表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

44/55

44話 戦闘!アナゴンダ!

「お、姉貴!この先に本命が居るぞ!」


森の中を歩いていると、ルカがエコロケーションで獲物を発見した。


「やっとお出ましか。全員戦闘準備!」


姉貴の号令で全員が武器を取り出した。


姉貴は短刀を両手に一本ずつ、舞花は鬼らしくトゲのついた金棒を、そしてリアンは拳骨部分に金属の板が付いてるグローブを手に握る。


リアンも前衛だと聞いたが、てっきり剣だと思っていた。しかしどうやら格闘家のようだ。


「さっきはルカとトーリアに見せ場を譲ったのだから、今回は私たちに任せてくれよ?」


「分かったぞ姉貴!」


「頑張ってねみんな!」


「二人とも、一応流れ弾には注意しておくんだぞ。」


「分かってるよお兄ちゃん!」


「さあ、見えてきたぞ!」


姉貴の声で前を向くと、クエスト対象の魔物、アナゴンダが姿を現した。


全体像は見えないが、その長い胴体は、人を10人飲み込んでも余裕がありそうだ。

頭はどちらかというと穴子の特徴が目立ち、顔の横に胸鰭が生えている。

全身は蛇の鱗で覆われており、黒い斑点と白い斑点はアナゴと蛇どちらの特徴だろうか。


「一応確認だが、グロウは後衛の魔法使いだな?」


「そうっすよ姉貴。」


「ならば、私たちが弱らせたところを魔法で魔石を撃ち抜いてくれ。」


「了解!」


トーリアと魔物狩りをするときと同じ役割だ。これなら初めて組むパーティでも問題ないだろう。


「ではリアン。正面は任せたぞ。」


「えー姉貴がやってよ……」


「あんな巨体の相手は私には厳しいな。」


「まだ眠いのに……」


姉貴はそう言うと、素早く木を登って葉っぱの影に隠れて見えなくなった。

獲物も短刀だったし、おそらくアサシンタイプなのだろう。


舞花は無言で蛇の後方へと駆けていく。回り込んで撹乱するのだろう。


しかしアナゴンダは、木の上に消えた姉貴や横を抜けていく舞花に一瞥をくれることもせず、ただじっとリアンだけを睨んでいる。


首の周りの肉が大きく膨らみ、力を溜めているのが遠目にも理解できる。


俺は万が一飛びかかられても良いように、自分の周りに防御結界を張って様子を見る。


「ふあああぁ……」


リアンは大きな欠伸を零しながら、悠々と歩いて距離を詰めていく。


リアンが間合いに踏み込んだその瞬間、アナゴンダは溜めていた力を解放し、大口を開けて一気に飛びかかる。


一瞬で距離を詰めたアナゴンダは、丸呑みにせんとリアンに迫る。


「シャアアアアア!!」


対するリアンはというと、なんと目を閉じている!


「おいリアン!もう目の前にいるぞ!」


しかしリアンは目を閉じたまま、迫るアナゴンダの顎をその細い両腕で受け止めた。

アナゴンダは大口を開けた状態で動きを止めている。


「お、おお。見えてたのか?」


しかしアナゴンダの攻撃は止まらない。


丸呑みに出来ないことが分かると、長い胴体を巻き付けて締め上げようとする。


リアンはその場を一歩も動かず、まだ目を閉じたままだ。


太く長い胴体に巻き込まれて、俺からはリアンの姿が見えなくなった。


と、その時、巻き付いていたアナゴンダの胴体が弾き飛ばされ、浮き上がった。


そして解き放たれたリアンはというと


「ぐぅ……」


寝ていた!蛇に縛られながら寝ていた!


しかしリアンは目を閉じて眠ったまま、アナゴンダの顔を殴り始めた。

左頬をぶん殴ったかと思うと、素早く回り込んで右頬をぶん殴ってよろめかせる。


次第にリアンの全身から魔力が溢れ出し、揺らめくオーラを漂わせ始める。


と、そこへ樹の上から姉貴が飛び降りてきて、アナゴンダの目に短刀を突き刺す。


「ギシャアアアア!!!」


これにはアナゴンダもたまらずのたうち回るが


「スゥ……スゥ……」


可愛らしい寝息を残して消えたリアンが、下顎へ強烈なアッパーカットを繰り出した。


アナゴンダは声を上げることも出来ず、仰向けに吹き飛ばされる。


落下地点には舞花が居て、練り上げた魔力で怪しく光る金棒を構えて待っている。


「ふんっ!」


舞花がアナゴンダの頭部目がけて金棒を振り抜くと、だるま落としのように頭が千切れ飛んだ。

刃がついていない筈の金棒で、頭を落として見せた。


「すっげえ……これ俺いらなかったんじゃ?」


しかし、アナゴンダはまだ生きているらしい。


頭を失くしたアナゴンダは滅茶苦茶に暴れ回り、周囲の木々をへし折っていく。


「グロウ!奴の頭は魔石を砕かない限り再生する、やってくれ!」


「りょ、了解っす!」


なるほど、頭を落としたくらいじゃ死なないのね。


俺は砲弾を生み出し、回転させる。


魔石の位置は……首の近くだな。

首の断面から打ち込むために頭を落としてくれたのかな?


でも杖のお陰で威力も増してるし、正面から鱗を貫けるんじゃないかな?やってみよう。


俺は威力を増すために、砲弾に風と爆発の二つの魔法陣を刻み込む。

風の魔法陣は射出したあとも加速を続け、鱗を貫通するように。爆発は体内で起爆するように調整した。


「いけ!『キャノン』!」


発射された砲弾は、俺の手を離れてすぐ風の魔法陣が起動して、さらに加速する。

あっという間に距離を詰め、魔石の眠る首に着弾した。


狙い通り鱗を貫いたタイミングで、爆発の魔法陣が起動する。

アナゴンダの首は爆散し、魔石は粉々になって舞い散った。光を反射してキラキラと輝いているのがその証拠だ。


「よっしゃあ!」


「やったなグロウ!」


「姉貴!やりましたよ!」


姉貴が樹の上から降りてきて労ってくれる。


「まさかこいつの鱗を貫通できるとは。これは私たちはいらなかったな。」


「いやいや、それはこっちの台詞ですよ。リアンのあれはなんなんすか?」


「ふふ、面白いものが見れると言っただろう?」


「眠りながら戦ってるんですか?」


「そうだ。睡拳という、一部のエルフに伝わる武術らしい。この森のどこかに道場があって、眠りながら森を彷徨う者だけが辿り着けると言われている。」


「リアンは眠りながら彷徨ってたんですね。」


今も立ったまま眠っているリアンを見ると、そんな姿は容易に想像できる。


「眠りが深くなるほどその身の魔力が膨れ上がり、力を増すんだそうだぞ。」


「詳しいですね姉貴。」


「初めて見たときは驚いてな、叩き起こして詳しく聞き出したんだ。寝てるのに敵味方の区別がつくのか、とかな。」


「ああ、それは気になりますね。」


でも今もこの戦い方をしているということは、眠っていても判別できるのだろう。


「グロウ、こいつを回収してくれるか。」


「了解です。あ、でもこのサイズだといっぺんには入らないので、適当に切り分けて欲しいです。」


「分かった。みんな、手伝ってくれ。」


その後、皆んなで手分けして蛇を切り分けた。

俺とリアンと舞花は、刃物を持っていないので他の3人に任せる事にした。


そうして小さくなったアナゴンダの肉を俺の魔法ポーチに仕舞って、俺たちは帰路に着いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ