表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢は死ぬことにした  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
 

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

9/122

日曜日が待ち遠しい!?

 幼い私が必死にとった婚約破棄されるための行動。それはこの世界で全て無効化されてしまう。


 なぜなら悪役令嬢リナは、悪童設定なんてないからだ! むしろ私の行動のリカバリーで、レイモンドとの距離が縮まってしまう!


 そこで無駄な足掻きは止め、黙々とボトルシップ作りに没頭していたわけだが。


「リナ、もうすぐ日没になってしまう。帰らないといけないね」


 レイモンドに言われ、私は手元のパーツをじっと見る。あと少しで飾り用の錨が完成だったのに!


「……リナ、もう少し、作業をしたい?」

「したいでしゅ」


 こういう時は言葉足らずな言い方が効果があると、中身アラサーなので学んでしまった。


 私の返事を聞いたレイモンドはキリッとした表情になる。


 効果あり、だ。


「分かった。任せて、リナ。父上と公爵に相談してみるよ」


 レイモンドは大変優秀なので、あっという間に私が作業を続けられるよう、国王陛下にも、私の両親にも許可をとってしまった。しかもそれならと、国王陛下が「夕食を王族のみんなと食べればいい」と言ってくれたので……。


「リナ、夕食まであと二時間あるよ!」


 レイモンドの言う通り!

 夕食までの時間。思う存分作業ができた。


 だが、それがこの乙女ゲームの世界が私に仕掛けたトラップであったことは……ずっと後になり、分かる。


 ともかくこの日は満足して帰り、翌日からは……。


 マナーや礼儀作法、ダンス、教養と学びの日々。

 もちろん、遊びの時間もある。

 同年代の令嬢を招いてお茶会もあるが……。


「このいちごのタルトはおいしいでちゅね」

「チョコレートもあまいでしゅ」


 繰り広げられる会話はこんな感じ。

 正直。

 つまらない。

 だってみんな三歳児か四歳児。

 だが私は中身がアラサーなのだ。


 お人形遊びは退屈だし、刺繍をするならボトルシップを作りたい。


 さらにはレイモンドは年齢より大人びているし、ボトルシップの話は勿論、ティータイムで話すことは、大人のレベルと変わらない。つまり聞いていて脳が喜ぶのだ。


 そうなるともう、日曜日が待ち遠しくなる。

 そこで迎えた日曜日!


「リナ。今日は港に行かない? 新型の豪華客船が今朝、港に入ったって。しかも船内のティーサロンは、乗客ではなくても利用できるんだよ! いろいろな国を経由してきたから、舶来品のスイーツも食べられる」


 レイモンドにこの提案をされた私は!


「行きたいでしゅ!」


 エキゾチックな豪華客船のティーサロンでは、中華菓子のようなものを食べることができた。胡麻団子や月餅のような物をまさかこの世界で食べられるなんて! しかも今日も夕食は王宮で食べられるのだ。ティーサロンが終わったら、屋敷へ帰らなければならない!とはならなかった!


 それどころかこの日は……。


 まもなくニ歳のアンジェリーナ王女が夕食前、ボトルシップを作るレイモンドと私のところへ顔を出したのだ!


「おにいちゃま、こうしゃくれいじょう(公爵令嬢)さま〜」


 アンジェリーナ王女は「おひめさまみたい!」と私に懐いていた。作業をする私の手元をじっと見て「やってみたい!」となる。


「じゃあここにいろ()ぬっ()て」

「うん!」


 素直なアンジェリーナ王女は実にかわいい。


 前世では一人っ子だったからこそ、同性の姉妹には胸が踊る。


 とはいえ。


 アンジェリーナ王女にいろいろ教えながらだと、作業ははかどらない。


 すると翌週。


「マークもボトルシップ作りに参加してもらうことになった。アンジェリーナはマークに習うといいよ」


「マーク! もうひとりのおにいちやま! おしえてー」


 アンジェリーナ王女は当然マークを知っている。そしてマークにとってアンジェリーナ王女は王太子であるレイモンドの妹。大切に丁重に扱う。


 そしてマーク自身は、ボトルシップ作りに没頭したいわけではないので、アンジェリーナ王女にいくら質問されようが、手取り足取り教えることになろうが、全く気にしていない。


 レイモンドの采配はまさに適所適材だった。


「リナ、もう少しで完成だね! 後はしんちょう(慎重)に帆を張ればいい。でもタイムアップだ。夕食の時間だね」


 そうレイモンドに言われた時は。

 まさに断腸の思い。

 それは……みんなにも伝わった。


「夕食の後、少しだけ頑張れば完成ですよね」


 マークも残念そうに言ってくれる。


「おにいちゃま。こうしゃくれいじょう(公爵令嬢)さまは、おとまり(泊まり)ダメなの?」


「それは……」


 これにはビックリ。流石にお泊まりは無理だ。でもレイモンドはこれまた夕食の席でこう言ってくれた。


「父上、食後のデザートタイムを少し早めに切り上げ、ボトルシップの最後の仕上げをしてもいいでしょうか?」

お読みいただきありがとうございます!

次話は19時頃公開予定です~

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【一番星キラリの作品を紹介】
作品数が多いため、最新作を中心にバナーを並べています(2025年12月の大掃除で・笑)。 バナーがない作品は、作者マイページタイトルで検索でご覧くださいませ☆彡

●紙書籍&電子のコミカライズ化決定●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢に転生したらお父様が過保護だった件~辺境伯のお父様は娘が心配です~
『悪役令嬢に転生したらお父様が過保護だった件~辺境伯のお父様は娘が心配です~ 』

●溺愛は求めていませんよ?●
バナークリックORタップで目次ページ
平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!
『平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!』

●出版社特設サイトはコチラ●
バナークリックORタップで出版社特設ページへ
婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!
80ページが試し読みできる特設サイトへ
『婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!』


●壮大なざまぁを仕掛けます!●
バナークリックORタップで目次ページ
婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした
『婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした』

●章ごとに読み切り!●
バナークリックORタップで目次ページ
ドアマット悪役令嬢~ドン底まで落ちたらハピエンでした!~
『ドアマット悪役令嬢はざまぁと断罪回避を逆境の中、成功させる~私はいませんでした~』

●商業化決定●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢はやられる前にやることにした
『悪役令嬢はやられる前にやることにした』

●もふもふも登場!●
バナークリックORタップで目次ページ
断罪の場で自ら婚約破棄シリーズ
『断罪の場で悪役令嬢は自ら婚約破棄を宣告してみた』
日間恋愛異世界転ランキング3位!

●コミカライズ化も決定●
バナークリックORタップで書報ページへ
断罪後の悪役令嬢は、冷徹な騎士団長様の溺愛に気づけない
ノベライズは発売中!電子書籍限定書き下ろし付き
『断罪後の悪役令嬢は、冷徹な騎士団長様の溺愛に気づけない』


●心温まる物語●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢は我が道を行く~婚約破棄と断罪回避は成功です~
『悪役令嬢は我が道を行く~婚約破棄と断罪回避は成功です~』は勿論ハッピーエンド!

●[四半期]推理(文芸)2位●
バナークリックORタップで目次ページ
悪女転生~父親殺しの毒殺犯にはなりません~
『悪女転生~父親殺しの毒殺犯にはなりません~』

+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ