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20話 お城探検!

パレードから帰ってきた俺たちは、お城で解散となった。


ママは各国からの来賓と謁見式をするらしく、まだまだ忙しいらしい。


ちなみに、俺たち子供は謁見にはまだ出席する必要はないらしい。

政治的なやりとりなんて全く学んでないから、出たところで何も出来ないからな。


というか、魔法と戦い方しか学んで無いんだが……。

まあエルフでは100歳くらいまでは子供という扱いらしいので、これから覚えるのかな?


「そうだあなた達、これ持ってなさい。」


そう言ってママが渡してきたのは、小さな木製のペンダントだ。


木の板の片面に魔石が埋められていて、両面に魔法陣がビッシリ描かれている。


「これはなに?」


「これはあなた達の世界のスマホを参考に作ったものよ。今のところは、位置情報だけなんだけどね。」


「え!?すご!ママこんなの作ってたの!?」


「素材に世界樹の枝を使ってるから、世界樹の枝葉の下なら誤差1ミリ以下で位置座標を割り出せるわ。まだ試作品だから、世界樹から離れると精度が落ちるのよね。」


「前世より精度高いんじゃないのこれ。ちなみに、俺たちの位置座標は誰が見れるの?」


「今のところは私とアレイクスとコンメリーナだけだから安心して。あ、それ魔法ポーチに入れちゃうと反応しないから、ちゃんと首から下げておいてね。結構魔力を吸われるけど、あなた達なら大丈夫でしょ。」


「確かにまあまあ吸われるね。全然平気だけど。」


「どう、お兄ちゃん。似合う?」


「お、トーリアのは魔石の色が赤なのか。似合ってるぞー。」


「えへへー!」


「それ着けてたらどこ行ってもいいから、適当に遊んでらっしゃい。城の外に出るなら誰か護衛に一声かけて行くのよ。」


「「はーい。」」


ママはパパやコンメリーナさん、ルスローさんを連れて謁見の間の方に歩いて行った。


「さてトーリアよ。お兄ちゃん、まずは城の中を探検しようと思うのだが?」


「奇遇だねお兄ちゃん。アタシもまずはお城かなって思ってたんだよね。」


と、いうことで二人でお城探検をする事になった。


聞いた話だと、このお城は前半分は観光地らしい。

今は来賓が来ているので閉じているが、普段は一般に解放されているらしい。

謁見の間見学ツアーが人気なのだとか。


そして後ろ半分が本来のお城としてのエリアだ。


つまり、軍事施設だな。


「前半分はママの邪魔になっちゃうから、後ろの方回ってみようぜ。」


「アタシあの一番高いところ行きたい。」


「お、じゃあ飛んでいくか。」


パレードの前に見た、ドラゴンが顔を出してるお城の尖塔へ飛んでいく。

トーリアは自分の翼で、俺は飛行魔法でだ。


到着した場所は下から見るより広くて、意外にも快適そうな空間だった。


白と青と緑のドラゴン3匹が、ドラゴンサイズのクッションに寝そべりながら街を見下ろしている。


「こんにちわー!」


トーリアが元気よく挨拶すると、3匹がのっそりと首を持ち上げてこちらを向いた。


パパで見慣れたと思ってたけど、やっぱりドラゴンに見つめられるのって怖いな。


「やあ、王子さんと王女さんだね。」


「パレードの様子はここから見ていたよ。」


「二人ともアレイクスさんに似てるね。」


白い竜を皮切りに、青い竜も緑の竜も思い思いに話しかけてきた。


「えっと、俺たち今お城を探検してて、ここで何してるんですか?」


「見ての通り、街を監視しているのさ。」


「大変そうですね。」


「そうでもないよ。見てるだけだしね。」


「ここにいる間はお菓子食べ放題さ。」


「君たちも食べるかい?」


「え!お菓子食べ放題なんすか!?」


「わーいアタシ食べるー!」


よく見るとクッションの横に馬鹿でかいドーナツと盃が置いてあった。


「これ何飲んでるんですか?」


「僕のはワインだね。」


「僕は今日はウイスキーだよ。」


「僕はりんごのお酒だよ。甘くて美味しいんだ。」


すげーよ、仕事中に酒飲んで菓子食ってるよ。

日本じゃ考えられないというか、多分外国でもウイスキーは飲まないだろ。


「酔っ払わないんですか?」


「まあこれくらいの量なら問題ないよ。」


「そうそう、ちょっと遠くの景色がボヤけるくらいだよ。」


「僕ら体が大きいからさ。」


「ドラゴンてお酒に強いんですね。」


青い竜がヤバそうなこと言ってたけど、面倒くさいので聞かなかった事にしよう。

ウイスキーなんて飲んでるからだぞ。


「お兄ちゃん!次のとこ行こ!」


ドーナツを分けてもらってご満悦のトーリアは、もうこの場所に満足したらしい。


「じゃあお城の裏庭に降りるか。」


俺たちは3匹の酔いどれドラゴン達に別れを告げて、城の裏庭に降り立った。


降り立って分かったが、裏庭というよりは練兵場と言った方が正しいようだ。


広場の中央では、フルプレートの鎧を着込んだ騎士達が綺麗な隊列を組んで行進している。


俺たちはそれを見守る二人の騎士さんに近づく。


「こんにちわ。綺麗な行進ですね。」


「これはこれは、王子殿下に王女殿下。こんな所までご足労いただけるとは。」


「今やってるのはどんな訓練なんですか?」


「ああ、あれは訓練では無く、ゴーレムの動作確認ですよ。一体だけ遅れてたりすると故障に気付きやすいので、同時に行進させているのです。」


「え!あれゴーレムなんですか!?」


フルプレートメイルを着込んだエルフじゃなくて、人型のゴーレムだったのか!


「王子殿下はご存じ無かったのですね。あれは最新鋭の騎士型ゴーレムでして、人が身につける鎧を流用しております。従来型と違い、鎧を破損しても破損箇所を交換するだけでまた前線に送り込めるのです。」


「という事は、中は空洞になっているのですか?」


「いえ、胴体部分には大きめの魔石が搭載されておりまして、魔力タンクの役割を果たしております。」


説明してくれていた男性エルフの隣の騎士さんが徐に兜を脱いだ。

その下に頭はなく、この人もゴーレムだったらしい。


彼は頭を下げて首から胴体内を見せてくれる。

中には鎧の幅ギリギリくらいの魔石が浮かんでいる。


「おお、めっちゃデカい魔石ですね。てことは、このゴーレム達は胴体が弱点なんですね。」


「そうですね。頭の魔石が制御装置になっておりまして、頭と胸部が弱点と言えます。しかし、その弱点は人と同じですので、人の技術を覚えさせれば十分に補えますよ。」


「なるほど。そう考えるとかなり有用ですね。」


このゴーレム達を前線に立たせて、後ろから魔法でドーンってやれば、人的被害は最小限に抑えられるな。

前世でもあと20年もしたらそういう戦場になるのかもしれないな。


「ねえお兄ちゃん、他のとこ見に行こうよ。」


「ああ、トーリアはあんまり興味なかったか。」


「うーん、興味無いわけじゃないけど、色々見たいかなって。」


「じゃあ、俺たちはこの辺で失礼します。お邪魔しました。」


「次は模擬戦の時にいらしてください。退屈しないかと思いますよ。」


「そうですね。そうさせてもらいます。」


俺たちは城の裏口から、城内の探検に向かった。

今日はフェスですね。

ミルクチョコが一番美味いですよね。

もっと言うとブラックサンダーが一番美味いですよね。

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