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悪役令嬢は死ぬことにした  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
 

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全てが綱渡りの感覚

 この世界はレイモンドが起こしたいくつかのイレギュラーにより、私の知る王太子攻略ルートとは変わってきている。


 そんな期待を膨らませた時、キルリル皇太子がソフィーとレイモンドが知り合う機会を提案した。


「うん。構わないですよ。ソフィー・ベネット男爵令嬢だよね。よろしく」


 昼休みを迎え、ついにレイモンドとソフィーとの接点が出来てしまった。


 私は……イレギュラーを期待した分、落胆も大きい。


「王太子殿下! ご挨拶出来て光栄です。ぜひ、私のことはソフィーとお呼びください」


「ベネット男爵令嬢。家族以外の男女がファーストネームで呼び合うのは、特別なことだよ。僕は婚約者であるリナのことしか、この学園ではファーストネームで呼ばない。リナだけが僕の特別な存在だからね。君のことはベネット男爵令嬢と呼ばせていただく」


 これにはもうビックリ!

 ヒロインとレイモンドは知り合って早々に打ち解け「ソフィー」「レイ」と呼び合うことになるのに!


 ソフィーがビックリしているが、わたしだって驚いている。


 だがそこはヒロイン。ソフィーは打たれ強いのですぐに笑顔で応じる。


「それは大変失礼しました! 王太子殿下のような高位な身分の知り合いはこれまでいませんでしたので、つい的外れな提案をしてしまいました。王太子殿下、ジョーンズ公爵令嬢、これからよろしくお願いします!」


 元気よくぺこりと頭を下げる様子は、溌剌として可愛らしい。キルリル皇太子は微笑み、すぐに反応する。


「レイモンド王太子殿下は優しい方ですから、大丈夫ですよ。そうですよね、殿下」


 キルリル皇太子がフォローに入ると、レイモンドもニコリと笑い「ええ。瑣末なことは気にしないので」と応じる。その上で「ではカフェテリアに行きましょうか」と席を立つ。


「リナ、行こうか」

「は、はいっ」


 ソフィーの視線が一瞬私に向けられたが、すぐにキルリル皇太子へ戻る。キルリル皇太子はソフィーと話しながら歩き出す気満々。それはソフィーも気づいており、応じた形だ。


 一方の私は何というか、全てが綱渡りの感覚でドキドキしてしまう。


 ソフィーの現在の様子では、王太子であるレイモンドと仲良くしたいと思っている……のかは、よく分からない。だがこの世界が王太子攻略ルートなのだから、今はキルリル皇太子と話しているが、遅かれ早かれ、レイモンドと接点を持とうとするだろう。


「今日のリナは、心ここにあらずだね」


「そ、それは……そうですね。学校に通うのは初めてですし、いろいろ不慣れで挙動不審になっているのかもしれません」


「何も心配はいらないよ。僕もいるし、マークだっている」


 さっきからキルリル皇太子とレイモンドのことばかり見て、つい意識から外してしまうが、マークも確かにいるのだ! とはいえ、このルートでマークは完全にレイモンドを応援する立場だから、ヒロインであるソフィーと絡むことは……ないだろう。


「リナが元気になる情報を一つ。今日は入学式だから、カフェテリアは特別メニューだ。王家秘伝のレシピのふわふわオムレツが提供される」


「そうなのですね! ふわふわオムレツ、私、大好きです!」


 王家秘伝のレシピのふわふわオムレツ。


 それはたっぷりのたまごとバターで作るオムレツで、一つに十個以上のたまごが使われる。しかも黄身と卵白を別々に泡立て作られるのだ。卵白には砂糖も入れているので、泡立ちが安定する。この卵白とよくかき混ぜた黄身を、軽く混ざ合わせ、ふわふわのメレンゲ状にするのだ。これを惜しみなくバターを使い、焼き上げると……。


 感動のふわふわオムレツの出来上がり。


 秘伝……と言われているが、どちらかというと、たまごと使うバターの量、さらには砂糖も用いる。平民が作るにはお金がかかることもあり、王家ならではのオムレツになっていた。


「今日は王家が派遣したシェフもカフェテリアには来ていて、厨房は賑わっていると思うよ」


 そう話しているうちにもカフェテリアに到着。もうバターのいい香りが漂い、皆、続々とふわふわオムレツを食べ始めている。


「王太子殿下、皇太子殿下、こちらのお席へどうぞ」


 カフェテリアには専属のメイドがおり、私達は席へ案内された。特別メニューになっているので、飲み物を選ぶと、出来立てのふわふわオムレツが運ばれてくる。


「すごい~! こんなに大きく膨らんでいるオムレツ、初めて見たわ! とっても美味しそう。宮殿ではこんなオムレツを毎日食べられるのですか!?」


 ソフィーが瞳を輝かせ、キルリル皇太子が「さすがに毎日ではないですよね」とレイモンドに問い掛けながら笑う。


「そうだね。でも週に一度は出してもらっているかな? キルリル皇太子殿下も宮殿に滞在中、楽しんだよね」


「宮殿に滞在! さすが皇太子殿下ですね。私も一度、宮殿に行ってみたいわ……」


 王都で暮らす貴族であれば、社交界デビュー時に、最低でも一度は宮殿へ足を踏み入れることができる。だがそれ以前で、例えば男爵令嬢が宮殿へ足を運ぶ機会は……ない。


 貴族であれば、宮殿に出入り自由、というわけではなかった。


 ゲームのシナリオでは、宮殿に行きたいとソフィーが言えば、王太子であるレイモンドは「宮殿は公的な行事への参加、王家からの招待がなければ立ち入ることはできない。でも大丈夫だよ。僕が招待しよう」と提案する。そして今、レイモンドはソフィーにどう反応するのか。


「レイモンド王太子殿下。ぜひお茶会を開き、私とソフィー嬢を招待していただけないですか?」


 なんとキルリル皇太子が宮殿へソフィーが足を運べるよう、レイモンドにお茶会の開催を求めた。

 これをレイモンドが断るわけがなく。


 日曜日。


 レイモンド主催で宮殿でお茶会を行い、ソフィーとキルリル皇太子が招待されることになった。

お読みいただきありがとうございます!

本日もよろしくお願いいたします☆彡

次話は14時頃公開予定です~

そして遂にヒロインも登場し続きが気になる読者様も多いことでしょう。

さらに世の中はGW

となれば……

増量更新、頑張っちゃいますよ!

できれば応援(ブックマーク、誤字脱字報告、評価など)いただけると

本当に励みになります。

よろしくお願いいたしますヾ(≧▽≦)ノ

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