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悪役令嬢は死ぬことにした  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
 

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53/122

まさかそんなものが

「ベネット男爵令嬢、リプリー子爵令嬢。問題を解くことが出来たので、出発しますよ!」


 キルリル皇太子が声を掛けながら、二人の方へと向かう。少し遅れ、その後をレイモンドが追っていたが。レイモンドが私の方を振り返ると分かった瞬間。これで三度目でその視線を逸らしてしまった。


 明らかに避けられていると感じたはずだ。これまでは上辺だけは平静を装い、ともかく返事だけはしていた。でもこれで決定的だ。きっと王宮へ戻ったら、どうしたのかと問われるだろう。


 そうなったらなんと答えようか。気持ちが冷めた。もう好きという気持ちはないから、婚約破棄して欲しい……そう伝えるべきか。


 俯いて、歩いていたので、頭がトンと何かにぶつかり立ち止まることになった。私がぶつかったのはキルリル皇太子だと分かり、キョトンとすることになる。


「あ、ジョーンズ公爵令嬢」

「どうしましたか?」

「あれ、見えますか?」

「……?」


 キルリル皇太子が指し示す方角を見て「あっ」と驚くことになる。瀟洒な洋館が見えていたのだ。


「ベネット男爵令嬢、リプリー子爵令嬢は洋館の方へ向かってしまったので、今、レイモンド王太子殿下が追ってくれています」


「あの洋館は何でしょうか? 地図には……なかったですよね?」


「ええ。地図に記載はなかったので、既に住人はなく、取り壊されることなく残った廃屋なのでしょう」


 まさかそんな洋館が森の中にあったなんて。


 正直なところ。


 この郊外学習自体、前世ゲーム知識でプレイした記憶がないものだった。入学式の後のイベントは、チャリティーイベントだったはずだが、それもゲーム内ではサラッと行われ、終わっていた。


「とりあえず、洋館の方へ向かいましょうか」

「そうですね」


 こうしてキルリル皇太子と歩き出したが――。


「!」

「大丈夫ですか」

「す、すみません」

「いえ、ここは道から逸れていますから。むしろよくベネット男爵令嬢、リプリー子爵令嬢は、この草むらの中を歩いて行ったと思いますよ」


 それは本当にその通りだった。手入れされていない、草が伸び放題の、道なき場所を進んでいた。


「無理に私達が追う必要もないので、そこの木陰で待ちましょうか」

「……大丈夫でしょうか?」

「それはどういう意味で聞いていますか?」

「洋館に向かったのは、レイ一人。彼だけで大丈夫なのかなと……」

「そうですね。ですがこの草むらを進むのは大変ですよね? かといってジョーンズ公爵令嬢を置いて、私まで洋館へ向かうわけには行きません」


 そこで思い出す。近衛騎士達は?と。


「ああ、実は、元いた場所で待機させています。勝手にコースから外れた場所へ向かっているでしょう?」


 これには「ああ、なるほど」だった。勝手な行動をしているソフィーとメアリー子爵令嬢をこっそり連れ戻したかったということ。つまり私達は元いた場所にいると、近衛騎士達は教師やクラスメイトに思わせている(カモフラージュ)しているわけだ。


「それならば私は元いた場所に戻り、近衛騎士の皆さんのそばにいます」

「そうですね。それならば安心です。……お一人で戻れますか?」

「ええ。途中までは草の手入れもされ、整備されていたので。大丈夫です。一人で戻れますよ。それよりもレイと二人の令嬢のこと、よろしくお願いします」

「分かりました」


 こうして私は元いた場所へ戻り、キルリル皇太子は洋館の方へと向かっていく。


 途中、お互いに何度か振り返り、無事を確認。こうして私は近衛騎士達の所へ戻り、キルリル皇太子の姿は見えなくなる。


「ジョーンズ公爵令嬢。王太子殿下と皇太子殿下はまだ戻られないのですか?」


 近衛騎士達は私しか戻っていないことに、とても不安そうだった。


「そうですね。……私が戻ったので、どなたか洋館の方へ向かいますか?」

「はい。そうさせてください。何かありますと困りますから」


 こうして近衛騎士隊長が部下を一人連れ、洋館の方へと向かう。一方、今いる広場では、問題を解けず、まだ多くのクラスメイトが残っていた。さすがのマークでも分からないようで、彼のチームも足止めをくらっている。


 チーム『アドベンチャー』は、既に問題を解くことが出来ていた。もしソフィーとメアリー子爵令嬢が洋館へ向かわなければ、いちはやく次のチェックポイントに到着し、『森の中のガラス美術館』にゴールできたのに。


 そう思うにつけ、二人は問題を解くこともせず、勝手な行動をして……と思わずにいられない。でもそれを注意したら意地悪をしたと言われてしまい、恐ろしい断罪につながるかもしれなかった。ここはとにかく皆が戻るのを待つしかない。


 まだこの場に私達がいることを教師に不思議がられながら「ちょっと休憩をしています」と誤魔化し、待っていたが……。他のチームは自力で解くのをあきらめ、教師にヒントをもらい、なんとか回答を導き、移動を開始していた。さすがにこのままではメンバーがいないこともバレてしまうと思った時。


 キルリル皇太子とメアリー子爵令嬢が戻って来た。ソフィーの姿はない。それに……。


「レイと近衛騎士隊長たちは……?」


 私が問うとキルリル皇太子は「それが……」と思いがけない事態について話しだした。

お読みいただき、ありがとうございます!

明日からGWなのでもう1話公開頑張ります

(ノ≧∀≦)ノ がんばるよぉ~

22時頃の公開になるため

お疲れの方やご予定がある方はご無理なさらず

翌日ご覧くださいませ~

明日は朝8時頃に更新です!

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