「に、ニノちゃん!おめめ激しくしないで!」「うるさいですね……」
「に、ニノちゃん! おちんちん激しくしないで!」
「うるさいですね……」
「あ、あぁ~ッ!」
「はい、今日の搾精は終わり。お疲れさまでした」
「うぅ……あ、ありがとうございました……」
数週間前、念願のニャンコハウスに就職したのだが、『女性ばかりの街で若い男を野放しにすると皆レイプされるのでは』 という懸念の声があり、結果、ニノちゃんが定期的に僕のオチンチンから精子をシコシコしてくれるようになった。しかしニノちゃんはなんだか 僕のことがキライみたいで、いつもいつも不愛想にオチンチンシコシコして、ちんちんイタイイタイなのだった。
「トホホ……ニノちゃん可愛いのにオチンチンシコシコはイタイイタイなんだから……あーあ、どうにかしてニノちゃんの精液ピュッピュをやさしくて気持ちいものにしてもらえないかな~、ん?」
深夜なのにニノちゃんの部屋から明かりが漏れている。
「よいしょ……よいしょ……」
(に、ニノちゃんが、自分の部屋でおちんぽディルドを相手にオチンポシコシコの練習をしている!?)
「ふぅ……こんなものですかね……。もっと気持ち良くなってもらえるように頑張らないと……」
「ニノちゃーん!」
「ひゃあッ!?」
「ニ、ニノちゃーん! ごめんよーッ! ニノちゃんは毎日僕のためにオチンチンしこしこの練習してたのに僕はそんなことも知らずに……ッ! 」
「べ、別に、オチンチンしこしこ練習するくらい普通です……。それが私のお仕事なんですから……。それに、私は下手で、あんまり気持ちよくなってもらえないから」
「そ、そんなことないよ! ニノちゃんのその気持ちだけで僕は十分オチンチン気持ちいいんだよ! あっ、そ、そうだ! ニノちゃんおてて出して! 」
「こ、こうですか?」
「そう! それじゃあ今からオナニーするからね! ニノちゃんのやわらかおててにドッピュするからね! ちゃんと受け止めてね!」
「えっ、えっ?」
「ひゃあッ!」
「くっ、ふぅ……! す、すっごい濃いのが出たぁーッ!」
「ほんとうです……で、でもなんで……?」
「それはね……ニノちゃんの気持ちが、僕に伝わったからだよ! ニノちゃんの他人を思いやる優しさがね!」
「私のやさしさ……」
「そう! だから、テクニックなんて、二の次なんだよ! オチンチンしこしこは、上手い人にやってもらうより、好きな人にやってもらうのが一番気持ちいいんだよ!」
「す、好きって……はわわ……あ、あの……もうちょっとだけ、練習に付き合ってもらってもいいですか?」
「もちろん!」
その後、僕は一晩中ニノちゃんのおててに射精を続けて次の日の朝は起き上がれないほど疲弊していた。
でもまぁ、その日以来、おちんちん搾りをするときニノちゃんが耳元で「好きです」とつぶやいてくれるようになったので結果オーライ!
《今回のセッションは以上となります。またのご接続をお待ちしております》
「ふぅ……」
俺はヘッドセットを外す。
フルダイブ型VRが一般化してもう十年になる。
黎明期こそMMORPGが隆盛を誇っていたが、やりこめばやりこむほど強くなれるMMOは社会生活と相性が悪く、今では一部の廃人が細々とやっているだけだ。
その代わりに台頭してきたのが俺が今ダイブしていたサービス、「シチュエーションダイブ」だ。
沢山のクリエイターがつらい現実を忘れさせる為に理想のシチュエーションを創り、配布する。
特に今注目されているのは、「ダイブ後の記憶消去」機能のついたシチュエーションダイブだ。
あらすじやキャラクターの説明だけ先に見せられて、ダイブ直後にセッションの記憶を消去してくれる。
これの何が利点なのかというと、「飽き」が来ないという事だ。
事実、俺は先程まで何をしていたのかわからない。ただ恋愛感情による脳内麻薬とドライオーガズムによる射精感、そして幸福感。残るのはそれだけだ。
このラインより上のエリアが無料で表示されます。
一応おおまかなあらすじは知っている。バイト先の後輩である「ニノちゃん」とラブラブになって射精するという流れだ。
何度セッションしてもストーリーがわからないので新鮮に楽しめるのだ。
「さ~てと、今日はもう一つお楽しみがあるんだよなあ」
俺は不精髭の生えた口元を歪ませる。
「電子ドラッグ」。脳神経を電気刺激で操ることを利用し、本物のドラッグと同じ快感を得られる。しかもデータなので何回も買う必要がない。
俺はネットの友人から入手経路を教えてもらい、電子ドラッグを購入したのだ。他のアプリと同時に使わなければ大丈夫とのことだった。
LSD?とかMDMA?とかはよくわからなかったので名前だけは知っている覚醒剤を買った。
俺はもう一度ヘッドセットを起動し、購入した電子ドラッグを立ち上げた。
?”!?!??!?!??!??ああこrとl@0あ
つつうっつうつうt冷たい冷たいツメタイ脳から全身に向かって走る氷の快楽そのものが走るはしる奔る
脳汁とはこれの事なのだ明らかに人間が経験してはいけない幸福と快感が怒涛のように押し寄せる。る。る。りゅるるるうるるううっるうる
気が付くと、三日後だった。
「お前、明日から来なくていいよ」
三日ぶりに会社に行って、帰り支度をしている俺に部長が声をかけてきた。
「えっ……」
冷や汗が全身から吹き出る。
「VRに熱中して三日も会社に来ないなんて社会人どころか人間として終わってるから。仮想と現実に折り合いもつけられないような奴うちには要らない。そういうことだから。じゃあな」
どうやって帰ってきたのかさっぱりわからない。手には大量の食糧があった。
何も考えず、電子ドラッグを走らせる。
同時に、シチュエーションダイブも起動した。
「ニノちゃん!!!」
ニノちゃんは無表情で工具箱を片手に立っていた」
「会いたかったよニノちゃ——」
あれ?体が動かない。
ニノちゃんは工具箱から針を取り出し。
僕の爪の隙間に刺し込んだ。
「いってええ!」
針をグネグネ動かす。
「ニノちゃん!爪をぐちゃぐちゃしないで!」
「うるさいですね……」
一気に人差し指、中指、薬指を刺された
「——っ!!!!!」
声にならない悲鳴が漏れる。
足の指も含めて、二十本刺し終えて、ニノちゃんは言った
「はい。今日の拷問は終わり。お疲れさまでした」
目覚めると、指に激痛が走っていた。やはり電子ドラッグは併用は良くないらしい。
この苦痛から逃れるために、もう一度シチュエーションダイブを開始した。
「に”に”のじゃん、指をぽきぽきしないで」
「うるさいですね……」
《セッションが終了しました》
なんなんだ?これは。電子ドラッグの離脱症状か?
ようし!乗り切ってやるぜ!俺とニノちゃんの愛の力でね!
「にのぢゃあnお腹のなかとりださないで」
《セッションが終了しました》
前より状態が悪い……今が踏ん張りどころだ。
「じのぢゃ!歯を砕かないで!」
「うるさいですね……」
「電気ショックをやめて!」
「ぶbkぶぼっぶいb(水に顔を入れないで)」
「あああああ硫酸を注射だけはやめて!」
「おねがい!それだけは、それだけはやめて!おちんちんきらないでえええええええええ!!!!!」
全身が痛い。眩暈と吐き気がとまらない。もはや俺の安息地はVRのなかだけになっていた。
「にのじゃあああああん!!!!!おめめぐちゃぐちゃしないでえええええええ!!!!!!」
………
「えー本日未明、〇〇県のアパートで男の死体が発見されました。隣人からの『異臭がする』という苦情を受け、大家がドアを開けた結果、腐った死体が発見されたとのことです。警察によると、死因は激痛によるショック死とのことです。死亡した男性は電子ドラッグの服用経験があり、国は改めてドラッグ撲滅を推進したいと——