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35話 おうきゅうぐらし!

番外編にしても良いくらいの超絶ほのぼの回です。

なんも話進まなので読み飛ばしても問題ありません。


次話更新のときの〇〇部分目の数字と話数をズレさせたくないだけで35話にしています。

ママの生誕祭二日目の今日、俺は王宮の自室の馬鹿みたいにでかいベッドで目を覚ました。


時刻は昼の6時くらいだ。


この世界は朝12時間、昼12時間、夜12時間の計36時間周期で地球が一回転する。

だから昼の6時は、前世で例えるとちょうど正午くらいだ。


「んあーよく寝た。」


この世界に来てから夜は早く寝て朝は遅く起きる生活になった。


前世では、不眠症みたいになってたから、何の心配もなく眠りに落ちるのは気分がいい。


他の種族はどんな生活をしているのか知らないが、エルフは1日の半分以上寝ている人が多いらしい。

1000年以上生きたエルフだと丸一日寝てる事もあるとか。


いくら前世で寝坊助だった俺でも、丸一日は寝た事ないなあ。


そして、パレードみたいな大きな行事というのは、昼を過ぎてから行われる。

時間で言うと、昼の10時くらいだ。


その時間が一番起きてる人が多いんだとか。


「んーもうちょっとゴロゴロしてよ……」


今が昼の6時だから、あと4時間は余裕がある。


それにどうせ、ドライアドの誰かが呼びにくるだろうから、それまでボーッと出来る。


そういえばこれは最近知ったんだが、ドライアドは睡眠を必要としないらしい。


彼等はいつも寝ていて、いつも起きているのだという。


よく分かんないけど、彼等は頭から葉っぱが生えているし、植物に近い性質なんだと思う。


植物が睡眠を取らないように、彼等も睡眠の必要がないのかもしれない。


まあ、植物だって睡眠しているかもしれないけど。


ともあれ、だからこそ彼等ドライアドは、エルフの世話役として俺たちの身の回りの事をしてくれるのだ。


よく眠るエルフを眠らないドライアドが助ける、良い共生関係を築いているよな。


「グロウさまー朝ごはんですー」


そんな取り留めもないことを考えていると、お呼びがかかった。


この声は先日俺の専属従者になってくれたベリルだな。


「勝手に入ってくれていいぞー」


部屋の扉を開けるのも億劫だったので、扉に向かって少しだけ大きい声で伝えた。


「お邪魔しますー」


「ベリル、こういう時は失礼しますと言うのですよ。」


「はーいです。」


ベリルに続いてリーヴィアも入ってきた。


呼びかけの声はベリルだけだったから、彼一人だと思っていたが、どうやら研修中らしい。


「着替えを持ってきたです。」


「まだ寝てたいんだけど……」


「じゃあグロウさまもベリルと一緒に畑でぬくぬくするです!」


「え、畑?」


「そうです!このお城の畑の土はフカフカで最高なのですよ!」


「あ、うーん。今日はやめとこうかな?土で汚れちゃうと困るし……」


「そうですか……残念です……」


俺が断ると、ベリルが見るからに落ち込んでしまった。

シュン……という音が聞こえる気がする。


この城に着いた時に肩まで土に浸かっていたベリルの姿を思い出して、思わず断ってしまった。

でも別に嫌なわけではないから、一言付け加える。


「まあ、帰ってきてお風呂に行く直前だったら、畑に入ってもいいかな。」


「本当です!?じゃあ、あとで畑行くです!」


「ああ、あとで行こうな。」


興奮気味に駆け寄ってきたベリルの葉っぱを優しく撫でてやると、ベリルは嬉しそうだ。


前に、葉っぱへの愛が足りないと言われた事があったが、今なら少し分かる気がする。


そのあとベッドから起きて寝巻きから着替えた俺は、朝ごはんを食べに食堂に向かった。



――――――――――



食堂に着くと、そこに居たのはパパだけだった。


「ママとトーリアはまだ寝てるの?」


「みたいだね。昨日は珍しく遅かったから仕方ないよ。」


「確かに。森に居た頃は、外が暗くなったら寝てたもんね。」


などと話していると、トーリアが寝巻きのままやってきた。

ほとんど従者のベールに引き摺られているような格好だ。


「トーリアおはよう。」


「お兄ちゃんおはあぁぁ……ふ」


「挨拶しながら欠伸するなよ。」


俺もかなり朝が弱い方なんだが、トーリアは俺に輪を掛けて弱い。

お互いまだまだ成長期だが、竜人の体はエルフと比べて、より多くの睡眠を必要としているのかもしれない。


「アンがまだ来てないけど、先に食べ始めちゃおうか。」


「うん、そうしよっか。」


「アタシもたべるー」


森の家で暮らしていた時は、最初に起きた人が適当に朝ごはんを作り、その匂いに釣られてみんな起きていた。


でも王宮だとキチンとした壁があって匂いが届かないから、多分ママはもうしばらく寝てるだろう。


いや、森の家にも一応は結界の壁があったよ?

お風呂とトイレの水が飛び散らないためだけの透明な壁だけど……


などと森での生活を回想していると、パパがエルフのメイドさんに話しかけていた。


ドライアドだけでなく、エルフのメイドや執事もちゃんといるらしい。


「ここで食べる食事は久しぶりだなあ。今朝のメニューはなんだい?」


「はい。本日の朝食はごはん、味噌汁、焼き魚、卵焼き、冷奴、ほうれん草のおひたし、納豆です。」


「いや、めっちゃ和食。」


エルフの食事って和食だったのか?

まあ確かにステーキとか食ってるよりはイメージに合うけど。


「これらの料理は、女王陛下が遠い異国の地で見つけてこられた料理だそうで、料理長殿が頑張って再現しておられました。」


ああ、なるほど。

ママが俺たちの世界を覗いてる時に見て、食べたくなって作らせたわけか。


「ああ、アンが言っていた料理が完成したんだね。」


「懐かしいねお兄ちゃん!」


「お、トーリアも目が覚めたか。」


「美味しそうな匂いだもん!」


睡魔も食欲には勝てなかったか。


「料理長が言うには、醤油や味噌を作るのが大変だったそうですよ。」


「確かに、ああいうのは作るの大変そう。」


「似たような発酵食品は既にあったのですが、陛下のこだわりが強くて大変だったと伺っております。」


「うちのママがすみません……そういえば、その料理長さんは今居ないんですか?」


辺りを見回しても、壁際に数人のメイドが控えているだけで、料理長らしき人物は見かけない。


ちなみにドライアドの従者たちは、森で一緒に食卓を囲んでいた事もあって、同じテーブルに座っている。

彼等は従者だが、その扱いはかなり特殊みたいだ。


「料理長は作りだめしたので今は寝ています。夕方くらいに起き始めると思いますよ。」


「あ、そうなんですね。あれ?じゃあこの料理は?」


「これは厨房の魔法食糧庫に保管されているものです。庫内は時間が停止していますので、作り立てそのままの状態でお出ししています。」


「へえーなんか凄いっすね。」


エルフの世界では、料理長は好きな時に作り置きして、それを王族に出しても良いのか。


まあ確かに出来立てから時間が進まないなら、何も問題はないな。


「ふふふ。アンはそういうところ、かなり合理的な考えだからね。歴代の国王の中には、本当に作り立ての料理だけを持って来させていた王も居たみたいだよ。」


「へえ、エルフにも色々いるんだね。」


「もちろん。エルフだってドラゴンだって、人それぞれ十人十色さ。」


なるほどなあ。

トーリアによくママに似てるって言われるけど、こういうところは俺も同じ考えだな。


時間止めてるから変わんないのに、わざわざ作り立てを持ってこさせるなんて意地悪な王様だ。


料理長やメイドだって、出来るだけ好きな時に寝て、好きな時に働けばいいのだ。


そして朝食を半分くらい食べ終わった頃、ようやくママが起きてきた。


「おはあぁぁあ……よう……」


「おはよう、アン。今日はアンが食べたがっていた料理だよ。」


「……え!嘘!これがお味噌汁ってやつ!?やるじゃない!シェフ!シェフを呼んで!」


「料理長は現在眠っておられます。」


「じゃあ起きたら伝えといて!これよこれ!」


ママは殆ど目が開いていない状態でやってきたのに、ご飯を前にしたら急に元気になって、モリモリ食べ始めた。


「こういうところはトーリアにそっくりだよな。」


そのままワイワイと朝食を食べ終えた俺たちは、今日も今日とてパレードを行うのだった。

一人、また一人とブックマークしていただけるのが最近の生きがいです。毎日確認して、増えるたびスクショしてニヤニヤしています。

読んでくださっている皆様ありがとうございます。

全然まだまだ続きますが、ありがたく思ったのでそのまま口にしました。それでは!

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