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ショタぎゃる清楚  作者: いんさいど


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第3章:運命の二つの箱

二日後の夜。

ギャルはいつものようにアルバイトを終え、ショタを拾った路地を歩いていた。「前はここにショタがいたのに」と、ふと目をやった瞬間、ギャルは目を丸くして驚いた。

なんと、そこにあのショタが立っていたのだ。しかし、前回とは違い、彼の身なりは綺麗に整っている。ショタはギャルを見るや、満面の笑みで駆け寄ってきた。

「ギャルのお姉ちゃん、よかった!またここにいれば会えると思って、待っていたんだ!僕についてきて!」

ショタは迷いなくギャルの手を引くと、夜の街をどこかへ歩き出した。驚きながらも、ギャルは純粋なショタの歩みに身を任せてついていくことにした。

ショタに手を引かれてたどり着いたのは、町の中心にある大豪邸だった。実はショタはこの町有数の資産家の息子だったのだ。しかしそんな豪邸に住むショタは、ある日大好きなゲームを兄弟に否定されたことが原因で家出をしていたが、今は和解し家に帰れたのだった。彼は、自分を助けてくれたギャルにお礼をするため、家族を説得して待っていたのだ。

慣れない招待に恐縮しながらもショタに連れられてギャルは豪邸の中に踏み入った。長い廊下を歩いているとき、ギャルは一つの彫刻に目をひかれた。いびつな彫刻だった。ギャルは彫刻の前で首をかしげた。「何これー?変な形~。なんかぐにゃってしてるし、足みたいなの生えてるし…」

ショタは少し照れながら言った。「それ、僕が作ったんだ」

ギャルは目を丸くしてから、すぐに笑った。「キャハハ!そうだったんだ!へぇ!いいじゃん!何だか分かんないけど一生懸命作った感じがするよー。でもなんなの?これ」ショタは「図工の授業で作った逆立ちする友達だよ」それを聞くと一層ギャルは楽しそうに笑い「そうなんだー!うん!言われてみたらそうかも!キャハハ!ねぇショタ、これ撮ってもいい?アタシのスマホのロック画面にするよ!なんか元気でるし!」ショタは照れながらうなずいた。ギャルは1枚だけ写真を撮りロック画面にしてショタに見せた。

豪邸の奥に通されたギャルは、大きなテーブルの来客用の席に案内された。奥の厨房では、何やら豪華な食事が準備されているようであった。ショタも健気に、その食事の手伝いをしている。執事と二人きりにされてしまったギャルは、話題もなく、やや気まずい空気の中、黙って待っていた。 すると、そんなギャルを見かねてか、執事が口を開いた。「ショタ様の家出の理由はお聞きになられましたか?」 ギャルは「いえ、特に」と答えた。執事は続ける。「ショタ様の家出の理由はとても些細なことなのです。ショタ様はゲームがとても好きでしたが、その中でも今、特にお気に入りのゲームを、お姉様とお兄様にたいそう口汚く否定されてしまいました。『オワコン』『クソゲー』『運営がユーザーをなめきったゲームだ』。そのような言葉だったと記録しています。ショタ様は大層傷つき、気づいた時には豪邸からこっそり抜け出した後だったのです」 ギャルは「ああ、そうだったんだ」とつぶやき、ハッとした表情になった。「あー、でも。私、ショタとシェアハウスにいる時にショタにゲームを買ってあげたことがあったんだけど、その話を聞いたら、そんなことしない方が良かったのかな?」と執事にこぼした。 すると執事は、にっこりと微笑んだ。「ギャル様、そうだったのですか。よくショタ様の趣味がゲームだと知らずにゲームを買ってこられましたね。ショタ様は随分と喜んでいる様子で、家出から帰ってきた後も、ギャル様に買い与えてもらったゲームについて大層嬉しそうに話していましたよ」 それを聞いて、ギャルは「いや、ショタの趣味がゲームとかは知らなかったけど。ほら、男の子ってゲーム好きかなって」と言った。 執事は、やや驚いたような様子であったが、すぐににっこりと笑うのだった。そうこうしているうちに、食事の準備が終わったようだ。



ギャルの思った通りにその後は、豪華な食事が振る舞われた。食事の席でギャルは、ふとショタに向かって尋ねた。「ねぇショタ。あんたの家でのきっかけになったゲームって、今はどうなってるの?」 ショタは嬉しそうに答えた。「うん、確かに前は色々と気になるところが多いゲームだったけど、今は度重なる運営のユーザーの声を反映したアップデートのおかげで、ずいぶん盛り返してきているよ。プレイ人口も増えてきたんだ」 その話をギャルはその話を嬉しそうに聞いていた。

楽しい時間はあっという間に過ぎ、ギャルは時計を見て立ち上がった。

「もうこんな時間だ、そろそろ帰らないと。清楚が心配する。ショタ!また来るからね!」

清楚という言葉を聞き、ショタは一瞬怯えた表情を見せたが、何も言わずに指をパチンと鳴らした。奥から執事が、重厚なハイブランドの大きな箱と、質素な小さな箱を持って現れる。

「ギャルのお姉ちゃん、この二つの箱のうち、どちらか一つをお姉ちゃんにあげるよ。どっちがいい?」

ギャルは箱を交互に見比べた。

「うーん、じゃあアタシはこっちをもらって行こっかな」

ギャルが指さしたのは、小さな箱だった。ショタが「そっちでいいの?」と聞くと、ギャルは笑った。

「うん、こっちでいいよ。大きい方は持って帰るにも大変だし、大きいものをシェアハウスに置くと、清楚の邪魔にもなっちゃうしね。それに大きい方はいいものが入ってるんだろうから、ショタ、あんたがもらっとくといいんじゃない」

自分の優しさを、あの意地悪な清楚にまで向けたギャル。ショタはそれ以上何も言わず、「分かったよ、お姉ちゃん」と小さな箱を手渡した。

ギャルはいそいそと帰宅の準備をしていた。「そんじゃ、おじゃましましたー!じゃあねショタ!またシェアハウスにも遊びに来てね!待ってるから!土産もありがと!」と言い取っ手に手をかける。そのとき「ギャルのお姉ちゃん。」ショタが呼び止めた。ギャルは振り返った。ショタは「ギャルのお姉ちゃん…」何か言いたげのショタだったが、恥ずかしいのか急に赤面し、言い淀み「気を付けてね。またね。」とだけ言った。それを見たギャルはすこし悪戯そうに微笑み「照れてんの?かわいーねぇ。それじゃあまたね!」と言ってショタの豪邸を後にした。

急ぎ足でシェアハウスへ帰宅したギャル。清楚は今日も今日とて相変わらずSNSにアップする動画を作っていた。今日の動画の内容は環境にも優しい素材で作られたスマホケースだそうだ。しかし清楚は、帰宅したギャルが持ち帰った小さな箱の中身を見て、激しく嫉妬することになる。中に入っていたのは、例のショタの家出のきっかけになったゲームのレアな限定モデルのゲーム(パッケージ版)。かつて清楚も手を出そうとしたが手に入らなかったものだった。そして、ショタからの「このゲームを動画配信サイトで実況プレイしたら、たくさんの人が見てくれるよ。僕とフレンドになって一緒にやろう」という、成功への道を示すメッセージだった。

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