表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢は死ぬことにした  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
 

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/122

最高です!

 キルリル皇太子との挨拶は、国王陛下が代表して行い、そのまま昼食会の会場へと移動となる。


 用意されている長テーブルには、国王陛下夫妻が中央に並んで座り、その対面に皇太子が着席。王太子であるレイモンドは、国王陛下の隣、私はそのレイモンドの対面に着席。私の左隣はキルリル皇太子だ。


 王妃殿下の対面はアンジェリーナ王女で、彼女の右隣はキルリル皇太子。左隣にマーク。そのマークの対面の席は宰相だ。


 レイモンドは私と隣合わせで座りたかったようで、向かい合わせであることに、とても残念そうにしている。だが王太子という立場上、そして私とレイモンドはまだ婚約中なのだから、こうなっても仕方ない。


 昼食がスタートすると、キルリル皇太子は快活に話を始める。


「今回ちょっとした手土産として、帝国の特産品であるキャビアを持参しています。ぜひ、皆様には召し上がって頂きたいですね。レシピも一緒にお渡しします。少し厚みがあって弾力のあるクレープと一緒に食べると、その塩気も相まって、大変美味しいのですよ」


 これを聞いた私は「キャビア!」と思わず声を上げてしまう。するとキルリル皇太子は「おや、キャビアをご存知なのですか?」と私を見る。


 前世でもキャビアは最初、特定の国で食べられており、ヨーロッパの国々ではあまり普及していなかった。後に普及して高級食材になるのだけど……。そこはこの乙女ゲームの世界も同じ。


 キルリル皇太子の母国では、皇族や貴族に人気の高級品だが、アルデバラン王国ではまだ珍しい食材。食べたことがある人もあまりいなかった。


 前世ではフランスへ旅行した時に食べたぐらいで、頻繁に食べたわけではないが、一応味は分かる。現地ではスーパーで手頃な価格で買うことができたので、長期滞在型のアパートの部屋で、キャビアを食べたことがあったのだ。


「キャビアは……はい。少しいただいたことがあります。外側がカリッとし、中はふんわりのパンに、たっぷり載せて食べると……。その食感と絶妙な塩味に、パンを食べる手が止まりませんでした」


「そうなのですね。帝国ではパンに載せて食べることはないので、その食べ方は初めて聞きました。ですがカリッとした食感と柔らかいパンとキャビアが組み合わさるのは……試してみたくなります」


「ならばキャビアを出す時は、キルリル皇太子の帝国風とリナ風の二通りを用意させよう」


 国王陛下の提案に、キルリル皇太子は嬉しそうに「ぜひそうしてください」と微笑む。さらにキルリル皇太子は「サワークリームをつけても美味しい」と教えてくれる。


「サワークリーム! キャビアの塩味とサワークリームの酸味が調和し、さらにクリーミーで、口当たりもよくなりそうですね!」


 前世で、サワークリームとキャビアの組み合わせを食べたことがあるわけではない。でもサワークリーム味のポテトチップスにキャビアを載せて食べたら……美味しいだろうと想像できた。


「サワークリームもご存知なのですね。アルデバラン王国では、フレッシュクリームが主流と聞いてますが」


「そ、そうですよね。その……私は食への関心が強く、サワークリームも一度食べ、気に入りまして」


「そうなのですね。サワークリームの酸味を苦手とする方もいるのに。ジョーンズ公爵令嬢は革新的ですね」


 キルリル皇太子がアイスブルーの瞳を輝かせる。これを聞いていた宰相は「サワークリーム……試したくなった」と言い出す。するとマークも国王陛下も同意を示し、キルリル皇太子は「レシピをお伝えします!」と笑顔になる。


 こうして食の談義は盛り上がる。


 キルリル皇太子はザワークラウトに似たキャベツの発酵食品、ビーツのスープを食べたことがあるかと、さらに私に尋ねた。


「キャベツの発酵食品、似たものを食べたことがあります。でもそれは少し酸味が強かったので、ソーセージに合せると美味しかったです。パンにソーセージと発酵キャベツをサンドする食べ方」


「パンに挟むのですか!? その食べ方も初めて聞きました」


 驚きながらもキルリル皇太子は興味津々という表情で聞いてくれる。


「そうですよね。もし皇太子殿下の国の発酵キャベツをパンに合せるなら……サワークリームも一緒にサンドすると美味しいかもしれません」


「なるほど。それはいいアイデアですね!」


 キルリル皇太子が今すぐにも食べたそうな顔をするので、王妃殿下まで「なんだかわたくしも食べたくなりましたわ」と言い出す。


「ビーツのスープも飲んだことがあります。鮮やかな色で、見た目も綺麗ですよね」


 前世で飲んだビーツのスープの味を思い出しながら話し出す。


「そう言っていただけると嬉しいです。初めて目にする人は『奇妙だ。これが食べ物なのか!?』と言われてしまうので……」


「え、どんな色なのですか!?」


 アンジェリーナ王女が興味を持ったようで、私は「深みのあるワインのような、ルビーのような色合いよ」と説明。そしてこう付け加える。


「でもそのビーツのスープにサワークリームを入れると、まろやかなピンク色になるの。とっても綺麗よ。何も入れないと、味も少し酸味があって、こくがあるのだけど……。サワークリームを入れると、マイルドになって、ここに黒パンやライ麦パンをつけて食べると……」


「「最高です!」」


 キルリル皇太子と声が揃ってしまう。

 これには皆、ドッと笑うことになる。


 こんな感じで楽しく帝国の食文化に、みんなで花を咲かせていると思っていたのだけど……。

 一人だけ。

 笑顔で話を聞きながらも、自ら声を発することがなかった人物がいることに、私は話に夢中になり、気付いていなかった。

お読みいただきありがとうございます!

次話は14時頃公開予定です~


本日のなろうの表紙[TOP]で本作が

週間異世界転生恋愛ランキング3位☆彡

読者様の応援のおかげです……!

心から感謝であり、今回のタイトル同様感動しています。

ということで……次話の後書きをお楽しみにヾ(≧▽≦)ノ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【一番星キラリの作品を紹介】
作品数が多いため、最新作を中心にバナーを並べています(2025年12月の大掃除で・笑)。 バナーがない作品は、作者マイページタイトルで検索でご覧くださいませ☆彡

●紙書籍&電子のコミカライズ化決定●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢に転生したらお父様が過保護だった件~辺境伯のお父様は娘が心配です~
『悪役令嬢に転生したらお父様が過保護だった件~辺境伯のお父様は娘が心配です~ 』

●溺愛は求めていませんよ?●
バナークリックORタップで目次ページ
平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!
『平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!』

●出版社特設サイトはコチラ●
バナークリックORタップで出版社特設ページへ
婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!
80ページが試し読みできる特設サイトへ
『婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!』


●壮大なざまぁを仕掛けます!●
バナークリックORタップで目次ページ
婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした
『婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした』

●章ごとに読み切り!●
バナークリックORタップで目次ページ
ドアマット悪役令嬢~ドン底まで落ちたらハピエンでした!~
『ドアマット悪役令嬢はざまぁと断罪回避を逆境の中、成功させる~私はいませんでした~』

●商業化決定●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢はやられる前にやることにした
『悪役令嬢はやられる前にやることにした』

●もふもふも登場!●
バナークリックORタップで目次ページ
断罪の場で自ら婚約破棄シリーズ
『断罪の場で悪役令嬢は自ら婚約破棄を宣告してみた』
日間恋愛異世界転ランキング3位!

●コミカライズ化も決定●
バナークリックORタップで書報ページへ
断罪後の悪役令嬢は、冷徹な騎士団長様の溺愛に気づけない
ノベライズは発売中!電子書籍限定書き下ろし付き
『断罪後の悪役令嬢は、冷徹な騎士団長様の溺愛に気づけない』


●心温まる物語●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢は我が道を行く~婚約破棄と断罪回避は成功です~
『悪役令嬢は我が道を行く~婚約破棄と断罪回避は成功です~』は勿論ハッピーエンド!

●[四半期]推理(文芸)2位●
バナークリックORタップで目次ページ
悪女転生~父親殺しの毒殺犯にはなりません~
『悪女転生~父親殺しの毒殺犯にはなりません~』

+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ