ってしまった。

プラカードの裏に書かれていた、清楚が読めなかった外国語の文字。

「私は自然破壊を許さない。森林伐採に抵抗する。一緒に立ち上がってください」

清楚を連れて行ったグループは、まさにこれから抗議デモを起こさんとする過激な環境保護団体の一団だったのだ。

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