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この日『勇者』の称号を奪われた俺は世界を自由に旅してみた  作者: ライズさんは異世界に恋焦がれる
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第三話 称号授与式 後半

「時間になりましたので、これより称号授与式を始めます」

「うおぉぉぉぉ」

「やっとだぁぁ」


そう一人の神官が言うと歓声が上がる。


「それでは皆さんには今からこの女神像に向けて祈りを捧げていただきます」


そう神官が言うとデイルたちは神官の後ろにある女神像に視線を向けた。


「なぁ、ラント」

「ど、どうしたのデイルくん?」

「祈りを捧げるてどうやるんだ?」

「そ、それは、まず女神像の方を向き片膝を地面につけて手を重ね目を閉じればいいんだよ」


ラントは戸惑いつつもデイルにそう教える。


「ありがとな、教えてくれて」

「う、うん!」


ラントは頼られて嬉しかったのか少し嬉しそうな顔をして返事をした。


「それでは皆さん女神像に祈りを捧げてください、そうすればあなたたちの頭の中に女神様が直接語りかけてくれるだろう」


そう神父が言うとデイルたちや他の子供も女神像に祈りを捧げる。

祈りを捧げているとデイルとエイミーのニ人の右手の甲が激しく輝く。


「な、なんだこの輝きは!」


初めてのことなので神官たちが動揺する。


その数秒後輝きが収まるとデイルとエイミーの右手の甲に印が現れる。


「な、なんだあの右手の印は」


謎の印が現れたことでより神官たちは動揺する。


「あ、あの印は!」


その中で一人の神官が声を上げる。


「どうした、何かわかるのか?」

「教会の書物で見たことがあります、あの印は勇者の印と聖女の印です」

「勇者と聖女の印だって!?」


そう、神官が言うとざわつきが起こる


「俺とエイミーが勇者と聖女だって?」

「やったーーーー」


デイルは驚きのあまり固まりエイミーは嬉しそうに喜んだ。


「デイルとエイミーが勇者だって!?」

「いいなーデイル、勇者だなんて!」

「あの二人はこの村の希望だよ!」

「デイル、デイル、デイル、デイル」

「エイミー、エイミー、エイミー」

「デイル、エイミー、デイル、エイミー」


喝采が上がり、教会にいる人全員がデイルとエイミーを讃える。

ただ一人を除いて。


「おい、ラント俺やったよ勇者になったんだ」


デイルのその言葉にラントは沈黙を返す。


「どうしたんだ?体調でも悪いのか?」

「え?あぁ、大丈夫だよ」


そうデイルがラントを心配するとラントはそう返す。


「そういえば、ラントの称号はなんだったんだ?」

「え?僕?僕は…」


そういうとラントはいうのを躊躇った。


「どうした?好まない称号だったのか?」

「いや、そういうわけじゃないんだだけどね、でもごめん今は言いたくないんだ」


デイルがそう心配しながらラントに問うとラントはそう返す。


「まぁ、人には言いたくないことがあるもんな...わかったお前が自分から言いたくなるまで待つよ」

「うん、ありがとう」


そういうラントの顔は少し暗かったようにデイルの目には見えた。


「デイル様、エイミー様少しよろしいでしょうか」

「は、はい」

「だ、大丈夫です」


デイルとエイミーは神官から呼ばれると思っていなかったため少し驚きながらそう返した


「この後お時間よろしいでしょうか?」

「こ、この後ですか?」

「はい」

「俺は大丈夫ですけど、エイミーは?」

「私も大丈夫よ」


そう聞かれたデイルとエイミーはそう返した。


「では、称号授与式が終わったら教会に残ってください、大切なお話があります」

「わかりました」


そう、デイルとエイミーに言うと神官は二人から少し離れ、教会に来た人たちが全員見えるところまで下がった。


「では、これで称号授与式を終了する、これよりデイル様とエイミー様に話があるので他のものたちは速やかに家に帰るように」


そう神官が言うとデイルとエイミーとラント以外は家に帰って行った。


「じゃあ、僕は先の帰ってるね」

「おう、また後でな」


そう言い、ラントは一人先に家に帰って行った。

そうして教会には、デイルとエイミー、神官以外いなくなる。


「では、早速お話ししてもよろしいでしょうか」

「はい、大丈夫です」


そうデイルが言うとエイミーも顔を縦に振る。


「デイル様とエイミー様は勇者と聖女の役割を知っておられますか?」

「はい、昔絵本で読んだことがあります、魔王と戦うってことですよね」

「はいその通りです」


そうデイルが言うと神官が肯定する。


「お二人方には世界を救っていただきたいのです。」


そう神官に言われ、デイルとエイミーは片唾を飲み込んだ。


「本当に申し訳ない、ですが我々はお二方に頼るしかないのです」


デイルとエイミーは顔を合わせてお互い少し苦笑しながら決意の固めた顔をした。


「わかりました、エイミーも大丈夫か?」

「うん、大丈夫だよ」

「おぉ!ありがとうございます、さすがは勇者様と聖女様です」


そう言われて、デイルとエイミーは少し照れる。


「では、明後日私と共に王都に来てください」

「え?王都?」


急に王都に行くと言われたデイルは困った顔をする。


「あの、それって王都に住むと言うことですか?それとも...」

「そうですね、王都に住むという感じになっています」


デイルが言い終わる前に神官はそう応える。


「そうですか...」


デイルが少し困った顔をする。


「エイミーは大丈夫か?」

「私は大丈夫だけどデイルは?」


そうエイミーはデイルに聞き返す。


「俺は大丈夫だけど...神官少しお願いがあります」

「私にできることならば何なりと」

「王都に住むのであればラントも一緒に連れて行きたいのですが」


そうデイルは神官にお願いする。


「わかりました、それぐらいのことであれば」

「あ、ありがとうございます」

「いえいえ、これぐらいのことはさせていただきます」


そういい、神官は笑った。


「では、明日の早朝に王都に出発しますのでそれまでに荷物などの準備をよろしくお願いします」

「わかりました」

「ではこれで、私が話したいことは全てです、何か質問はありますか?」


そう言われてデイルとエイミーは少し考えた。


「いえ、大丈夫です、では失礼します」

「ありがとうございました」


そういい、デイルとエイミーは教会を出て、ラントの家に向かう。



「おーーい、ラント大事な話があるから出てきてくれ!」


ラントの家に到着したデイルたちはラントを呼び出すためにそう声を上げる。

そして数分経ってからラントは家から出てきた。


「どうしたの?ラントくんそれにエイミーも」

「ちょっと話があってきたんだ」

「は、話?」


そう言われラントは少し戸惑う。


「あぁ、実は俺たち王都に行くことになったんだよ」

「え?」


いきなりそんなことをデイルから言われて固まるラント。


「ほんとに言ってるのエイミー!?」

「うん、王都に行かなきゃいけないみたいなの」

「そ、そんなぁ」


そうエイミーから言われてラントは膝から崩れ落ちる。


「二人がいなかったら僕一人になるよ」

「何か、勘違いしてないかラント」

「え?」


そうデイルから言われ、ラントはエイミーの方を見る」


「実はねデイルくんが神官の人にお願いしてくれたの、ラントくんも一緒じゃダメですかって」

「な、なんで」


わけがわからないと言ったような顔をしてラントはデイルに言った。


「なんでってそりゃあ、三人一緒じゃなきゃダメだろ」

「え?それが理由なの?」

「何か悪いかよ」

「っぷ、あははは」

「な、何笑ってんだよぉ」


デイルはラントに笑われたことで恥かしくなり顔を赤くして俯いた。


「うん、そうだね、僕も一緒に行くよ」

「ほんとか!?」

「うん!」


ラントが一瞬悪人のような顔をしたようにデイルには見えたがラントが一緒に来てくれると言ってくれたのが嬉しくて気にしなかった。


「じゃあ、ラント明日に出発するから荷物とかの準備をしておいてくれ」

「明日!?わ、わかったよ」

「じゃあ、また明日な」

「うん、また明日、ラントくん、エイミーちゃん」


そういうとラントは家に戻って行き、デイルとエイミーも家に帰った。


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