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悪役令嬢は死ぬことにした  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
 

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ゲームのシナリオ通りで……

 日曜日に宮殿でレイモンド主催でお茶会をすることになった。友好関係を維持したいキルリル皇太子の提案に応じた形であり、ヒロインであるソフィーは正直、おまけに近かった。


 だがソフィーは……。


「もうビックリしちゃったわ! 私、男爵令嬢なのよ。それなのに王太子殿下は私を自身主催のお茶会に招待してくださったの! 宮殿で開催されるお茶会よ。宮殿に行くなんて、初めてのこと。この学園に入学できたことさえ、奇跡なのに。まさか宮殿へ行けるなんて……。しかも王太子殿下の招待で。本当に私、ラッキーだわ!」


 そんな風にクラスのみんなに話して回ったのだ。


 王太子であるレイモンド主催のお茶会に招待される。それは特別なこと。クラスメイトは一介の男爵令嬢に過ぎないソフィーに注目するようになる。


 自然と、ソフィーはクラスの中心人物になっていく。子爵令嬢や伯爵令嬢が、ソフィーの取り巻きになっている。


 前世でゲームをプレイしていた通りのヒロイン像が、じわじわと作り上げられていった。


 その一方でソフィーはレイモンドにも積極的に関わろうとする。


「王太子殿下は、歴史は得意ですか? 私、ここが分からないんです。教えてくださいませんか?」


「王太子殿下、先日は歴史について教えてくださり、ありがとうございます! これはほんの御礼です。私の手作りの押し花の栞です。大したものではないのですが、よかったら御礼として受け取ってください!」


「王太子殿下、ジョーンズ公爵令嬢、お昼、行きませんか!」


 その様子を見ると、ひしひしと理解する。


 やはりこの世界は、ヒロインであるソフィーにとっての王太子攻略ルート。レイモンドと何としても仲良くなりたいのだと伝わってくる。


 さらにこのゲームの世界もそれを応援していると分かるのが、これだ。


「それでは今日のホームルームでは、各委員を選出します」


 担任の教師の言葉に教室内がざわつく。


 委員を選出する──学級委員や図書委員といった、学園生活で必要な係を決めることになる。


 委員は、生徒全員が必ず一つは受け持つことになる。そうなると一年間を通じて活動があるものより、行事系の委員の人気が高い。


 合唱コンクール委員や文化祭実行委員など、特定の時期に忙しいが、その行事さえ終わればお役御免になる委員は、次々と立候補者が出て、埋まっていくことになる。


 そしてこの委員はそれぞれ二名一組で任命されることになるが、暗黙の了解で婚約者同士での立候補は禁じられていた。


 多くの貴族の令嬢令息が通う学園であり、婚約している者同士で在籍しているのは、レイモンドと私だけではない。


 同じ委員になると、共に活動する時間も増えるので、婚約している二人は同じ委員になりたがるが、学校はイチャイチャする場ではないのだ。委員をやることで、新たなる人脈を作ることも目的となるのだから、婚約者同士で同じ委員をするのはダメ……という暗黙のルールは理に適っていた。


 その結果、キルリル皇太子と私はボランティア委員に選ばれ、マークは会計に立候補。そしてレイモンドは学級委員に推薦されたが、これは当然といえば当然。もう一人の学級委員は誰が推薦されるかと思ったら……。


 ソフィーが立候補した。


 ゲームでもソフィーが立候補したり、推薦されたりで、とにかくレイモンドと二人で学級委員をやるのがシナリオの流れ。そこはその流れ通りになったわけだ。


 王太子攻略ルートなのに、ソフィーとレイモンドの仲に進展はない。レイモンドはクラスメイトとしてソフィーに何か聞かれれば答えるし、親切にはする。


 だがそれ以上はない。


 お茶会こそ、招待する形になっているが、それ以外でレイモンドが自身から積極的に絡むことはなかった。


 まさにイレギュラーな状態が続いていたが、ついぞゲームの神も、この状況は見逃せないと思ったのだろう。


「では推薦されたアルデバラン王太子殿下とベネット男爵令嬢。この二人でいいという方は、挙手をしてください」


 既にソフィーは、クラスの中心人物の地位を確立している。そしてレイモンドは王太子。反対などなく、この二人があっさり学級委員として認められ、決定となった。


 その結果に私は落胆より、なんだかホッとしてしまう。あまりにもシナリオと違う展開が続き、逆に不安になっていたのだ。


 自分が断罪されたくないと思う気持ちは勿論ある。

 だがあまりにもイレギュラー含みだと、反動で何かとんでもないことが起こるのではと不安になっていたのも事実。


 それでいながらいざ二人が学級委員として、黒板の前に立つ姿を見て、不安になっている。


「ではそれぞれの委員が決まったので、この後の校外学習の計画は、早速ですが学級委員に選ばれたアルデバラン王太子殿下とベネット男爵令嬢に進めてもらいます。二人とも、よろしく頼みますね」


 担任の教師に言われると、ソフィーは元気よく「はいっ! お任せください」と応じる。


 一方のレイモンドも笑顔だが……。


 あれは社交で見せる彼の笑顔であり、本心が別にある時の表情だと思う。


 ゲームのシナリオ通りで学級委員に選ばれた二人。

 でもレイモンドは不本意だと思ってくれているの……?


「それでは皆さん。校外学習の行き先、どこがいいか、候補を挙げてください~!」


 ソフィーが元気よく声を上げた。

お読みいただき、ありがとうございます!

日頃の応援に感謝し、さらにはGW記念で

もう一話、公開します~

GWでお出かけしている読者様もいると思うので

22時頃で公開しますね。

タイミングが合わない方は明日ご覧くださいませ!

お疲れの方もご無理なさらずで~☆彡

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