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悪役令嬢は死ぬことにした  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
 

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そして迎えたお茶会の日

 お茶会までの日々。


 ソフィーは共に学級委員に選ばれたことで、レイモンドに話し掛ける機会が増えた。


 実際のところ、翌月に郊外学習があり、その行き先は早めに決める必要があった。チーム分けもあるし、そこで課題も設定する。放課後、二人が校外学習について話すため、教室に残ってもそれは仕方ない。


「ジョーンズ公爵令嬢。私達もボランティア委員として、どんな活動をするか、決めないとですね」


 キルリル皇太子にそう言われた私は「はい、そうですね」と応じ、彼と放課後、カフェテリアに向かう。


 教室でソフィーと二人きりのレイモンド。私はカフェテリアでキルリル皇太子とチャリティーバザーについて話し合う。


 それぞれの委員としての役目を終え、帰宅をしても、その後は宿題や予習に追われる。王宮での夕食はレイモンドと一緒だが、そこには国王陛下夫妻もいるのだ。さらに夕食後、レイモンドはちょっとした公務をこなす必要もある。


 それでも通学や授業の合間の休憩時間。

 レイモンドと話す時間はゼロではない。

 ただゆっくりレイモンドと話す時間はなかった。

 彼が今、日々、ソフィーと接する時間が増え、彼女をどう思っているのか……。


 確認することはできない。


 そして日曜日のお茶会の日を迎えてしまう。


 この日曜日、大聖堂で朝から祈りを行い、その後、通常であればブランチになるが――。


 秋の狩猟シーズンに向け、大猟を願う儀式が行われる。その立ち合いを行ったり、狩りの申請への許可を出したりで、王族は忙しい。私もレイモンドも国王陛下のサポートに入っていた。


 そんな感じでバタバタする中、お茶会に向け、ワイン色のドレスに着替えたところで……。


「リナ!」


 レイモンドが部屋に訪ねて来た。

 私のドレスに合せ、ワイン色と黒を組合わせたセットアップを着たレイモンドは、まずは私の手を取り、甲へとキスをする。


「今日、お茶会を設定したことを後悔しているよ」


「どうしてかしら?」


「今週は来月の校外学習の件で、放課後、打ち合わせばかりだった。しかも学校がスタートし、宿題や予習にも追われる。その上で狩猟シーズンに向け、王族としても忙しい。リナとゆっくり話す時間もなかった。そして今日はこの後、お茶会だ。このお茶会がなければ、リナと二人、ゆっくり温室で寛ぐことだってできたのに……」


 その言葉を聞いた瞬間。

 頬が思わず緩んでしまう。


 今週、ソフィーと過ごした時間が、レイモンドは多かった。だが私と一緒に過ごす時間の少なさを嘆いてくれた。しかも今日に至っては、お茶会より、二人きりになりたかったと言ってくれたのだ……!


「お茶会は二時間。それできっちり終わらせる。その後は僕と二人きりでゆっくり過ごそう。リナの好きな秋薔薇も咲き始めている。それにリナのためにミニチュアのボトルシップを作り上げたんだ。それも見せたい」


「レイ、とても忙しかったのでは!? そんな時間、あったの……?」


「リナとゆっくり話せなくて、寝付けない日もあった。そんな時、ベッドでただ横になっていても、『寝なければ』と焦ることになる。それならばと起きて、三十分ぐらい作業をすると……。集中するから、ふと気が抜けた瞬間、眠気がやってくる。その繰り返しで完成したよ」


 私と話せなかったことで、そんなにも寂しく思っていてくれたなんて……。


 もしかしたらと考えてしまう。いろいろとイレギュラーを起こしたこの世界のレイモンド。ゲームのシナリオに負けず、私に婚約破棄など告げず、断罪も起きない……そんな奇跡が起きるのではないかしら!?


「ああ、もう時間だ。行こうか、リナ」


 そこで私の手をとると、再び甲へとキスをして、レイモンドが微笑む。


 その優しい笑顔に胸がトクトクと高鳴る。


 こうして宮殿のエントランスへ向かうと……。


「お招きいただき、ありがとうございます、王太子殿下! こんにちは、ジョーンズ公爵令嬢」


 ソフィーはキルリル皇太子に屋敷まで迎えに来てもらったようだ。彼のエスコートで馬車を降りると、ピンク色のドレスのスカートをつまみ、カーテシーでお辞儀をして挨拶の言葉を口にした。


 するとそこにアンジェリーナ王女をエスコートしたマークが登場。今日はアンジェリーナ王女も同席することになっていた。


「まあ、すごい! 本物のお姫様を初めて見ました。お召しになっているドレスもとっても素敵ですね! あ、失礼しました。ご挨拶がまだでしたね」


 そこでソフィーはキルリル皇太子を見る。


「アンジェリーナ王女。こちら、王立アルデバラン学園で、同じクラスのソフィー・ベネット男爵令嬢です。今日はまだ一度も宮殿へ来たことがない彼女のために、レイモンド王太子殿下がお茶会をしてくれることになりました」


 これには「!?」と思うが、ソフィーが散々、クラスで「私のために王太子殿下がお茶会をしてくれる……」と言っていることを踏まえ、キルリル皇太子は話を合わせているのでは!?


 ソフィーは放課後、レイモンドとみっちり過ごしていたが、日中はキルリル皇太子の隣に陣取っていた。レイモンドへアプローチしつつ、キルリル皇太子にもしっかりアピールしていわけだ。そしてどうやらキルリル皇太子は、ソフィーとの仲はかなり良好なようで……。


「アンジェリーナ王女さま、初めまして。ソフィーです! 男爵令嬢の私のために、お茶会を開いてくださるなんて。王女さまのお兄様は、本当にお優しいと思います!」


 なんとも媚びる気満々のソフィーを見て、アンジェリーナ王女は……。

お読みいただき、ありがとうございます!

リアルタイム読者様、遅くまでお付き合いくださり

心から感謝です。ゆっくりお休みくださいね☆彡

次話は明日の8時頃公開予定です~

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