最弱パーティ結成?
「あぅ……またやっちゃった……」
スーフェンは顔を真っ赤にしながら下を向いてしまった。スーフェンがいきなり立って大きな声で言ってくれた事にも驚いたが、初めて会う人にそこまで言ってくれるスーフェンの優しさに涙を流しそうになってしまった。
「ありがとう、スーフェン。俺嬉しいよ……」
「な、なんでタンザさんが涙を……?わ、私また何かしましたか!?」
「ううん、大丈夫。他の人にそんな優しい言葉かけられたの久しぶりだからつい……」
凄く心配そうな顔で俺を見てくるスーフェン。そこに年上の威厳はどこにも無かった。
◇◇◇◇
「ちょっと話がそれたね。もう一度聞くけど、スーフェンは俺のパーティに入りたいって事だよね?」
「はい!そうです。あ、何か条件があったりとかですか!?あわわ……募集してる事以外何も聞いてなかった……」
「い、いや条件とかじゃ無いんだけどさ。あの、その、とても言いづらいんだけど、俺がめちゃくちゃ弱いから、受けるクエストとかは簡単なやつしか無いんだよ。採取クエストとか。それでもいいのかなって」
そう、何度も言うが俺は弱い。スライムすら倒せない程に。それくらい弱い俺はモンスター退治だの、ダンジョンに入るだの出来るわけがない。むしろ足でまといになるのだ。情けない話だが小さい女の子のスーフェンを守れるはずもない。
だから、モンスターを倒すとか、ダンジョン攻略したい冒険者になりたいと言うなら俺のパーティは入れない。そう決めて張り紙を貼った。
「は、はい……!大丈夫です!私モンスターが怖いのでそっちの方が嬉しいです!」
「そっか。それなら良かった。じゃあ、君は採用だ!俺のパーティにようこそ。これからよろしく、スーフェン」
「はい!ふつつか者ですが、よろしくお願いします!いたっ!うぅ……」
勢いよく頭を下げたスーフェンが机に頭をぶつけた。ここに、モンスターを倒せない俺タンザと、モンスターが怖い小さな少女スーフェンの冒険者の中で最弱パーティが結成された。
第3話お読み頂きありがとうございました。次回もよろしくお願いします。